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LEO(自主上映会)ネタバレ有り感想



はじめに


タラパティことヴィジャイさんの新作映画『LEO』が、2023年10月19日に本国インドはもちろん世界数カ国で同時公開になったのですが、その当日に、まさかこの日本でも見られる!という事で、行ってきました!
本来は在日インドの皆様向け自主上映会なので、当然日本語字幕はなく、英語字幕のみ。
そして日本の映画館を借りて……とはいえ、基本、本国ルーツで発声拍手指笛OKのスタイル。
以前一度だけ自主上映会に参加した事ありますが、その時は圧倒的に日本人の割合が多かったのと、あまり普段行かないような映画館での上映というイメージが大きくて、借りてきた猫のように小さくなって静かに鑑賞しておりました。
それに比べると、今回は主催のスペースボックスさんがいかに頑張って手配してくれたか、なんとユナイテッドシネマ・アクアシティお台場のスクリーン1(600人くらい収容)での上映!
一生モノの価値だと思い、半休もぎ取って行ってきましたお台場に。
そして結果として、4日連続(4回)で見ました。スペボさんへのお布施の意味も込めてだけど、何より、新作映画を満喫したかったので。

ネタバレ有りのあらすじ

キャスト(敬称略)
パルティバン:Vijay
サーティヤ(パルティバンの妻):Trisha
アントニー・ダス(ギャングのボス、パルティバンにつきまとう):Sanjay Dutt
ハロルド・ダス(アントニーの弟):Arjun
ジョシー(パルティバンの友人・森林警備官):Gautham Vasudev Menon
警官ナポレオン(囚人ディリからの出演):George Maryan
カフェに押し入ったギャングのボス:Mysskin


カフェを経営するパルティバン(パーティバン?)は、妻サーティヤと(高校生くらいの)息子シッドゥと(小学生くらいの)娘チントゥの四人暮らし。
ある日、友人のジョシーから、街で暴れているハイエナの捕獲を手伝って欲しいと要請され、格闘の末なんとか捕獲に成功し、人々から称賛された。

ある夜、閉店後のパルティバンのカフェに入り込んだギャングの一人が、女性店員を脅し、チョコレートコーヒーを出せと要求してきた。銃を持った彼を刺激しないよう必死に話しかけていると、彼の仲間達(ボス、兄貴分達?)もやってくる。不意を狙って彼らを次々と殴り倒していくが、一変、ボスに店員を人質に取られ形成逆転。そして娘に忍び寄るギャングの魔の手。チントゥの危機に、パルティバンは床に落ちていたギャングの銃を手にし、その場にいた全員を一発ずつ外すことなく正確に仕留めて殺した。店員と娘の命は守ったものの、彼はショックを受け茫然と座り込んだ。
パルティバンは殺人者として逮捕され、裁判が行われる。最終的に裁判には勝ち、家に戻った彼だが、メディアに写真が公開され、人目を避ける日々に。やがて精神的に追い詰められた彼をみかねて、友人が外の空気を吸えと後押しし、一家は久々に市場へ。しかしボスの敵討ちを誓ったギャング達に囲まれ乱闘に。サーティヤは、激昂してギャングを無惨に殺していく夫の姿に、必死に止めようとするが、彼は聞く耳を持たなかった。
今回は勾留されずに済んだが、彼は自宅を警備するための警官を一人置いて欲しいと要望を出す。頼りない警官ナポレオンが一人配備された。
やがてカフェを再開したパルティバンは、自分の写真をコソコソと撮る不審な男を見つけて諫めるが逃げられてしまう。男は、撮った写真を仲間へ展開し、やがてそれはハロルド・ダースの知るところに。ハロルドは写真の男が、死んだリオ・ダースとそっくりだと知り、兄のアントニー・ダースに知らせる。アントニーはリオの父親だった。
アントニーはパルティバンのカフェへ現れ、お前はリオだと決めてかかるが、パルティバンは別人だと否定する。
直接会ったアントニーは、パルティバンをレオと確信し、妻サーティヤの前にも現れる。
サーティヤはアントニーの言葉に触発され、夫の過去を密かに調べ始め、ジェシーも独自にパーティバンの過去調べ始める。
ジェシーは、イルダヤラージという人物に会いに行き、彼からリオの過去を聞き出す。
アントニー・ダース、ハロルド・ダースの兄弟はタバコ産業という体でコカインの流通に関与していた。
アントニーには双子の子供がおり、その双子リオとエリサの二人は、ダース兄弟のビジネスのため、邪魔者は排除していた。父親のアントニーは西洋の占星術に傾倒していて、ビジネスの成功のために、双子のうちのエリサを犠牲にすると決めたが、それを許さないリオは、エリサと二人で脱出し、そして倉庫内のコカインを焼き払う。しかしハロルドに捕まったエリサは殺され、リオも父親のアントニーに銃で撃たれたとイルダヤラージは語った。
ジェシーはイルダヤラージにパルティバンの写真を見せて、リオかどうか確認したが、イルダヤラージは否定した。
やがてジョシーも、そしてサーティヤもそれぞれ結論を導きだす。
アントニーがパーティバンの家の前に集まり、息子のシッドゥを誘拐したことを告げる。去っていくアントニー達の車を、パルティバンと警備のナポレオンはバイクで追いかける。アントニー達の車を次々と大破させ、最後は直接対決でアントニーを倒す。車の中には息子の姿はなかった。
兄の死を聞いたハロルドが、アントニーの死体と交換にシッドゥを連れ戻しにこいと、パルディバンに連絡を寄越す。パルティバンは単身彼らのアジトへ。自分の子供時代の写真などを見せながら、リオとは別人だと主張するが、ハロルドはリオと認めさせることに固執した。そしてパルティバンの家族を襲うよう部下に指示する。しかし仕掛けた罠とハイエナで手下達を撃退し、妻と娘は守られた。
ハロルドの部下達を倒し、やがてハロルドと一騎討ちになったパルティバン。最終的に奪った銃をハロルドに向け、ハロルドは負けを認め、パルティバンはリオでは無い言い放つ。
するとパルティバンは高笑いをし、自分はリオだといい、ハロルドを叔父と呼び、ハロルドもなんだやはりリオじゃないかと笑顔になった瞬間、パルティバンに額を撃ち抜かれて倒れる。
そして残った敵を倒し、無事息子を救い出す。
パルティバンは、自分はかつて多くの命を奪った過去があり、今は(生まれ変わって)新しい家族がいるため、自分の過去を知る者は全て消していくと語り出す。ダース兄弟のアジトに火をつけ、過去を燃やしたパルティバン。
平穏が訪れたある日、パルティバンの元へ電話が。声の主は、パルティバンの正体を知っていると告げ、またパルティバンに自分の正体を知っているだろう?と問い掛けた。


