「高輪ゲートウェ」7文字入力制限に合理性は「ある」
モバイルSuicaアプリで高輪ゲートウェイ駅の定期券を買おうとすると、駅名の「高輪ゲートウェイ」が入力制限を超えていて「高輪ゲートウェ」と入力しないと検索できない仕様が話題になった。
個人的に目についたツッコミは以下の通り。
・7文字が少なすぎる
・7文字までだとしても8文字目移行を切り取れば良い
この感覚はごく自然だと思うが、7文字制限もまた合理的である可能性もじゅうぶんある。
まず、検索フォームへの文字数制限自体は珍しいものではない。「8文字目以降を切り取ればよい」という仕様は、そういう動作をするという要件の追加を意味する。じゃあ何文字までちゃんと切り取ってくれるのか?100万文字でもちゃんと動く?みたいなことになる。
「いや100万文字もふつうは入力しない」と思うかも知れないが、ユースケースを遥かに超えたシステムのテストというものはしばしば行われる。10文字くらいがせいぜいなフォームに「n万文字入れたらエラーになりました」といった報告は珍しくない。そういった「バグ」を回避するには、文字数制限はあったほうがよい。それでも7文字は少ないとは思うけど、じゃあ何文字あればいいのか?となったときに、既存の駅名の最大の長さにしとけばいいんじゃない、といった判断に合理性はある。高輪ゲートウェイが作られる前に高輪ゲートウェイという駅名が追加されることを想定するのは無理だからだ。
じゃあ高輪ゲートウェイが増えたから制限8文字に増やそうとすると、それは仕様変更であり、カネがかかる。たった1文字変えるだけで?と思うかもしれないがシステムとはそういうものだ。
また、リリースの最終局面で気づいた人がいても、気づかなかったふりした可能性も大きい。関係者全員の幸福度を考えると「アリ」だという判断もある。それにこれはバグじゃなくて仕様通りなんだから、何の問題もないともいえる。ひょっとしたら最初から気づいててあえてそのままにしておいた可能性だってある。炎上マーケティングだった、、、とは思わないけど、「高輪ゲートウェイ」の認知には一役買ったわけで、広告効果すら出てしまっている。結果論だけど。
なんて文章を書きたくなるくらいには自社事業系システム開発から遠のいてて「ちょっとしたバグとか速攻で直して5分でリリースしてたなあ(これ自体は良し悪しありw)」と、あの頃を懐かしんだりしているのでした。