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4月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は3月から上昇も、+3.4%程度と、電気・ガス料金の負担軽減策で3%台の伸び率継続に。4月貿易統計で、出超額は赤字継続だが、前年同月比で赤字縮小か。―日本の主要経済指標予測(2023年5月10日)―

4月貿易統計・通関収支差▲6,700億円程度、輸出・前年同月比+3.5%程度、輸入・同+1.1%程度か(5月18日発表)

4月の貿易統計で、輸出額から輸入額を差し引いた通関収支差は▲6,700億円程度と21カ月連続の赤字になると予測します。但し、前年同月の▲8,549億円から赤字幅が▲21.6%程度縮小するでしょう。なお、4月上中旬の通関収支差は▲8,785億円で、前年同旬比▲23.7%赤字幅が縮小しています。

4月の輸出額は8兆3,621億円程度、前年同月比は+3.5%程度と26カ月連続増加になると予測します。4月上中旬で輸出額は前年比+3.9%でした。輸出が大きく増加した品目は自動車、医薬品、科学光学機器で、大きく減少した品目は鉱物性燃料、プラスチック、半導体等電子部品でした。4月の輸入額は9兆321億円程度、前年同月比+1.1%程度と26カ月連続の増加になると予測します。4月上中旬で輸入額は前年比▲1.2%と減少でした。輸入で大きく増加した品目は、無く。大きく減少した品目は原粗油、LNG、非鉄金属でした。

4月上中旬の原粗油の単価、数量、輸入金額の前年同旬比をみると、単価は69,173円/klで前年同旬比▲15.2%程度の低下でした。数量は前年同旬比▲11.1%程度の減少、金額は前年同旬比▲24.7%程度の減少でした。4月月間の単価(入着原油価格)の前年同月比は、25カ月ぶりに下落に転じる可能性が大きいと思われます。輸入全体の金額の減少要因になるでしょう。

※2023年4月は筆者予測値

4月全国消費者物価指数・生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコア)の前年同月比は+4.2%程度と41年7カ月ぶりの高水準か(5月19日発表)

4月の全国消費者物価指数・総合の前年同月比は+3.4%程度と3月の+3.2%から0.2ポイント程度高まり、20カ月連続の上昇になると予測しました。2月は+3.3%でした。1月の+4.3%に比べ、2~4月は、上昇率が政府の電気・ガス料金の負担軽減策の影響(寄与度、2月▲1.01%、3月は▲1.00%、4月も同程度)や全国旅行支援の影響(寄与度、2月は▲0.13%、3月は▲0.13%、4月は東京都区部が3月▲0.15%から▲0.06%になったことからみて全国もマイナス寄与度縮小?)により鈍化するとみました。4月の全国消費者物価指数・総合の前月比は+0.3%程度と予測しました。

4月の全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は+3.4%程度と3月の+3.1%と0.3ポイント程度上昇率が高まり、20カ月連続の上昇になると予測しました。前月比は+0.2%程度とみました。4月の生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前年同月比は+4.2%程度と3月の+3.8%から0.4ポイント程度上昇率を高め、13カ月連続の上昇になるとみました。+4.2%は81年9月以来41年7カ月ぶり、4%台は81年10月の+4.0%以来の高水準です。前月比は+0.2%程度と予測しました。

4月28日に既に発表されている4月東京都区部消費者物価指数(中旬速報値)と4月大阪市消費者物価指数(中旬速報値)のデータを地域差による若干のウエイトの違いを考慮し利用することで予測しました。

関連データである4月東京都区部消費者物価指数(中旬速報値)では、総合の前年同月比は+3.5%と3月の+3.3%から0.2ポイント上昇率が高まりました。1月は+4.4%と高かったのですが、2月からの政府の電気・ガス料金の負担軽減策の影響が出て、2月は+3.4%になりました。4月も電気・ガス料金の負担軽減策で▲0.93ポイント上昇率が鈍化し、さらに全国旅行支援の影響で4月は▲0.06ポイント上昇率が鈍化しています。

天候要因に左右される生鮮食品の4月前年同月比は+5.3%で3月の+5.1%から0.2ポイント上昇率が高まり、総合・前年同月比寄与度差で+0.01ポイント分の上昇要因になりました。また、4月の生鮮食品を除く食料の前年同月比は+8.9%と、食料品の値上げが続いていることから3月の+8.1%から上昇率が高まりました。総合・前年同月比寄与度差は+0.19となり、4月の総合の上昇のほぼすべてを説明できる状況です。一方、大阪市消費者物価指数・総合・4月(中旬速報値)前年同月比は+4.0%で3月の+3.8%から、こちらも0.2ポイント伸び率が高まりました。1月は+5.0%、2月は+3.6%でした。

4月の東京都区部消費者物価指数(中旬速報値)では、エネルギー全体の前年同月比は▲2.6%で3月の+0.3%の上昇から下落に転じ、総合・前年同月比寄与度差で▲0.16%の下落要因になりました。その内訳は、電気代▲0.06%、都市ガス代▲0.11%、ガソリン+0.01%です。

4月の宿泊料の前年同月比は+8.2%と、3月の前年同月比▲0.6%の下落から上昇に変わりました。全国旅行支援の影響(寄与度)の下落要因を上昇要因が上回った形です。4月の3月からの総合・前年同月比寄与度差は+0.10ポイントです。インバウンド需要増加などの上昇要因があるとみられます。

4月の生鮮食品を除く総合の前年同月比は、東京都区部(速報)は+3.5%で3月の+3.2%から0.3ポイント上昇率が高まりました。1月は+4.3%、2月は+3.3%でした。一方、大阪市の4月は前年同月比+4.0%で3月の+3.7%から0.3ポイント上昇率が高まりました。1月+4.9%、2月は+3.4%でした。4月の生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前年同月比は、東京都区部(速報)は+3.8%と3月の+3.4%から0.4ポイント上昇率が高まりました。一方、大阪市の4月前年同月比は+4.8%で3月の+4.4%から上昇率が0.4ポイント高まりました。

※全国消費者物価指数4月前年同月比は筆者予測

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。