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大相撲夏場所懸賞は、この一年間での東京場所では一番少ない懸賞本数だが、前年比は5場所連続増加継続中。JRA・G1レース売得金・前年比はもたつき局面から変化の兆し。自動車「不正」の影響なくなり元に戻る生産などの動きと整合的か。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年5月28日)―

新小結・大の里、幕下付出し初土俵から7場所での史上最速優勝かつ新小結での優勝。かつての史上最速優勝の輪島初優勝や安念山の優勝時の景気は拡張局面。

 2000年6月7日生まれの23歳、新小結・大の里(二所ノ関部屋)が夏場所千秋楽で、関脇・阿炎に勝ち12勝3敗で初優勝を手にしました。昨年の夏場所に幕下付出しで初土俵、そこから所要7場所での史上最速優勝を達成しました。春場所で110年ぶりとなる新入幕優勝を果たした平幕・尊富士と同様、大の里は髪が伸びるよりも出世が早く、大銀杏ではなく、ちょん髷姿での優勝でした。
 
 この快挙は、大の里の出身地である石川県の先輩力士、優勝14回の第54代横綱・輪島が15場所目の関脇だった昭和47年夏場所に12勝3敗で初優勝した記録を更新するものです。さらに、新小結だった安念山が13勝2敗の生涯唯一の幕内最高優勝した昭和32年夏場所以来、67年ぶりの新三役優勝を果たしたことになります。ちなみに、昭和47年5月と昭和32年5月は景気拡張局面に当たります。
 
 さらにこの夏場所のNHK優勝インタビューで、アナウンサーの「石川県の方々も喜んでいると思うが」という問いかけに、大の里は「こうやって優勝する姿を石川県の方に見せられてうれしいです」と答えました。大の里は石川県河北郡津幡町の出身で、能登半島地震の被災地の人たちへ優勝でエールを送ったかたちになりました。
 
 「これからしっかり親方の言うことを守って、上へ上へと精進したい。本当に強いお相撲さんになっていきたい」と将来への抱負を述べた大の里が今後活躍して、人々に勇気と元気を与えることに期待します。
 
 

大相撲夏場所懸賞1,980本はこの一年間での東京場所では一番少ない懸賞本数だが、前年比は+10.7%で5場所連続前年同場所比増加に。

 大相撲夏場所は、7日目から9日目には役力士9人中5人が休場という異常事態となり、事前申し込みで2,254本あった懸賞が、実際には1,980本になりました。過去最高だった同じ両国国技館開催の東京場所である昨年秋場所2,325本を上回ることはできませんでした。東京場所としては今年の初場所の2,088本も下回ってしまいました。この一年間、最近3場所の東京場所では一番少ない懸賞本数になってしまいました。しかし、前年同場所比は+10.7%と、5場所連続前年比増加になりました。

夏場所に初優勝した小結・大の里の獲得懸賞は223本で第3位に。

 今場所、いちばん多く懸賞を獲得したのは、父のしこ名の琴乃若を祖父の琴桜に改名した大関・琴桜の375本でした。初優勝した小結・大の里は223本で3位でした。

24年のJRAの売得金、年初からの累計前年比は増加続くが、4月・5月はもたついた展開に。

 JRA売得金の23年前年比は+0.7%で12年連続増加になりました。緩やかながら景気拡張局面が続いていたことと整合的な数字でになりました。平成・令和の 34 年間(平成元年・1989 年~令和 5 年・2023 年)での名目 GDP 前年比と売得金前年比の相関係数は 0.71です。景気が良く収入が伸び、懐具合が良い時は競馬の売得金も伸びるようです。

 24年のJRA売得金・年初からの累計前年比は5月26日時点で13年連続増加に向けプラス基調で推移しています。但し、5月19日時点・5月26日時点では連続して+0.6%と今年になっての最低の伸び率になり、もたつきが感じられました。

JRA・G1レース3月末~4月の4レースは全て前年比減少だったが、5月26日の日本ダービーは前年比+5.0%と増加に。

 GⅠレースは今年3レース目の大阪杯が前年比▲10.3%と減少になってしまいました。続く4月のG1レースの売得金は3レース全てが前年比減少ともたついた内容でした。しかし、5月は4レース中、増加と減少が2レースずつになりました。直近の5月26日の日本ダービーは前年比+5.0%と増加になりました。

Aぇ! groupの1stシングルCD『《A》BEGINNING』が、 5月2枚目の50万枚超の初動売上げに。景気拡張局面継続を示唆。

 5月21日発表の5月27日付オリコン週間シングルランキングで、Aぇ! groupの1stシングルCD『《A》BEGINNING』が初動(初週)売上げ62.5万枚で1位なりました。Aぇ! groupは、関西ジュニアから誕生した5人組の男性グループで、19年に結成後、関西を拠点に活動しています。今年の初動売上げでは、Snow Manの『LOVE TRIGGER/ We’ll go together』に次ぐ2位につけました。デビューシングルでの初動50万枚超えは、なにわ男子以来2年6カ月ぶりになります。
 
 現在、配信ダウンロードなど音楽は様々な手段で入手することができます。その中でもパッケージCDを入手しようとする余裕のある人が増えてCD売上げが初動50万枚超になっていると、景気は拡張局面であることが多いようです。例えば、日本ではリーマンショックによる景気後退局面は山が08年2月、谷が09年3月ですが、08年に初動売上げ50万枚超になったCDは皆無でした。09年3月の谷になって初めて、嵐/矢野健太starring Satoshi Ohnoのカップリング曲「Believe/曇りのち、快晴」が50.1万枚で50万枚超のCDになりました。また、消費税率引上げが行われ景気後退が懸念されたものの景気後退は回避された14年4月には嵐の「GUTS!」が初動50.1万枚で50万枚超のCDになりました。

一部自動車メーカーの不正問題による生産停止による景気のもたつき局面から脱出へ。

 一部自動車メーカーの不正問題による生産停止という特殊要因が大きく響きました、1~3月期が前期比マイナスとなった実質GDPや鉱工業生産指数など、最近の経済指標は弱いものが多く発表されました。
 
 『景気ウォッチャー調査』で不正検査による一部自動車会社の生産停止の影響をみてみましょう。23年11月では「不正」というワードを使用した景気ウォッチャーは皆無でした。12月には現状判断で17名、先行き判断で26名「不正」というワードを使ったコメントが出ました。関連判断DIを作成すると、現状38.2,先行き34.6と30台の悪いDIとなりました。
 
 その後、「不正」関連のコメント数は現状・先行きとも1月・2月と2桁、3月1ケタでしたが、4月ではどちらも1名になりました。現状判断DI。先行き判断DIは3月までは景気判断の分岐点の50を下回る水準で推移しました。2月の現状判断でコメントした16名の中には、「大手自動車メーカーの不正問題による生産停止がいまだ続いている。貨物車は再開のめどが立ってきたようだが、乗用車はまだ先行きが不明である。決算月にこの状態では、非常に厳しいという言葉以外にない。コロナ禍でも経験しなかった非常事態が、現在も続いている。」(東海の乗用車販売店・経営者)という厳しいコメントがありました。
 
 4月の現状判断で「不正」に触れたのは1名で「やや良くなった」という判断だ。コメントは「これまで続いた大手自動車メーカーの不正問題が一段落し、販売可能な車種数が回復傾向にある。」(九州の乗用車販売店・役員)と前向きなものに変わってきました。
 
 不正問題により停止していたの生産が再開されたことを受けて、4~6月期の実質GDPや鉱工業生産指数の前期比は増加に転じることが期待されています。

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。