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5月~ 7月の自殺者数・前年同月比は3カ月連続減少で減少。7月の完全失業率は 6 月と同じ2.5%程度を予測。 ―日本の主要経済指標予測(2023 年8 月21日)―

7月の有効求人倍率は6月と同水準の1.30倍を予測(8 月 29 日発表)

  8 月1 日に発表された6 月の有効求人倍率は1.30倍と前月から0.01ポイント低下しました。仕事を探す有効求職者が前月比+0.6%増加した一方、有効求人数は前月比▲0.0%と横ばいでした。有効求人倍率は2カ月連続で前月を下回りました。物価上昇によって家計の負担が重くなっていて、仕事を探す人が増えたようです。
  求人倍率などの指標は、厚生労働省からハローワークにおける求人・求職・就職の状況をとりまとめたものが毎月公表されています。有効求人倍率の 1.00 倍は有効求人数と有効求職者数が同じであることを意味し、1 を上回ると有効求人数が相対的に多いことを示唆します。
  7 月の有効求人倍率は 1.30倍程度と6 月の 1.30 倍と同程度になると予測します。
  景気ウォッチャー調査の雇用関連の現状水準判断DI(季節調整値:50 が判断の分岐点)は 22 年 10 月の 52.8 をピークに 1 月の
47.2 まで低下基調にありましたが、その後 2 月 51.2、3 月 53.9、4 月 53.4、5 月は 54.4、6 月は 54.3 、7月は55.3へと振幅を伴いつつも改善基調で推移しています。一方、やや先行性があるとみられる新規求人倍率は6 月 2.32 倍で、5 月 2.36 倍に比べて 0.04 ポイント低下しました。

※2023年7月は筆者予測値

7 月完全失業率は 2.5%程度と6月の2.5%と同水準か(8 月 29日発表)

  8 月 1日に発表された 6 月の完全失業率(通常マスコミで報じられるものは小数点第 1 位までの季節調整値)は 2.5%で、5月の 2.6%から0.1ポイント低下しました。6月の就業者数は6,785万人で、前年同月と比べて+26万人と、11か月連続で増加しました。一方、6月の完全失業者数は179万人と、前年同月と比べて▲7万人と2か月連続の減少となりました。
  なお、女性の就業者数は3,065万人と比較可能な1953年以降で過去最多となりました。コロナ禍からの回復を背景に、宿泊業を中心に、教育・学習支援業や製造業などで女性の就業者が増えてきていて、完全失業率の改善につながったとみられます。
  7月の完全失業率(季節調整値)は 2.5%程度と 6月の 2.5%と同水準になると予測します。季節調整値の完全失業率を小数点第 2 位(景気動向指数・遅行系列に採用)まででみると、23 年 1 月 2.42%、2 月2.60%、3 月 2.81%、4 月 2.59%、5 月 2.55%、6 月 2.48%と推移しています。また、原数値の完全失業率を季節調整値にするための除数である 23 年7 月の推計季節指数は 0.991で 23 年 6 月の1.034より小さいため、季節調整値の完全失業率は6 月の 2.5%から大きく低下し2.3%以下になる可能性は小さいとみます。
  自殺の原因には経済・生活問題も多く、78 年から 22 年までの 45 年暦年の完全失業率と自殺者数(警察庁)の相関係数は 0.91 と完全一致の 1 に近い強い正の相関があります。自殺者数の前年同月比は 23 年 1 月+8.3%、2 月+10.1%、3 月+0.8%、4 月+6.7%の増加のあと、5月は▲14.5%と13 カ月ぶり減少になったあと、6月は▲14.2% ,7 月暫定値は▲8.1%と減少率は1ケタになったものの、3カ月連続の減少になりました。こうした情報を総合的に判断し予測しました。


7 月新設住宅着工戸数の前年同月比は減少率縮小するものの、2カ月連続の減少か(8月 31 日発表)

  7 月31 日に発表された6 月の新設住宅着工戸数は、前年同月比▲4.8%減少の7万1,015戸で、2カ月ぶりに減少に転じました。季節調整済み年率換算81.1万戸で前月比▲5.9%の減少でした。持ち家は前年同月比▲12.4%で19カ月連続の減少、貸家は前年同月比▲0.6%と2か月ぶりの減少、分譲住宅は前年同月比▲2.9%で2カ月ぶりの減少、但しうちマンションは前年同月比+7.2%と2ヵ月連続の増加となりました。
  7月の新設住宅着工戸数の前年同月比は▲2.4%程度と 6月の▲4.8%から減少率は縮小するものの、2カ月連続の減少になると予測しました。7月の新設住宅着工戸数・年率換算・季節調整値は81.5 万戸程度、前月比は+0.5%程度の増加になるとみました。
  景気ウォッチャー調査の住宅関連の現状水準判断DI(季節調整値)は、22 年 10 月 42.0、11 月 42.2、12 月 39.3、23 年 1 月 40.7、2 月40.0、3 月 42.3、4月 42.6、5 月 43.2 、6月 43.2 、7月 43.4と 推移していることなどを参考に予測しました。

※2023年7月は筆者予測値

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。