補足(追記)

英語字幕で見たため、キャラ名などは聞いた音声と若干Wikipediaを参考にしていますが、将来的に日本語字幕で上映された場合、和訳など変わる可能性があります。
またロケーシュ監督の2022年の作品『Vikram』(カマル・ハーサン氏主演)と繋がりがある世界観のようですが、そちらは2023.10.22現在、未見です。(Vikram自体が囚人ディリと繋がりが合うようなので、後ほど日本語字幕の囚人ディリは見ておきます)
また英語版Wikipediaによると、このLEOの作品自体が、デヴィッド・クローネンバーグ監督の『A Histort of Violence』を参考あるいはオマージュしたという記載があります。
上のあらすじも英語字幕が理解できていない人間の印象に基づくものです。

語彙力ない初見感想

悪いタラパティとアッパ(父親)であるタラパティの両方が楽しめる映画。
カフェに来たギャングが娘の命を狙った瞬間、動悸が激しくなり、カメラがアップになっていく(トレーラーにもあるシーン)ところは、精神的負荷がかかって、そのあと我を忘れて拾った拳銃でギャングを仕留めていく印象だった。過去のトラウマで銃を握ることを避けていた節があるのと、ギャングですら子分が勝手に銃を使ったことを非難するシーンがあるので、この地域で銃を使うことは相当重罪?の可能性が。
もしくは景色的に出てくる地域が雪山ぽいので、雪崩防止の為に、銃の使用は厳禁なのかもしれない。

冒頭、銃のコレクター?らしき家に押し込み強盗でうろつくならず者たち。そのボスみたいな役どころがミシュキン監督(今回は役者として出演)、初っ端から目力ある存在感。縛り上げて口を塞いだこの家の家主の向かいで、もっしゃもっしゃご飯食べている辺りなど、何処か時代劇の悪役的な雰囲気もあって、もしやミシュキン監督だからこその演出だったりするかな、などと思ってみたり。(※ミシュキン監督のあれこれは、こちらの記事で感想とか紹介リンク載せてます)

話変わって、街中で暴れるハイエナを、ジョシーとルーティバンが連絡取り合って追い詰めていくシーン。
ジョシーはカーキ色の肩に星のビスがある制服を着ているので、最初は地元警察かと思ったが、どうやら森林警備隊らしい。※英語版ウィキペディアの自動翻訳参照。
捕獲作戦ではジョシーの使った麻酔銃が(仕舞い込んでいてメンテが不十分だったせいか)使えず、せっかくのジョシーの腕前が不明なままなんだけど、これが後々「ジョシー格好良い!」ってなるシーンの伏線かと思うと、2回目以降はニコニコしてしまう。
麻酔銃が使えないので、(学校へ送る途中で一緒に車にいた)息子のシッドゥが得意の槍投げで、パルティバンに麻酔の入った注射器を投げて届けるシーンも良かった。親子の連携!
そして捕獲されたハイエナに、後日家族みんなで会いに行って交流深めて、名前まで付けちゃうなんて。実際にハイエナって、人間に懐くことあるんだろうか?

