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WAR ウォー!!を見てきました(ネタバレ有り感想)


はじめに

ドリパスで上映がきまった「WAR」を見てきました。
実はこの映画を知ったのが、インド映画を見るようになって流れて来る数々のツイートで、何かと話題になっていた作品ということと、リティク・ローシャン氏とタイガー・シュロフ氏のダブル主役みたいな映画ということ。そしてNTRJr.氏がこの次作に出るらしいということ、それくらいしか知識がなかったんですよね。

ドリパスで上映が決まった際に、当初は応援上映ということでチケットが発売されたんですが、残念ながら予定がかぶって駄目だったので、7月15日に追加上映がきまって本当に良かった。しかもインド先月の大映画祭や先週のインディアンムービーウィークで火力強めのリティクさんの映画を2本知った後だったから、なんか安心感があった。(知らない俳優だけの映画よりも、楽しさが保障されている安心感というか)。

ちなみに今回、初見だけだとキャラ名おぼえきれなかったので、感想をかくにあたり、あのキャラなんて名前だったっけ?という意味でWikipedia(日本語)を見たところ、がっつり映画のネタバレ書いてありました。作品を見た事ない人は、ウィキのWARの項目閲覧はご注意下さい。

ここからネタバレ有りで感想いきます。

事前に上記のトレーラーを見ていたモノの、日本語字幕ないのでよく判らず、これは二人のヒーローが戦う話なのか、それともバディものなのか、謎のままの初見感想になりました。

冒頭いきなり、家族団らんシーンから一人自室にうつってパソコン開き始めたおじさんが、誰かに殺害指示を出している物騒な場面。
狙撃犯役のリティク、目だけで登場!すぐ判るな、特徴的なこの目。
いままさに狙撃されそうになっている人は、誰だ?って判らないまま、狙撃の指示が…………
って、えええええええ?指示出していたおじさんの方がリティクに狙撃されちゃったよ?!
そしてリティクさんは去っていくのね……。

一方、なにかしらの取引現場で向き合う男達。
そこへカンフーアクションばりばりの男が一人乗り込んできて、彼らを次々と倒していく……んだけど、途中なんどもやられたり、やりかえしたりで、圧倒的な強さという感じではない。最後は粘り勝ちのような感じで倒し、任務完了の報告をする彼。
……プールに落ちてびしょびしょなのに、連絡とった後の携帯を濡れたズボンの尻ポケットにしまうんですか?え?支給品の携帯ってそんなに凄い防水仕様なんですか?などとどうでもよいところが気になってしまう。
そして次の日(なのかは不明)、とある雑居ビルに偽装した建物から、秘密基地のような職場に出勤する彼は、上司から、自分の師であるカビール少佐が裏切って逃亡したことを知る。

時はさかのぼって過去のエピソード。
どうやらリティクさん演じるカビール少佐は、テロリストを追う軍人グループ?のリーダー格。タイガー・シュロフさん演じるハーリドの憧れの先輩らしい。
ヘリから降りてくるカビール少佐を、ハーリドくん、そんな子犬のような目で見惚れているんかい。
ちなみに迷彩服の人と何か話して、こちらを振り返っているのが彼らのボスというか上司で、現場には出ないルトラ大佐。男前だなぁ。

ハーリドの父親は祖国を裏切った人で、カビール少佐が抹殺したという因縁がある。当初はハーリドのチーム入りを拒むカビールだが、色々あって彼の努力を認めて、チームの一員として活動をしていく。
ハーリドくんの敬礼のポーズ、右手の甲がばちんて額たたくので、ポーズ取る度にバチンバチン音がする。なんだろう、この子供みたいな後輩は。
彼らのチームが追うのは、カビールが長年逮捕を願っているイリヤシという人物。なかなか姿を現さない彼だが、取引の情報を掴んで、取引現場に張り込むチームメンバーたち。イリヤシとその護衛たちに銃口を向けて、逮捕まであと一歩……というところで、チームメンバーのソーラブが裏切って、一転銃撃戦へ。チームメイトは倒れ、イリヤシは無事逃げおおせ、ハーリドは逃げ出したソーラブを追っていってしまう。
カビールも負傷し、6日間も昏睡状態だった。
目覚めた彼は、チームメイトの死体と、いまだ行方不明のハーリド、そしてイリヤシを逃してしまった事実を聞かされるのだった。


