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【教員スキル】授業の導入アイディアの作り方

どうも。
元理系、国語科教員の秋山です。

公立中11年勤務→私立高と転職して2年目です。

それなりに経験年数が増えてきたので
若手の先生から質問をいただくことがあります。

あ、ちなみにTwitterにてDMいただければ
そこそこのクオリティでお返事しておりますw

今回は「授業の導入はどうしていますか?」
という質問をもらったので、シンプルに答えていきます。

結論:導入の正解はこの2つだけ

具体的に言います。
・正解①:身につけると面白そう!
・正解②:身につけないと損するかも!
このどちらかを子どもに意識させること。

以上です。

いや、ほんとにこんなシンプルな話でいいのか?w
という感じなんですが、いいのです。

というか、これ、
突き詰めていくと本当に奥が深いです。

ただ、逆に言うと

この2つのどちらでもない導入は
はっきりいって導入ではありません。

たとえば、
中学1年の「少年の日の思い出/ヘルマンヘッセ」を教材にするとき、
チョウの画像をどりゃ!と生徒に見せて
はい導入ぅ〜!
みたいにやってる先生がいます。

(もちろん、昔のぼくのことですw)

こんなもん、導入でもなんでもないです。
これはただの話題の提示です。

生徒にとってみりゃなんじゃこりゃです。

でも、こういう話題を提示して
無理やり導入っぽくみせる「導入モドキ」ってやりがちじゃあないですか?

じゃあ、なぜ先ほどの2つの導入が正解なのか。

それは、

✔️必要感を生むから

はい、これに尽きます。

つまり、生徒に必要感をもたらすのが導入の役割なんですよね。

このあたり、もう少し深堀りしてみます。


↓↓↓


正解①:身につけると面白そう!

これは言いかえるとプラスの欲求です。

その知識やスキルを手に入れると、物事を楽しめそうだ
と感じる欲求ですね。

いわゆる知的好奇心をくすぐる導入を作るわけです。

勉強ができるタイプの子は
この導入でグイッとひきよせられることが多いです。

たとえば、言葉を集める学習の導入で僕がよくやるのは
 ①消しゴムを取り出して机に置く
 ②消しゴムを握ってもらう
 ③離す
 ④消しゴムをつかんでもらう
そして、④のあとに
さて、「握る」と「つかむ」はどう使い分けるの?と問うわけです。

すると、多くの子が
「握るは強い力でつかむこと」
と答えます。

でも、よく考えると
おかあさんが朝おべんとうに入れてくれる「おにぎり」は
握力最大で握ったものではありませんよね?

むしろ、やさしくふんわり包んで作るわけです。

こう反論すると、
子どもたちの頭のうえには
メタルギアばりに「?」が並びます。

で、ヒントを出しながら答え合わせをします。


答えは…

ぜひコメントしてみてくださいw

毎回コレをやるたびに子どもたちは
「へぇー」と言ってくれます。


で、みんなが納得ができたら導入から展開へ。

「じゃあ、同じように使い分けが微妙な2つの言葉を探してみよう」
「2つの違いをクイズにして説明文にしてみよう」

などと進めてみると、
子どもたちはけっこうマジで言葉を探してくれます。

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こういう感じで、
「それ身につけたら面白そう」というスキルを実際に見せたり、
「それ知ったらドヤ顔できそう」などといった
知的好奇心をくすぐるタイプの導入が正解の1つ目だと僕は考えています。


正解②:身につけないと損するかも!

あなたは運転免許を取得していますか?

もし取得していたとしたら、なぜ取得しようと思いましたか?

……

そうです、「車を運転できたほうが移動がラクだから」ですよね。

僕はど田舎の地方に住んでます。
はっきり言って、車がないと暮らせません。

だから、ぼくの家族を考えてみても
運転するスキルが欲しくて取得したわけではなく
運転できないと損する(というかほぼ生きていけない)から免許を取得しています。

「車が好きですきで運転したくてたまらないから」
という人もいるでしょうが少数派ですよね。

なので必死に卒検に落ちないよう努力しました。


こんな感じで、人間は
身につけないとヤバいことには一生懸命に取り組む性質
がありますよね。

これを授業に転用ましょう。


子どもたちが「これ学んで大人にならないとアカンな」
と思わせる導入を作っていくのです。

もうすこし具体的にしましょう。

==========

僕がよく使うのが劣等感刺激作戦です。

たとえば、
みんなが嫌がることの多い書写。いわゆる習字ですね。


この授業の導入で3つのラブレターを提示します。

①整った字で書かれたラブレター
②エグい汚さの字で書かれたラブレター
③活字で書かれたラブレター

さて、どれを選ぶ?と女子に聞きます。


まあ、たいてい空気を読んで①に挙手してくれますw
(そして屁理屈男子が③でいいやろ!とツッコんでくれます)

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どうでしょう?
この導入で、全員とは言わないまでも
何割かの男子は心の中で「やっぱ字キレイに書けたほうがいいよなぁ」
と思ってくれているはずです。

そして、それを踏まえて
導入の次の展開にいくわけですね。

たとえば、
「字が汚いと言わせないたった一つのポイントとは?」
などと課題を示して授業を展開していくわけです。

(ちなみに、この課題のまとめは「中心線を意識する」などが考えられます。)

ということでまとめですが、
こちらの導入は「これを身につけないと損するかも」と思わせることを
意識したものになっています。

実は、正解①も意欲づけとしては効果的でしょうが
こちらのほうが強い動機付けができると僕は思っています。

誰しも損はしたくはありませんもんね。


ということで以上、導入についての考え方でした。

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ではまた来世で〜!




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