ミシュキン監督演じるギャグのボス、怖いボス……と思いきや、一味の中で一人行動が読めないサイコパスな子分が居て、その子が毎回厄介ごとを持ち込むのに頭を抱えている様子。知らないところでこのサイコパスくんが、押し入った家から銃を勝手に持ち出していたり、なかなか帰ってこなかったり、「なんで自分ばかりこんな目に(と言っているかは判らない)」という風で泣きそうな顔しているシーンは客席から笑いが漏れていました。
主人公が経営するカフェに、勝手に入って店員を銃で脅し始めたのもこのサイコパスくん。ギャング達はこの店を標的にはしていなかったのに。彼を探しに仲間達もこのカフェに来て、成り行きでパルティバンと闘う事になり、更にボスはパルティバンを倒すように支持したにも関わらず、サイコパスくんは勝手に娘ちゃんの方に標的を変え、結果として怒り狂った主人公にギャング達は全員撃ち殺されてしまうという結果に。このサイコパスくんが勝手に行動しなければ、その後の一連の負の連鎖はなかったわけで。うわぁ。
ミシュキン監督の身体を張ったアクション、何度も見るうちに、痛くないのかな等と心配しながら見守ってましたよ。

カフェでギャング達を撃ち殺したことで、パルティバンは逮捕され、裁判に。
裁判の争点が、過剰防衛ということなのか、銃を使用した事が問題なのか、追い詰められた状況にも関わらずギャング達を一発ずつ確実に(外すことなく)仕留めているのが問題なのか、日本語字幕での解説が欲しい。
最終的に、この強盗犯を全員射殺した事は家族と自分を守るために必要だったと認められ、釈放された。しかしパルティバンはメディアの的になり、新聞に載った写真によって、ギャングの報復を警戒しなければいけない羽目に。
しばらく家に閉じ籠り、安全優先でいたが、聞く音も幻聴も入り混じり、パルティバンは精神的に追い詰められていく。
(このシーンが本当にトラウマによるストレスなのか、これすら後半で翻されてしまう描写なのか、これも日本語解説欲しいところ)

見かねた友人が新鮮な空気を吸えと後押しし、家族は久々に市場へ買い物に。そこで、殺されたボスの復讐を誓った面々が現れ、パルティバンを襲う。当初は防衛のための反撃だったのが、最後には相手を追い回し次々と殺していく様子に、妻のサーティヤは不安を覚える。激昂すると人の話をまるで聞かなくなる夫への不安は、すごく判る。ある意味、怖いよね、自分達を守るためとはいえ、夫が普段と一変するのは。
ここで若干、二重人格説も匂わせているのかな。

市場の件で、過剰防衛を疑われないためか、ジョシーに背中に傷を作るよう依頼するパルティバン。何とか今回、逮捕は逃れた様子?彼は自宅の警備にタミルの優秀な警官を配備して欲しいと要請した。
そこでやってきた警官が、(残念ながらまだ囚人ディリ見ていないのだけれど/リメイク版のヒンディ映画ボーラーは見た)囚人ディリに出てきた警官のナポレオン(George Maryanさん)。今回の警備員として出てきた人ってのは判った。お台場の客席からは、後ろ姿だけで歓声が起こっていたし。
あれ、囚人ディリでは退職間際の設定じゃなかったっけ?まだ頑張っているんだって、見た人が感想ツイしていた。

ナポレオンさん、当初は警備中に寝こけていたり頼りないんだけれど、パルティバンと家族の危機に対し、中盤以降は必死になって家を守ろうとする。あとアントニー達の車を追いかけるシーンでは、パルティバンとバイクを2ケツして、銃を装填するのを手伝いながら頑張った。
アントニー対パルティバンは、武器なしの素手の殴り合い。先ほどのカーアクションとも相まって、「マスター」を彷彿とさせる。
アントニーが何度も「お前はリオ」と繰り返し、「俺は、お前の息子じゃない」と叫ぶパルティバン。
最終的にやられたアントニーがタバコを咥えて、パルティバンを手招きするところ、最後の最後までアントニーは息子であることを認めない彼に、苛立ちと同時に寂しさも感じていたんじゃなかろうか、などと思ったり。(過去に、彼にした仕打ちはさておき)
なおタバコの銘柄はLEOらしい。(カフェに来た時のアントニーの科白より)

リオの過去が語られるシーン。エリサ役の女優さんはカメオ出演扱いってWikipediaにあったけれど、ギャング側の人間としての出演って珍しいのでは?英語字幕だとリオにとってエリサは魂を分けたマイシスターってあったけれど、この場合、姉なのか妹なのかよく判らなかった。
リオと一緒に銃で相手を排除したり、結構ダークな役どころ。綺麗な衣装とかでなく男臭い衣装で、ダンスシーンを踊るのも新鮮。
そしてそのダンスシーンの曲、ハロルド役のアクションキングことアルジュンさんも一緒に踊るの、凄い良い〜。あとで戦う羽目になる二人なのに、この時点では叔父と甥のダンス。

それにしてもサンジャイ・ダットさん演じるアントニーは、こんなにも見た目が豪快で、ビジネスも力技っぽいのに、ホロスコープに頼るの、何なんだ……このキャラ。
ビジネスの成功を、自分が傾倒する占星術(この場合、普段から動物を生贄にするような何かなので、多分西洋式の悪魔信仰のようなものと解釈。十字架首から下げているし。ホロスコープを告げる人も神父のような格好をしている)に頼るアントニーって、父親としても理解し難いし、経営者としてもどうかと思う。
成功にために娘を犠牲にするとか。ここで双子の母親らしき存在がないため、それも占いが(もしくは占いに)影響していそう。
アントニーのエントリーシーンから流れるBGM、暗くて重たくて荘厳な曲調なのは、どこか宗教めいたイメージを表している。
一方弟の方は、やはり曲調は暗めなのだけれどもっとアップテンポ。