↑だいぶはしょっちゃいましたが、ここまでの時点で、カビールとハーリドのダンスシーンや、共闘シーンがあったりします。

冒頭の登場シーンでは、リティクさんの方が筋肉凄いなって思っていたんですが、このダンスシーンで急に露出度高くなったら、タイガー・シュロフさんの筋肉、体操選手並みに凄いですわ。しかも足さばきが華麗。
細やかな割に男前な踊りのリティクに対し、軽やかでバレエダンサーみたいでもう身体に羽が生えているんじゃないの?ってくらいのタイガーという対比。凄い絵面。しかも画面が色鮮やかで目に楽しい。
これチームメンバーと一緒に繰り出したって設定なんだろうけれど、極秘任務のメンバーがこんなに派手に遊んでいていいの?とか野暮なツッコミはしちゃいけない。(あとのチームメンバーは踊らないんかい)
応援上映でさぞかしここは盛り上がっただろうな!
チームメンバー全員、デザイン違いで白い服きているのも、凄く良い。これが……、これが……このメンバーがずっと揃う未来が欲しかった……。
チームにハーリドくん以外に3人男性メンバー(このMVの48秒あたり)揃っているけれど、ハーリドくん以外にも目がきらきらした短髪っ子がおるな。


例えば、カビール大佐のおとり作戦で、敵陣にのりこんできたチームメイト。そして途中までは格好良く敵を撃墜していくハーリドくん……なんですが、一騎打ちになった相手が力自慢のとんでも男で、自慢のカンフーばりのアクションもきかない……。(敵さん、その恰好、時代錯誤では?などとちょっと思ったり)
下の動画の通り、ボロボロの二人。ハーリド君、常に先輩の指示待ち状態なんだね。ぼくちゃんだなぁ。(ちなみに下の動画、色んな映画のコメディシーン集めたやつなので、冒頭以外は全然関係ない映像です)



脱線したので、あらすじの続き。

しばらくして、海に打ち上げられたぼろぼろのハーリドが見つかる。
回復したハーリドは現場復帰するが……

話は現在に戻って、裏切り者の元上官であるカビールを追うハーリドくん。
でも急な裏切りに「何かわけがあるはず」と信じる心を忘れない。
思い悩む彼の前に、急に現れるカビール少佐。電車の中だったので捕縛することは出来ず、ただ去り際の彼に、次の暗殺ターゲットの名前を教えてもらう。この時点で、カビール少佐も、自分を信じてくれている彼を無下にはしたくないんだろうなというのが何となく伝わる。この時点でカビール側にも事情があるんだろうとじわじわ観客には伝わってくる。

映画の中で何度も、現在の時間と過去のエピソードを交互に繰り返してくるシーンがあるんですが、たまに混乱するんですよね。

裏切る少し前のエピソードで、カビール少佐は、長年のターゲットであるイリヤシと繋がりのある男の家から情報を盗むべく、親しくなったダンサーの女性に民間スパイを依頼するんですね。男が出国する前に、なんとかイリヤシに関わる情報を得るための最後のチャンス。チームメイトへ作戦を知らせずに一人で追いつめるんですが、その作戦実行中にたまたま電話がかかってきた上司であるルトラ大佐に少し事情を話してしまう。
一方、色々と情報収集で協力してくれていたメンバーから、その男と親しい整形外科の女性の情報が送られてくる。そこには、今、情報を盗もうとしている男こそ、イリヤシが整形してなりすましていた姿なのだという事実が。
民間スパイとしてカビール少佐の指示通りに動いたダンサーの彼女は、データを盗むところがばれてしまい、少佐がかけつけた時に亡くなっていた。
男の情報を得るために近付いたとはいえ、おそらく彼女に少なからず思いは寄せていた様子。
そしてイリヤシはまたしても逃げてしまうのであった。

現在、カビールは、自分達のかかわる仲間の中に裏切り者がいるとして彼らを次々に暗殺していく。
一方、ハーリドはカビールから貰った次のターゲットの名前を頼りに、彼をなんとか守ろうと頑張るが、彼を移送(?)途中に狙われ、気絶。
ターゲットは守れなかったが、去っていくカビールのバイクを、拾ったバイクで追っていくハーリド。街中でバイクアクションをかまし、彼の腕をつかむまではいったのに、結局逃げられてしまう。
そして電車内でカビール少佐と接触していたことが上司にバレて(報告しなかったから、それも良くなかった)カビールを追うチームから外されてしまう。
しかし一人でも何か出来る事はあるはず、と今までカビール少佐が狙った相手やかかわったことなどを色々と調べる内に、彼が祖国を裏切ったのではなく、祖国を裏切った仲間をたった一人で葬ろうとしているのだと気付く。

