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WAR ウォー!!、2回目にしてマサラ上映参加(ネタバレ有)


はじめに


前回ドリパスさんで見てきた通常上映のWAR ウォー!!の感想で、大体の言いたい事は書いたので、今回は2回目ならではの気付きとか書きます。
ちなみに前回の初見感想はこちら↓

ちなみに今回はこちらの映画館で観てきました。


ネタバレ有りでいきます。(読んでいる方も映画を見ている前提の書き方で)

初見はネタバレ仕入れずに、まっさら状態で参加したので、後半のソーラブに衝撃受けて一部記憶が飛んだようですが、
今回はもう話の筋が判っている分、全体を俯瞰で見られた気がします。
何より『あぁここからはハーリドじゃなくて、ソーラブなんだよな』と思いながら見ていると、彼の言動が(初見では、カビール少佐同様に、成長したハーリドだと思って見ていた部分が)落ち着いて大人になっているのは、ソーラブだからか……とか、観察してしまったり。
ハーリドくんだったら、この場合の受け答えは祖国のためじゃなくて、母の名誉のためって言ったのかもな、とか。
お母さん出てきたシーン、まじまじと眺めて、本当にアーリヤーちゃんと同じ顔だなとか。
後半のソーラブ対少佐の肉弾戦、ソーラブ、お前さんそんなマッチョキャラじゃないだろ、とか。
ジャイジャイソングのシーンで、ソーラブとハーリドの体格差凄かったのに、顔だけ整形でそうなるわけない、身体も整形?いや作り物の筋肉じゃ戦えないだろう、とか。

でも後半をソーラブとして見ると、チーム外されて職務停止で自宅待機中、地を出せるようになった途端、「少佐、裏切った理由を教えてくださいマン」から、「自力で調べて答えに辿り着くだけの能力はある」になっているところが、ハーリドを演じていたということか、と思ったり。

ジャイジャイのシーン、少佐が登場後に、チームメンバーに次々と触れていくシーンあるんだけど、(ハーリドはさておき、)その他のメンバーの中で一番しっかり絡んでいるの実はソーラブなんだよね。
死んじゃったメンバー二人には、ちょんと触れる程度。女性メンバーにはちょっと遠慮してなのか、距離感保って。
もしやチームにおいて、ソーラブは古参なのかな。
初見は、正体判明直後の衝撃で考える余裕なくて、カビール少佐の科白の「信じていたのに」が、『ハーリドだと思っていたのに……』という意味だと思ったけれど、
2回目見ると、これ、チームメンバーとして『ソーラブを信じていたのに』という意味かと思い始めた。
そもそもソーラブが裏切り者と判明したあの銃撃戦、裏切った直後のソーラブを、少佐がしばらくじっと見つめているカットがある。すぐに撃たずにハーリドと撃ちあうソーラブをじっと見ている。
あの後、少佐は倒れたし、ソーラブは死んだことになっていたから、少佐はソーラブに対して恨みの一言もずっと言えずにいた訳で。
となると、あの船の中でやっとソーラブへの言葉を口に出来た事になる。
もし彼がチームでの古参なら、彼の裏切りは少佐にとって相当ショックだったろうし、更に考えると、彼の裏切りはじゃあ一体いつからなのかという疑問が。
カビール少佐の初登場シーン、ヘリから降りてくるメンバー達のシーンも、2回目見ると、ハーリドが少佐のチームに加入する前から、他のメンバーは既に離れしている感じがして、彼らが少佐とどれだけの現場を潜り抜けてきたんだろうなという気持ちになる。
少佐が5年追っていた敵に対する作戦を、ハーリド以外のチームメンバーは何度も一緒に遂行してきたのか、とか。
少佐が、ハーリドの身体的な隠し事を指摘してチームから外すことを示した時、少佐が「チームメンバーは家族も同然」というシーン、リーダーとして責任感としての比喩でなく、それなりに長くこのメンバーと関わっていた可能性もある。