エリサが亡くなったあと、リオが自分の十字架を首から外して彼女にかけてあげるんだけど、この場合の十字架は、父親の影響か、本当の宗教信仰だったのかは、判らない。

ハロルド対パルティバンは、アントニー戦とはまた違った、アクションの見せ場の連続だった。アントニーが豪快で力業の殴り合いだったのに対し、ハロルドは相手の動きを確認しながら、攻防せめぎあう感じで。
アクションキングのアルジュンさんよりも、ヴィジャイさんの方が背丈は大きいのだけど、さすがアクションキング、めちゃくちゃ身体強そうだし(丈夫そうだし)なかなか倒れない。もっと二人の戦うシーン見ていたいって思うシーンだった。なんでそんなにいちいち立ち絵が格好良いんだ、さすがキング……。

ハロルドがお前はリオじゃないと観念して(負けを認めて)言い放った瞬間に、パルティバンの方からリオだと名乗るの、なんか狂気すら感じましたよ。普段の笑顔のヴィジャイさんなのに、怖くも見えた。
そしてこの後、息子を救いにいくんだけど……、このシッドゥ君、お父さんの正体をどう思っているんだろう。そこがどうも読めない。
日本語字幕でいつか公開されたら、科白からそのあたり判るのかな。

イルダヤラージがパルティバンの写真を見てから、ジョシーに向かって「1000人が彼をリオだと言っても、これは彼じゃない」と言っていると思うんだけど、
これ、映画のラストでパルティバンが自分を語るところで、同じように1000人にリオかと問われても否定し続けるみたいなことを言っているから、イルダヤラージはリオだとわかっていても否定していた気がする。しかもパルティバンのその語りの後で、イルダヤラージが項垂れてじっと硬い表情をしているシーンが映る。ジョシーの時は笑い飛ばしたり、酔った喋りしかしていない彼が。
そしてもう一人、神妙な顔で俯いているおじさんいるんですけれど、あれ誰だっけ?ってなってます。新聞に載ったパルティバンに驚いていたけれど、最後に俯いてじっとしているってことは、ダース兄弟側じゃなくて、リオの味方だった人?4回見ても誰か判らなかった。

最終的にリオはパルティバンで居続ける為に、リオの事を知る人を消していくかもしれないので、それを踏まえてテーマ曲の『Badass』を聞くと、歌詞の『リオは悪い奴』ってのがじわじわくる。そう最初から曲が解禁されて以来、結論は示されていたわけで。パルティバンでいる為に、過去を消し続けるLEO。
それに対して、映画序盤の、ハイエナ捕獲後にカフェにいくシーンで流れて、劇中で何度か繰り返されている『彼は平和を愛する人』というのが、パルティバンという平和を愛する普通の男の存在を守り抜く為には、この先もずっと自分の過去を知る人間を消し続けるだろうという内容を、パルティバン側から歌っている対比なのかなって思って聞くと、うわぁ……ってなる。


あと事前にYoutubeの公式動画かツイートあたりで、カマル・ハーサン氏の文字を見かけた気がするので、「あれ、どこに出ていた?」もしかして見間違いかなとか思ってました。
初見のしかも中盤あたりまで、アルジュンさんをハーサン氏だと見間違えていたくらいだし。すみません。

話の筋には関係ないけれど注目したこと

パルティバンのカフェは、店員さんの制服がみなアメリカのダイナーっぽい。いや、この場合、イギリスのカフェっぽいが正解なのか?
とりあえず黒っぽいキャップと揃いの色合いのトレーナーみたいな制服。でも店員のシェルティちゃんは着替えて帰る姿はサリーだった。
この地域、寒そうだし雪山も見えるけれど、ミシュキン監督演じるボスの奥さんもサリーきていた。寒くないのかな。
サーティヤもクルタ風シャツの上にサリー羽織って、さらに冬用コート着ている感じ。
一方男性キャラは皆、洋装というか普通のシャツ。
季節感というか、気温がどれくらいの地域かよく判らないな。

カフェの中で普通のお客さんがいるシーンは少ないんだけど、冒頭でちらと店が移ったときに、裏でスタッフが必死にチョコメニュー作っていたり、店内にチョコレートケーキらしきものを食べている女性客とかいたり、壁の動画で店内メニューとしてスウィーツらしきものが映っていたり。これらのアイデア、すべて店長さんなのだろうか。パルティバンが、家でいろんなメニュー考案しているのかな。

季節感といえば、警官のナポレオンさん?半袖に毛糸のベストと毛糸の帽子と、そしてマフラー巻いていたけれど、半袖は寒くないの?
ギャングは皆暖かい上着きていたのに?
サイコパスくんじゃなくても、寒い夜はチョコレートコーヒー飲んであったまってほしい。