やがてハーリドは、民間スパイとして命を落としたダンサーの娘と会っているカビール大佐に辿り着く。
4人の裏切り者がいることは判っているが、最後の4人目がどうしても判らないまま。
電話のタイミング的に、ルトラ大佐が一番怪しいが、確信がないカビール。まぁちょっと悪役顔だし、ルトラ大佐と電話している時点で、モニター監視していた男の元に、なんか電話が入っているシーン映っていて、その直後に彼女殺されているし、内通者がいるのは明らか。
カビールの事情をようやく知ることが出来たハーリドは、彼の傍にいることを決めたらしい。
おぉ!バディ復活か!と思っていたら、隠れ家に急な銃撃。咄嗟にカビールを突き飛ばして、銃弾から守るハーリド。
(先輩の危機を咄嗟の判断で救うなんて、成長したんだな……とかちょっと思った。)
そのまま互いにフォローしあって、敵の襲撃を交わし生き延びる二人。

3人目のターゲットが殺された後に、人工衛星の秘密情報が盗まれたってことになっていて、それを持っているのがカビール大佐なんだけど、ターゲットが何故もっているかとかの流れがちょっとよく判らなかった。
最終的に、一緒に行動を共にするハーリドに、カビールはその情報の入ったディスクを「死守しろ」と託す。これはもう信用しているからな、という表れだよなと。

イリヤシの最大の目論見は、どうやら国境近くの兵士たちへ向けてミサイルをうつこと?それによって他国との戦争も誘導しようとしている?
この辺りが字幕ではよく判らなかった。
とりあえず、ハーリドが託されたディスクさえ何とか守り切れば、危機が回避できるってことは判った。

敵陣を目指している?のか、船の上で語るカビールとハーリド。
彼に酒をすすめ、そして自分も飲んでもいいかと確認するハーリド。
そして2杯目を飲むカビール。2杯目をゆっくりと床に捨てるハーリド……え?
床に倒れ込むカビール……少佐ぁぁぁぁぁっ!
突然、豹変するハーリド。
自分が4人目の裏切り者だと言い放つハーリド。
いや、ちょっとこの展開、若干よめていた。
ただの共闘映画で終わるわけないよな。
裏切るだけの事情が、ハーリドくんにもあるんだろうな。
お父さんの意思を密かについでいたとか?

予想は若干ついていた展開……からの、斜め上のさらなる展開

ハーリドくんの事情もきいてあげようじゃないか!って思った直後の、まさかのハーリドはハーリドじゃなかったネタばらし展開。
は?
イリヤシが整形して別人になりきったように、
このハーリドも整形……?
実はソーラブだったっていう……。お、お前……なんてことを。
今までずっと見せられていた、「少佐が裏切る訳はない。何か事情があるんだ」と純情つらぬいて必死になっていたハーリドくんは全部本人じゃない偽者だった。
とりあえずダンスシーンとか、一緒にキックして敵を倒した先輩・後輩のシーンは本物だけど、ずたぼろで波打ち際に倒れていたところ発見されて以降は全部ソーラブだったのか。
イリヤシを追いつめたのに取り逃がしたあの日、ソーラブを追いかけていったハーリドは、ソーラブとイリヤシに殺されていた……。
イリヤシは知り合いの整形外科医に、ソーラブへハーリドの顔をつくらせた。
あのバイクシーンの絶妙なアクションも、実はソーラブとのアクションシーンだった、てことなのか。
電車の中で、先輩に翻弄されて戸惑うハーリドも、全部ソーラブ……。
顔だけじゃなくて、その肉体まで整形したのか?性格なんてそう真似できるものじゃないだろ。とんだ役者だよ、ソーラブ。
毒を飲まされたカビールは、薄れる意識の中でそれらをどんな気持ちで聞いていたのか。

カビールを残し、イリヤシとソーラブは砕氷船で北極圏へ。
カビールが預けたディスクを元に、ミサイルを打ち上げる。
そこへ駆けつけるカビール。
生きとったんか、ワレェ……って、まぁ主役だからそう簡単には死なないよね。
カビールのアジトで襲撃された時に、いちはやく敵に気付いて自分を突き飛ばしたハーリドに違和感を感じていたカビール。
前述のあらすじで触れなかったけれど、序盤でハーリドには右の目に障害があって見えない部分があるっていうのが明かされているんだけど、それが銃撃戦のシーンの気付きの伏線に繋がっていた。
(これ、気付く人は気付いたんだろうけれど、単純な自分はすっかりその設定忘れてました。あと右側の視界が見えるから銃撃に気付いた、じゃなくて、銃撃自体がフェイクで事前に二人が襲われることはシナリオだったら、たとえ視界が見えない場合でも、タイミングで攻撃を避けることは出来るから、ハーリドが銃撃相手と通じていたみたいな解釈もできることはできる)

更に、船でカビールに酒が欲しいと言って来たハーリド。
それで、彼への疑念が確信になった。
字幕ではカビールの科白が「ハーリドは酒を飲まない」とだけ書いてあった気がするけれど、ウィキみるとムスリムだから酒を飲まない設定らしい。(もし字幕でもその記載があったら、単なる自分の度忘れです)
酒のシーンが出てくる前に、カビールはハーリドに疑念を持っていたけれど、さすがにその時点で解毒剤まで事前に飲んでいたというのは用意周到。しかも渡したディスクも、改ざんした偽物だったという。

