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12月鉱工業生産指数は2カ月ぶりに前月比上昇か。12月商業販売額・小売業の前年同月比は11月と同程度の伸び率を予測―日本の主要経済指標予測(2024年1月24日)―

12月鉱工業生産指数の関連指標、実質輸出、景気ウォッチャー調査・製造業DI、製造工業生産予測指数など前月比かなりの上昇を示唆(1月31日発表)

 12月28日に発表された11月の鉱工業生産指数・速報値は、前月比▲0.9%と3か月ぶりの低下になりました。経済産業省の基調判断は「生産は一進一退で推移している」で、3月~6月の「生産は緩やかな持ち直しの動き」から下方修正になった7月から5カ月連続同じ判断になりました。
 
 11月速報値では、全体15業種のうち、半導体製造装置に代表される生産用機械工業など4業種だけが上昇、自動車工業や電気・情報通信機械工業、汎用・業務用機械工業等の11業種が低下したことから、全体として低下しました。
 
 1月18日に発表された鉱工業生産指数・11月確報値の前月比は▲0.9%と速報値と同じになりました。業種ごとにみると全体16業種のうち、新たに食料品・たばこ工業が上昇で加わり、生産用機械工業、その他工業など5業種が上昇、自動車工業、電気・情報通信機械工業、汎用・業務用機械工業など11業種が低下という結果になりました。
 
 1月31日に発表される12月の鉱工業生産指数(速報値)前月比は+5.0%程度と、2カ月ぶりの上昇になると予測しました。また、12月の前年同月比は+2.4%程度と2カ月ぶりの上昇になると予測しました。
 
 製造工業生産予測指数の12月は前月比+6.0%の上昇見込みです。過去のパターン等で製造工業生産予測指数を修正した経済産業省の機械的な補正値でみると、12月の前月比は先行き試算値最頻値で+3.2%の上昇になる見込みです。90%の確率に収まる範囲は+1.8%~+4.6%になっています。
 
 12月の財務省貿易統計で輸出金額の季節調整済み前月比は+5.8%の増加になりました。日銀の輸出物価指数の12月の前月比は▲2.6%です。また、12月の日銀の実質輸出の前月比は+7.7%の増加になりました。
 
 景気ウォッチャー調査・製造業・現状水準判断DI(季節調整値)は、23年1月43.1、2月43.6、3月46.8、4月46.2、5月48.6、6月48.8、7月46.1、8月47.1、9月43.7、10月44.1、11月43.7、12月45.5で、12月は11月から上昇しました。
 
 ロイター短観(400社ベース)の製造業・業況判断DIは、11月から12月にかけて6ポイント上昇しました。QUICK短観の製造業・業況判断DIは、11月から12月にかけて2ポイント上昇しました。
 
 このような関連データなどを、総合的に判断し予測しました。

※2023年12月は筆者予測値

12月商業販売額・小売業の前年同月比は11月+5.4%と同程度の増加率か(1月31日発表)

 12月28日に発表された商業販売額・小売業・11月速報値の前年同月比は+5.3%と10月確報値の+4.1%から1.2ポイント増加率が高まりました。1月16日に発表された11月確報値では、商業販売額・小売業の前年同月比は+5.4%に上方修正されました。
 
 1月31日に発表される12月速報値の商業販売額・小売業の前年同月比は+5.4%程度と11月確報値の+5.4%と同程度の増加率になると予測します。
 
 12月の大手百貨店5社の売上高・前年同月比の単純平均は+9.3%で11月の+10.8%から1.5ポイント縮小していること、日本チェーンストア協会の全国スーパー売上高12月前年同月比は+1.7%で11月の+3.7%から2.0ポイント鈍化していること、一方、日本フランチャイズチェーン協会の全国コンビニエンスストア売上高(既存店ベース)で前年同月比12月のコンビニ売上高が+4.2%と11月の▲0.1%から4.3ポイント改善したことなどを総合的に参考にして、各種商品小売業・12月前年同月比は11月の+4.6%から増加率がやや拡大するとみました。
 
 また、燃料小売業の12月の前年同月比は11月の+3.9%からやや拡大する可能性が高いとみました。レギュラーガソリン価格の前年比をみると、12月は+4.1%程度と11月の+3.5%程度から上昇率が高まりました。一方、自動車小売業の12月前年同月比は11月の+10.8%から増加率がやや縮小するとみました。新車新規登録届出台数(乗用車)の12月前年同月比は+11.0%で11月の+11.7%から増加率がやや縮小しているからです。
 
 なお、景気ウォッチャー調査で11月から12月への小売関連の現状水準判断DI(季節調整値)の動きをみると、46.0から46.7へやや上昇しています。これらを総合的に判断し予測しました。

※2023年12月は筆者予測値

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。