さてイリヤシを捕獲する作戦のシーン。
既に一度見ているから、ソーラブに注目してみていたんだけど、チームでカウントダウンして敵に近付くところ、ソーラブのカットがないのよね。でも次の瞬間、イリヤシの後ろの1名を(チームの一員として)銃を突き付けて、辺りの様子をちらちらうかがっている。いつ裏切るかタイミング狙っているんだろうなっていう。
そこからの寝返り銃撃戦→ソーラブとハーリドの撃ちあい、→少佐が「追うな」というのも聞かずに、逃走するソーラブを追いかけるハーリドの展開なんだけど。
これ普段のハーリドだったら、少佐の命令に従ったんだろうなと感じた。ソーラブが「仲間だと思っていたのに裏切った」という、一番ハーリドにとってトラウマであり、一生かけて払拭したいその事案を、よりによって自分のメンバー内から突きつけられる現実。
その前のシーンで(右目の視野に死角があると指摘される直前のシーン)、活躍したハーリドに、少佐の評価あがったぞと褒めるメンバーとの談笑シーン。「少佐の信頼が欲しい」というハーリドに対し、場の雰囲気を和ませるように気さくな兄貴分な感じのソーラブが「俺は彼女が欲しい」みたいなお茶目なことを言うところがあったから、ハーリドにとっては、ソーラブはもしかしてムードメーカー的な兄貴分と思っていたかもしれないな、と。
そう考えると尚更、ソーラブの裏切りの事実は許せないだろうし、追いかけて捕まえて、理由を聞き出したいだろうし、裏切るだけの何か理由があるに違いないと信じたい気持ちもあっただろう。
たとえうまく生け捕りしたとしても、命令を守らなかった自分は、少佐から処分を下されると判っていても。
しかもハーリドの援護がなかったせいで、車でやってきた敵に、少佐は撃たれてしまうわけだから、除名どころじゃないかもしれない。(少佐が撃たれた事実を、ハーリドは一生知ることはないわけだが……泣)
少佐の命令を無視して追いかける気持ちも判るが、展開をしっているだけに、「ハーリド、追っちゃ駄目だよ。ちゃんとカビールの傍で援護して」と思ってしまう。

そう、2回目で気付いてしまったが。映画が始まって、最初にタイガー・シュロフさんが登場するシーン。あれ、ハーリドじゃないってことよね。
商談中の敵陣に一人乗り込んで、苦戦しながらも最後にボスぽい相手をプールに沈めるアレ。ハーリドだったら、相手が溺れそうなあんな倒し方しないだろうな、と考えたら泣けてきた。ハーリドはきっと、生きて捉えることに固執しそうな気がするんだ、勝手な妄想なんだけど。
でもあれ、新しい立場を手に入れたソーラブが、メンバーの一人扱いから、大佐に一目置かれるポジションになって、やる気だしてきた感じで見ていたら、全然印象が変わった。
ハーリドだったら苦戦することなく、肉弾戦で相手を一気に叩き潰せたかもしれないけれど、あれはソーラブだったから、途中やられたりしたんじゃないかな。
初見の時は、こんなに強そうなのに楽に勝てない、詰めが甘い若造メンバーみたいな印象だったのに!
回想シーン、大佐がカビール少佐にハーリドを紹介する時、全ての項目で満点だったみたいなこといっていたよね?だから身体能力とか凄いはず。なのに、冒頭シーンで若干苦戦していたのは、ハーリドじゃないっていう伏線だったのかってなる。
とはいえ、あとのイラクでの作戦で、敵のマッチョに一人では勝てないってあたり、無敵ではないことが示されているから、冒頭シーンの違和感を払拭している。でもその冒頭シーン、明確なマッチョキャラ一人も居ないんだよね。複数人の敵ってだけで。だからあれはやはりソーラブだからこそ、なんだな。
そう考えると、ハーリド演じているシーン、本当に少ないな。2年前の回想シーンだけってことになるじゃん。あと全部、ソーラブ。