2回目以降で気付いたこと。

上のあらすじも実際は4回見た後で書いているので、初見感想ではないんですが。
1回目はお台場の巨大スクリーンで見たので、俳優さん達の顔に釘付けになっていると視界に画面全体が見えないんですよね。
だから、序盤の家族の色々なシーンの中で、金属の筒状の物に家族四人で手を突っ込んで笑っているシーンがよく判らなくて。
2回目をキネカ大森で見てやっと、家族の手を重ねた置き物(ブロンズ像みたいな)を作っているシーンで、それを夫婦と娘が川の字で寝ている寝室の、ベッドサイドのテーブルに置いているんだと気付いた。
そしてアントニーがサーティヤの前に現れて、パルティバンのことを過去に犯罪を犯した奴だと言ったその夜、寝ている時にその言葉を思い出した彼女が、ふと目を開けて目の前の夫の顔が血塗れに見えてびっくりして飛び起きて。そのはずみでサイドテーブルの置物を落として割っちゃうシーン。当初この置き物が家族の手の形だと気付いてなかったから、仮面の置物かと勘違いしていて、『仮面が割れる』イコール『パルティバンの正体がこれから判る』という伏線かと思っていた。あれは『家族の重ねた手が壊れる』イコール『絆が壊れる』の象徴だったんだね。
その後から妻は夫に不信感を抱くし、息子は他の子とつるんで路地裏でたむろっているし、家族に信頼が壊れていく前触れみたいな感じ。

また、序盤にパルティバン夫婦とジョシー夫婦が、若い二人の入籍に立ち会うシーンがあるけれど、あの入籍した女の子、もしやカフェの店員でサイコパスくんに捕まったシュルティちゃんだったりする?
Wikipedia見たらシュルティの夫役という記載があって、シュルティの旦那なんて出てきたかな?と不思議だったんだけど、あの入籍シーンの事かと。

初見はスクリーン大きいことで、映像を浴びるという感じで、話の上部だけをさらっとおおまかに知った感じ。
そしてパルティバンの事は、過去のエリサの死をきっかけに記憶喪失になっていて、父親と叔父の登場で、再三お前はリオだろって言われ続けた結果「思い出したよ、あんたらのせいで」っていうことでラスト笑ったのかと勘違いしていた。サーティヤに対し泣き喚くシーンも、エリサの死を蒸し返されて悲しい過去を封印したかった的な事を伝えて、妻もそれに同情して、彼を信じることにしたんだと思っていた。
英語字幕追う余裕なかったし。
とはいえ、パルティバンがリオではないっていう展開にはならないだろうなって、初見で既に思っていたし、むしろいかに隠し通すのかと見守っていたから、叔父に対してリオである事を認めたシーンが最初は?だった。とはいえ、英語字幕に勝利の笑いって書いてあったから、相手がリオじゃないとようやく言った事で、自分も認めたってのは判った。
「お前らが散々リオだろっていうから、だったらリオっていえば気が済むんだろう?」みたいなニュアンスも含むのかな、とか。

でも2回目鑑賞で、少し科白を見るようになって、記憶喪失なんて科白一切なさそうだし、サーティヤに対して「俺はリオじゃない」って泣いているし、これは解釈違うなぁと気付いて。
そして3回目でやっと最後の語りが判ってきた。
でもメディアに顔写真が載った後に精神的に追い詰められるシーンで、ちょっと神経質になっているところは、リオとしてボロを出すまいとしている戒めている伏線なのか、それとも観客を騙すための演出なのか。

あと、ハロルドを始末した後、息子を助け出して二人で車で帰る途中のところ、パルティバンの科白がいまいち理解できなくて。
ダース兄弟が散々自分の事を「お前はリオだろ」と言って自分達に危害を加えてくるから、やっつけたって意味なのか。でも心配させるから家族には内緒だぞって、息子に約束させているのか。
それとも息子には自分がリオだとバレたけれど、サーティヤとチントゥの二人を守る為に、パルティバンとしてこれから過ごすから本当のことは黙っておいてくれっていう男の約束を誓わせようとしているのか、よく判らなかった。
帰宅した後の食卓で、シッドゥがつけた音楽が「私は嘘をつかない」みたいな歌詞に思えたから、その歌詞を聴いて顔を見合わせる父子の様子が、秘密を共有する者同士っていう示唆か。パルティバンだけの事を示しているのか。4回見ても判らなかった。

4回目鑑賞でやっとエンディングを落ち着いて聞けたんですが、ここで明確に、『Badass』の歌詞の合間に、『Vikram』という単語を入れてきているし、英語字幕でも『Vikram』の文字が。
実は、3回目鑑賞までは、エンドロール直前に、パルティバンに電話かけてきたのは、実は生きていたアントニーで、復讐してやる……みたいな科白に対し、パルティバンがうんざりした様子で溜息こぼすのかなって思っていたんですが、明確にこの歌詞と字幕で、そうかあの声の主、カマル・ハーサン氏だったんですねぇ~ってなった。

そういやアントニーお父さん、息子と信じて訪ねて行った男の店で、コーヒー頼んでおきながら口も付けずに、お金も払わずに帰りましたね。飲まなくても、店長自ら入れてくれた珈琲なんだから、お勘定はしていきなさいよ。

見どころ

序盤は雪山を背景にした静かで寒々しい中に、パルティバンの一家が温かい雰囲気をかもしだしているところ。
ジョシー夫婦と家族ぐるみの付き合いっぽい。ジョシーのところは子供がいないみたいだけれど。
カフェのお客さんがいるシーンは短時間だけれど、チョコレートメニューを堪能する客であふれていて、画面から甘い香りが漂ってきそうな雰囲気。BGMは『Ordinary Person』。