改ざんされたコードにより、さきほど打ち上げられたミサイルは、国境ではなく、彼らがいる船に戻ってくる設定に。

イリヤシを射殺し、ミサイルが到達する前に船から車で逃げ出すソーラブ。
(※北極圏であたりは凍っているため、車で走れます。スピンするだろうけれど)
カビールも急いで車で脱出し、ミサイルの爆発を逃れ、そのままソーラブを追う。
最後は廃教会らしき場所で、肉弾戦。
ソーラブを殺す際に、「その顔はハーリドのものだ。その顔では死なせない」といって、彼の上に、壊れた天井を落として下敷きにするという。

とある場所で、カビールと語り合うルトラ大佐。
イリヤシが死亡することで今回の一件は完了した。カビールはハーリドのおかげだといい、彼の功績にするよう大佐に依頼。
チームに戻ってこないかと声をかける大佐に、自分は裏切り者のままでいることを告げるカビール。映画の序盤でそもそも狙撃する予定だったテロリストはまだ生きているので、まずはその任務を全うする事からまた再開するらしい。という事は普段は身を隠して、軍の依頼を受けて裏で働くスナイパーか。雇用される側から、個人事業者に転職?普段の収入どうすんの。

最後、ハーリドを称え、殉職した彼のかわりに母親に勲章?を渡す式典のシーンがある。そこに掲げられた軍服姿のハーリドは、純真な青年の笑顔のまま。彼は穢れない魂のまま殉職した。
(ハーリドの死体って結局あがらなかったのか。それとも頑張ってさがしだしたのかは不明。さすがにソーラブの死体をハーリドとして埋葬することはないと思うが)
カビールの回想だと思うのだけど、序盤にカビールと初対面するハーリドが嬉しそうに敬礼してバチンって額に手の甲あてるところが、スローモーションで出てきて、泣きそうになったね。あの青年はもうとっくに物語から姿を消していたのかと思うと。

ハーリドのお母さん、なんだか見覚えのあるお顔だなと思ったら、アーリヤー・バットちゃんのお母さんだった。アーリヤーちゃんが年を重ねるとこんな感じになるんだなってくらい、そっくりだった。

見どころ

さきほどあげた二人のダンスシーンも凄いけれど、中盤で出てくるカビールが飛行機に飛び移るシーン。磁石の力で機体に……って無理がある気もするが、まぁ気にしない。というか、これ完全にミッションがインポッシブルしているな……来週の今頃新作公開だよ……と思っていたけれど、このWAR自体が明確に、ハリウッド映画のアクションとかのオマージュを明確に発表しているらしいので、すがすがしいくらいの映像美でした。
日本版予告にそのシーンありました。



おまけ

WARの感想ツイートいくつか見かけました。
後半、カビールを追ったり、苦悩したりしているハーリドが全部実はソーラブだったという設定に納得いかない勢が一定数いる印象。
4人目がハーリドの偽物だったという設定よりも、ハーリド自身が裏切り者という設定の方が良かったという意見もあった。
確かに、ずっと見ていた映像がハーリドじゃない別人だったって結構ショックだよな。絶妙なバディアクションとか、散々見せつけておいて、これはハーリドではありませんでした、てのは悲しい。……と思いつつも、自分はそれだとありがち設定だから、脚本はさらに練られてこの展開になったんだろうなと思うし、ハーリドは良い子のままだったってのは有りだと思ってます。
勢いでDVD、まだAmazonで売っているので申し込んだんですが、2回目以降は「あぁこれはもうソーラブなんだな」って思いながら見ると思うと、やはり淋しいものはありますね。
その反面、タイガー・シュロフさんの最後のネタばらし以降の悪役演技はなかなか見ごたえあって良かった。

あと前半、ずっとタイガーさんが肩から上しか映像に映っていないシーンがずっと続いていたから、シャツ着ると物凄いなで肩だな……とか思っていたけれど、なで肩なんじゃなくて、僧帽筋がすごすぎて、肩の位置が下がっているんだな。
いや本編に何の関係もないけれど、自分、なで肩がめちゃくちゃ気になるたちなので。

追記
都合で見に行けなかった前回の応援上映、6/23開催だったんだけど、どうやらその日が、劇中でハーリドくんがすでに亡くなっていたというあの日だったらしい。DVD届いたら📀確認します。

追記2
2回目の感想を別記事に追加しました。
2回目だからこそ気付いた点、そして新たな公式動画のリンクも貼っておきます。