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6月完全失業率は5月から横這いを予測。6月の自殺者数・暫定値は8カ月連続で前年同月比減少。6月有効求人倍率も5月から横這いを予測。―日本の主要経済指標予測(2024 年7月16日)―

6月有効求人倍率は1.24倍程度と5月と同程度か。雇用関連の現状水準判断DIは上昇を、新規求人倍率は低下を示唆。(7 月31日発表)

 6月28日に発表された5月の有効求人倍率は1.24倍で、前月に比べて0.02ポイント低下しました。 5月の有効求人は前月比+0.1%の増加となり、有効求職者は同+1.9%の増加となりました。正社員の有効求人倍率は1.00倍となり、前月を0.02ポイント下回りました。

 有効求人倍率などの指標は、厚生労働省からハローワークにおける求人・求職・就職の状況をとりまとめたものが毎月公表されています。有効求人倍率の 1.00 倍は有効求人数と有効求職者数が同じであることを意味し、1 を上回ると有効求人数が相対的に多いことを示唆します。

 5月の新規求人(原数値)は前年同月比▲0.6%の減少となりました。新規求人数(原数値)前年同月比を産業別に見ると、情報通信業+5.7%、卸売業,小売業+4.6%、医療,福祉+1.4%などで増加となり、生活関連サービス業,娯楽業▲10.6%、製造業▲7.4%、建設業▲3.4%などで減少となりました。

 6月の有効求人倍率は 1.24倍程度と5月の1.24倍と同程度になると予測します。

 景気ウォッチャー調査の雇用関連の現状水準判断DI(季節調整値:50 が判断の分岐点)は23年7月に54.4と最近の極大値をつけた後、8月52.5、9月51.8、10月51.3、11月49.5と低下傾向で推移しました。その後、12月51.7、24年1月51.1、2月52.3、3月52.3と幾分持ち直した後、4月50.8、5月48.8と低下しましたが、6月は49.3に戻りました。一方、やや先行性があるとみられる新規求人倍率は2.16倍で、前月に比べて0.01ポイント低下しました。こうした様々な関連データを総合的に考慮して予測しました。

※2024年6月は筆者予測値


6月完全失業率は 2.6%程度と5月の2.6%と同水準か。(7 月31日発表)

 6月28日に発表された5月の完全失業率(通常マスコミで報じられるものは小数点第 1 位までの季節調整値)は 2.6%で4月の2.6%と同水準になりました。5月は就業者数が6,766万人と前年同月比+0.3%で22カ月連続の増加になりました。完全失業者数は193万人。前年同月比+2.7%、前年同月に比べ5万人の増加。2カ月連続の増加になりました。求職理由別に前年同月と比べると、「勤め先や事業の都合による離職」が2万人の減少。「自発的な離職(自己都合)」が5万人の増加。「新たに求職」が3万人の増加になりました。

 ちなみに、5月の完全失業率は小数点第2位までだと2.62%です。4月2.63%から0.01ポイントと僅かに低下しました。男女別の動きはまちまちで、5月の男性の失業率は2.86%で4月の2.80%から0.08ポイント上昇、一方、5月の女性の失業率は2.33%で4月の2.43%から0.10ポイント低下しました。

 6月の完全失業率(季節調整値)は 2.6%程度と 5月2.6%と同水準になると予測します。季節調整値の完全失業率を小数点第 2 位(景気動向指数・遅行系列に採用)まででみると、23 年 1 月 2.46%、2 月2.59%、3 月 2.74%、4 月 2.59%、5 月 2.56%、6 月 2.51%、7月 2.63%、8月 2.63%、9月 2.55%、10月 2.54%、11月 2.54%、12月 2.47%、24年1月 2.44%、2月 2.60%、3月 2.61%、4月 2.63%と推移しています。

 なお、原数値の完全失業率を季節調整値にするための除数である 24 年6月の推計季節指数は1.022で 5月の1.055よりやや小さい数字です。

 自殺の原因には経済・生活問題も多く、78 年から 23年までの 46 年暦年の完全失業率と自殺者数(警察庁)の相関係数は 0.91 と完全一致の 1 に近い強い正の相関があります。自殺者数の前年同月比は 23 年 7 月▲0.5%、8 月+2.4%、9 月▲2.6%、10月+5.4%と減少と増加を繰り返した後、11月▲9.4%、12月▲0.6%、24年1月▲10.5%、2月▲8.8%、3月▲8.6%、4月▲5.9%、5月▲7.1%、6月暫定値▲12.5%と8カ月連続して減少しています。5月から6月にかけて減少率は拡大していますが、5月は暫定値▲12.3%から▲7.1%と減少率が大幅に縮小しました。

6月新設住宅着工戸数の前年同月比は、2カ月ぶりの増加か。(7月31日発表)

 6月28日に発表された5月の新設住宅着工戸数は、前年同月比▲5.3%の6万5,882戸で、先月の増加から再び減少しました。季節調整済み年率換算81.3万戸で前月比▲7.6%と2カ月ぶりに減少に転じました。

 持ち家は前年同月比▲8.7%で30カ月連続の減少、貸家は前年同月比▲5.3%と2カ月ぶりの減少になりました。分譲住宅は前年同月比▲0.9%と2カ月ぶりの減少になりました。分譲住宅のうちマンションは+13.2%で2ヵ月連続の増加になりました。

 6月の新設住宅着工戸数の前年同月比は+0.5%程度で、2カ月ぶりに増加に転じると予測しました。6月の新設住宅着工戸数・年率換算・季節調整値は82.0万戸程度、前月比は+0.9%程度の増加に転じるとみました。

 景気ウォッチャー調査の住宅関連の現状水準判断DI(季節調整値)は、23 年 1 月 41.3、2 月40.6、3 月 42.2、4月 42.4、5 月 42.7 、6月 42.7 、7月 42.8、8月 41.6、9月 43.9、10月39.5、11月39.0、12月41.1、24年1月45.1、2 月45.1、3 月46.3、4 月42.8、5 月42.0、6 月43.3と 推移していることなどを参考に予測しました。 6月は、5月よりも、また23年6月よりも やや高いDIになりました。

※2024年6月は筆者予測値

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。