その一方で、ギャングが夜な夜な金銭を狙って押し込みを働くという、この治安の悪さ。
冒頭、捕獲したハイエナと少しずつ交流を深めていく時間の経過。
カフェでのギャング騒動の後は一変して、パルティバンとその一家は自分たちを狙う陰におびえなければいけない。
冒頭の押し込み強盗のシーンから、インターミッションまで基本的にBGMが皆、ずーっと暗いんですよ。この暗さが、もしかしたらリメイク元の映画の雰囲気を意識しての事かもしれないと気付いたのも4回目鑑賞中。
見ている側が暗い気持ちになってきたあたりで、ダス兄弟が登場して、ロックなBGMになってテンションが上がる。明確な敵キャラの登場。
自宅で妻と娘が二人きりの状態で、パルティバンとシッドゥがそれぞれ急いで帰宅するところ、ヴィジャイさんの乗馬シーン少しですが見られます。シッドゥくんの絶妙な槍投げの腕前も見られます。
1999年のリオの過去が語られるシーンでの、カメオ出演のマドンナ・セバスチャンさんの格好良い女性像が魅力的。登場シーンは少ないながらも、観客の心にしっかりとエリサは刻まれた。
そしてダンスナンバー『Naa Ready』も本当に格好良い。みんな横並びで踊る姿、絵になるなぁ。明るいシーンが少ない分、この曲が救いにもなっている。
ちなみに聞いてもらうと判るけれど、この曲、ヴィジャイさんも歌ってますね。


息子のシッドゥがいないのに気づいて、アントニー一味を追いかけるところ、バイクにパルティバンとナポレオンが一緒にのって、次々に車を大破させるシーンは、「マスター」のトラックを次々転がしていくところを思い出す。
後半、執拗につきまとうダス兄弟から家族を守るため、パルティバンが仕掛けたトラバサミに手下たちがどんどんかかっていく。
そして壁をよじ登って家に入ろうとする者たちは、ジョシーの麻酔銃にやられる。ジョシーかっこいいってテンション上がりますよ。(冒頭で活躍できなかった分、格好良い見せ場が用意されていた)
家に忍び込んできた手下たちを待ち伏せして、銃を構えているのは警察官ナポレオンおじさん!やった、大活躍ですよ。
倒れ込んだ後も、しっかり一人仕留めてましたし。
そして裏の勝手口から入ってきた手下には天井からのトマトソース?攻撃。濡れた床に転んで、さらにトマトまみれに。
何の伏線かと思えば、ハイエナさんの餌になるための伏線でしたよ。
ちなみにハイエナの名前、聞き間違いでなければ「スブラマニ」って言っているようでした。
トラバサミとかの罠を黙々と自作しているパルティバンが、途中休憩で、娘ちゃんからチョコレートを差し出されて齧って一言『ブラッディスウィート』っていう科白、『Badass』の中の歌詞と被るように演出されているところも良い〜。

余談

撮影場所は主にカシミールとあったので、それって、「パターン(PATHAAN)」でパキスタンの将軍が怒っていたあのカシミールの地ですか?
この「LEO」は「Kaithi(囚人ディリ)」「Vikram 」に続く、ロケーシュシネマティックユニバース、つまり世界観が繋がった作品の一つということで、ぜひ「Vikram」も日本で見られるようになってほしい。
パターンもWARと同じ世界観のスパイユニバースなので、インドの監督さん、映画の世界観つなげるの大好き?判る、判ります。自分も一次創作でつい違う作品同士をコラボさせたくなるし、自分が想像する世界は、登場人物違ってもつながっていて欲しい。

さて、LEOは2005年の映画『A History of Violence』の正式なリメイク版と発表されたそうです。

「A History of Violence」はヴィゴ・モーテンセン主演、デヴィッド・クローネンバーグ監督なので、ほんのちょっとお試しで見ただけでも欠損シーンはややグロい。あと全体的に暗い感じ。鬱々とした感じは、この夏に同監督の「ビデオドローム(4K版)」と新作「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」を見て、その世界観をちょこっとだけ触れた身としては、なるほどなぁという印象。
あとウィキを見ると、どうやらSEXシーンもあるようなので、気になって元ネタ見てみたい方はご注意を。
元映画を全部見たわけじゃないので、違っていたらあれですが、どうやら大元の方は主人公自ら妻に自分の正体を告げる場面があるようなのと、エンディングを見る限り、家族は正体を知った上で黙って彼を受け入れるという暗い終わり方なので、そこはタラパティの主演作としては不向きだとして採用されなかったんでしょうね。(ミシュキン監督だったら薄暗い映画の雰囲気を継承するのかなとか、ちょっと思ってみたり)
基本、主人公まわりの家族構成はリメイク版でも継承しているようですね。

公式リメイクとはいえ、そこはタラパティ作品。前半は薄暗い雰囲気があって、音楽も少し暗めで、いつもと違うなぁと思ったものの、1999年のシーンのダンスナンバーといい、完全に火力強火でのリメイク。