2回目からの見方ががらりと変わるの、鳥肌たつ。
初見には初見だけの楽しさがあるんだけど、それをもう自分は味わえないんだな……という淋しさも若干ある。

回想シーンが終わってから、ハーリドのシーン、2年を経て成長した彼だと初見では思っていたシーンが、すべてソーラブだと思って見ると、純粋だと感じて見ていた言動の全てが黒く見えていく。
カビールが電車の中で、ハーリドの前に現れたシーンも、ハーリドが「貴方は神でした」という科白があるが、これはソーラブが考えたハーリド像であって、ハーリドの言葉ではない。ハーリドはカビールへの憧れはあっても、母親第一だと思うから、少佐を神とは言わないんじゃないかな。それに対し、ソーラブは少佐信者のハーリドという認識を持っていたから、あんな科白がしれっといえるのかも。あれが本当のハーリドであったなら、再会した少佐に対し、なんて第一声を発したんだろう。
但し、ソーラブはハーリドよりも少佐と一緒に仕事をした期間は長いはずだから、彼の思考パターンを読むというのは多少できたのかも。ハーリドを完璧に演じることよりも、離れていた間に成長したハーリドという台本で演じていた可能性が高い。それであれば、多少の言動の不可解さやボロが出ても、かつてのハーリドとは違うという演出でごまかせる。

しかしアジトへ行ってからの、敵に対する二人の共闘、格好良い音楽と共に演出されていたのに、あれソーラブかよぉぉってなるな。やはり。ハーリドと思って見ていたのにね。

6月23日

ラスト、カビールとルドラ大佐が公園で会うシーン。
今まで神妙な顔か、怒った顔しかない大佐だったけれど、ここにきてもらした笑顔。可愛いじゃんってなるんだよ。
これがWAR2に繋がるのかと思うと、早く次作が見たい。

そしてハーリドの功績をたたえる式典シーンで、ハーリドの亡くなった日が表記されている。
6月23日。
これ、ドリパスで上映が決まって、最初に発表された応援上映の日付が6月23日だったんですよね。自分は参加できなかったんだけど、「まさかドリパスさん、6月23日に合わせて上映したのか」という感想ツイみて、ずっと気になっていた。
偶然かどうかは判らないが、あの日、ドリパスで見た人たちは、ハーリドの命日に作品を見たことになるんだな。
息子が死と引き換えに、母親を(夫の裏切りで苦しんだ過去を清算した上、名誉を与えられるという)華やかな表舞台に導いたというところが、マサラ上映だというのも忘れて、泣いた。
ハーリドくん、1990年3月2日生まれ、2019年6月23日没なのか……。享年29歳かよ……。槇村(※1)と同じ年齢で、更に泣いた。

全然関係ない話なんですが、今回のマサラ上映で、サモサとローズミルクの販売がありました。ローズミルク!一度飲んでみたかった!
タラパティの「メルサル」で、ヴィジャイさん演じる主人公がローズミルク大好きマンで、ローズミルク驕るとニコニコになるんですよね。そんなに好きなの?っていう位、ローズミルク推しの演出がある。
どうせならタラパティ映画見た時に飲みたかったけれど、今回、販売あって嬉しかった。


おまけ

メイキング映像がつべにあるので、リンク貼っておきます。

バイクアクションのメイキング▼

美味しいもの食べたっていっているのかな?
それにしてもそんなところバイクで通っていいの?ってびっくりするな、改めて。ロケの許可をとっているとはいえ。

カーアクションのメイキング▼

雪で車も凍り付く……これはスタッフみんな大変な撮影だ……。
皆さん、寒さに耐性あるんでしょうか?


いやはや2回目だと見方が変わって、また違う楽しみ方になりました。
そして3回目もまた機会があったら映画館で見たいと思える映画です。
DVD買ったんですが、アクションは巨大スクリーンで浴びたいですから。


アーナンド監督の「パターン」は「WAR」のネタが潜んでいる。

さて今回のWARのマサラ上映、とても良いタイミングでした。
おそらく9月1日の日本公開が控えている「パターン」を意識しての、このタイミングなんでしょう。
WARのアーナンド監督の作品「PATHAAN/パターン」の日本公開まで、もう1ヶ月切ったんです。
公式サイトはこちら▼

専用の公式Twitterも出来ています。

公式サイトには、パターンの中に、今回のWARで出てきたルトラ大佐が出演することが記載されている。
これはもうWARで大佐が気になった自分としては嬉しい情報。
是非、長く上映して欲しい。そして監督の過去作見てみたいってファンが出てきたタイミングで、またWARの通常上映があるといいなぁって思ってます。

追記

今回のマサラ上映、本編開始の前に前説あって、その後にマサラ侍さん達のダンスコーナーあって、本編前にもうテンション上げてくるこの流れ……。最高でした。