役者さん、監督さんにあまり詳しくないので、ミシュキン監督くらいしか事前に出演把握していなかったのだけれど、ジョシー役のGautham Vasudev Menonさん、ググると監督業・俳優業の両方の肩書きで出るのだけれど、もしや監督が本業?(監督して受賞歴があるっぽい)
そうだとしたら、ミシュキン監督同様、俳優としての出演は個人的にサンクス案件。ジョシーとパルティバンの関係性って、見た目のタイプの違いも含めてのバランスとかあるし。

モーハンラールさんについての動画をYoutubeで探していたら、偶然、Gautham Vasudev Menonさんのインタビュー動画が出てきたんですが、そこで肩書きはディレクターになってましたし、あとカマル・ハーサン氏の大ファンという発言もあったのでLEOとVikramの出会う映画があったなら、ジョシーとして出て、是非憧れの俳優さんと共演して欲しいなぁ、などと思ってみたり。

こんな話題もツイートされてました。

リオの過去シーンで、急に現れていきなり撃たれちゃった人、アヌラーグ・カシャップ氏。初見では⁇だったんだけど、こういう経緯だったのか。役名はダニエル。
この方も、肩書的には監督さん……。LEOって3人も監督さんが出ているのか。(とはいえ、皆さん普段から俳優としても出ている様子)

最後に

10/19、いわゆる初日初回(FDFS)をお台場という巨大スクリーンで浴びられたのは、良い経験でした。どの上映回よりも客席が沸き立って盛り上がってました。お台場のスクリーン1に入場する前の廊下?でLEOのスタンディと共にマスターのスタンディもありました。人が多くて近付いて撮るのを遠慮してしまったのが悔やまれますが、今後もスタンディはいろんな場で見られるはず!

ユナイテッドシネマ アクアシティお台場でのスタンディ

翌日10/20〜10/22はキネカ大森さんで連日参加しました。
こちらはお台場より大人しかった印象が。
最終日は静かに見入った上映でした。これもじっくり声と音楽を楽しめたので良かった。

今回は初見の勢いを失わないうちにと記事を書いているので、整理できておらず読みづらかったかもしれません。
映画館の音響で最新のヴィジャイさんの映画を浴びられる貴重な機会、一人でも多くの人が見られる機会を得られますように!
そしていつか日本語字幕で上映がされる為には、今回の自主上映の盛り上がり具合も判断基準になるのでは?と思っているので、スケジュールが合えばまた通いたいところ。

まだまだこれからもLEOの自主上映は続くと思います。
ぜひ行ける地域で上映がある際は、日本語字幕がないからと身構えず、音楽とアクションを楽しむ感じで行ってみて下さい。
こんな機会滅多にありませんので!


追記:5回目鑑賞を終えて。2023.10.28

当初、初週の4日連続参加で一旦終了のつもりが、イオンシネマ海老名さんの大スクリーンでの上映が追加されたという事で、5回目行ってきました。
海老名、スクリーン大きいし、音響どかどか腹にくる感じがいいし、最高でした。火曜には自分には遠いので、今回はだいぶ色々無理しましたが、行けて良かった。となりの在日のインドのお兄さん達も周りを伺いつつ楽しそうなの良かった!
英語字幕はやはり追えないので、パルティバンの中盤の、物音に敏感になって精神的に病んだように見えるシーンの理解が追いつかないんですが、ミシュキン監督演じるマフィアのボス、アクションめちゃくちゃ大変そうやなぁという感想と目力凄いな、という印象は変わらず。便宜上ボスって書いてますが、車の中で誰かと口論しているシーン見ると、彼は地元のならず者で、更にその上の組織から色々搾取されてそう、とか、口論の相手がロケーシュ監督の別作品と繋がっていそうな気がします。
5回目でやっと気付いたのが、学校の放送室、誰もいないと思っていたら、ちゃんと女性教師?らしき人が座ってましたね。
冒頭にハイエナ捕獲後、警察が囲み取材受けている外側で、カメラマンとインタビュアーが話しているけれど、そこもまだ会話が?なので、日本語字幕を待ちます。

好きなところ、ジョシーとパルティバンが警察署で語るシーンとか、フクロウ出てくるところとか。
あのフクロウは、怪我して連れてこられたのか?ジョシーが獣医を呼んだが連絡つかない、からの事件の一報くるシーンから、全体的な空気が不穏な感じになるのを、インターミッション後の悪い顔したタラパティとダンスナンバーが明るくしてくれる。
この構成も好き。

アクションとか車バーってところ凄いのに、カフェで正面になったシーンのアントニーの髪の毛の作り物感(生え際が不自然)があるのは謎なんだけど、まぁ見ている内に気にならなくなるので。
ナポレオンさんとチントゥちゃんはこの映画内での癒し。

やはりね、アクションキング登場シーン格好良いんですよね。振り返るところで今日は大歓声上がりました。
そういやキネカだと皆大人しかったから、今日は大スクリーンということもあって指笛、歓声、盛り上がりました。
日本語字幕ついた後で、チェンナイスタイルのマサラ上映欲しいですね。

パルティバンの写真が載った新聞を見て考えている、ラージャマウリ監督にちょっと似た人が、やはりどういうキャラか判らなかったので、過去のシーンじっと観察していたんですが、ダンスナンバーで記憶吹っ飛びました。

でもこれだけ理解できていない部分があっても、
LEOめちゃくちゃ楽しい!格好良い!LCU(ロケーシュシネマユニバース)どんどん見たい!ってなります。

そしてやはりね、今回のヴィジャイさんの髪型、自分の好みにドンピシャなんですよ。前髪は正義。
いつものタラパティも好きですが、前髪追加されるだけで、ドーンと爆上がりなんですよ、自分のテンションが。(メルサルの時の過去シーンも前髪ありでしたからね)

さて本日で、怒涛の上映スケジュールは一旦終了のようですが、今後を匂わせるツイートがスペボさんから発信されているので、継続的にLEOは見られそうですよ!
冬か春に日本語字幕くるかな?
楽しみに待ちましょう。

次の機会が来るまで、劇中音楽聴いて待機です。

更に追記

パルティバンの写真を新聞で見かけて、更にカフェに一人できて新聞読むふりしながらパルティバンをじっと見つめていたおじさん(エンディング近くでずっと神妙な顔で考えている人)、すべて同じ人で、過去にリオの部下だった人……みたい。そんなツイート見かけました。円盤出て欲しいな、ちゃんと確認したいです。

あと……そう。なまじクローネンバーグ監督作を2作品ほど見ていたばかりに、LEOもリメイクと知って、🔞な要素に期待しなかったといえば嘘になる。まぁインド映画だからそうはならんやろ……とは思いつつ、推し俳優のそういうシーン見られたら最高やんという気持ち。グロは嫌だけれど。
キスシーンで誤魔化されたのは、……まぁ良いか。

あとヴィジャイさんには悪役もっとやって欲しいんだけれど、スター俳優にそれを求めるのは駄目なのかな。
若手俳優が台頭してきた時に、スター俳優からいぶし銀の名優になるの、ぐっとくるので、そういう流れが将来的にあるのか、タライレヴァのように永遠のヒーロー像(ダークヒーロー含む)貫くのか。
演技力がある人こそ、主役じゃない部分が見たくて仕方ないです。
今後に注目ですね。

6回目の鑑賞で確認できたこと。


パルティバンのカフェの従業員は11名〜12名くらいいるみたい(数えた)。
パルティバン夫婦とジョシー夫婦に立ち会ってもらって入籍する二人、ずっとカフェ店員のシュルティちゃんだと思っていたけれど、6回目でちゃんと顔も確認できた。あとシュルティちゃん、前から気付いていたけれど、裁判で証言する時のお洒落なカーディガン着ていた印象だけれど、それが青系だと再確認。サリーは赤系だったから、色んな色の服着こなしているな。
新聞などに載ったパルティバンの写真等を見て反応した4人の人について。
最初に気付いた帽子のおじさんは、カフェで新聞越しに彼を見てにやにやして追い出されたおじさんで、多分アントニーに殺られて店の看板に吊るされた人。
自分のところに配達された新聞見てはっとしたおじさんは、過去のシーンでリオがアントニーに撃たれた時に彼を見てショックを受けた仲間の一人(※打たれてショック受けたもう一人は、ジョシーが会いに行ったおじさん)
留置所みたいなところで新聞を柵越しに投げ入れられて見た人は、冒頭に殺されたならず者のの仲間。
テレビだか動画ニュースだがで見かけてはっとした人はインターミッション後にカフェに行ってパルティバンを隠し撮りした人(それがハロルド経由でアントニーに繋がる)………で、あっているはず。

上記2番目の、配達された新聞見てハッとした人は、更にサティヤが嘘ついてまで調べに行ったパルティバンの過去を知る人で、彼の子供の頃の写真見せていた人だと思う。だからパルティバンは、いずれ自分の過去を調べる人がいたとして、その行き着く先に予防線を張っておいた……ということか。それとも写真見せたおじさんが、状況察して、実際の写真を見せつつ話をうまく誤魔化してくれたのか。
いずれにしろおじさんは、パルティバンの過去をサティヤにうまく(リオとは別人だと)納得させた上で、言えない気持ちを抱えたままエンドロール手前で少し俯きながら考え込んでいる。

同じくジョシーに対してリオの過去を聞かせた囚人おじさんも、パルティバンの写真を見て彼が別人として今暮らしている事を知って、彼の今を守るために否定してくれた。そして生きている事を嬉しく思いつつ、自分はもう会えないと(彼の元気な姿を見ることはないと)、エンドロール直前で物思いに耽っている。

パルティバン達が市場で襲われ、彼がならず者やっつけて警察行った後に、警官に切れたところは、最初パルティバンを侮辱したことにジョシーが怒って、警官がジョシーの胸倉掴んだ後にパルティバンが切れている。ジョシーの行動がきっかけで感情が爆発した流れは、自分の事を言われてすぐにキレるよりも、第三者から見て、自分の正当性を理解させるのに有効な手段では?あえてジョシーの行動の後にキレて見せるだけの気持ちの余裕と冷静な部分が、パルティバンにはあったのでは?
(そう考えると、中盤で追い詰められて病んでいるように見える彼と、後半ハロルドおじさんにリオだよと高笑いした彼に矛盾を感じない。全部作り込まれたものなら)

その後、警察に正当防衛認めさせるためにパルティバンの背中をジョシーが刃物で傷負わせるところ、その直前にヒゲの人が書類弄りながらキョロキョロしている意味判らなかったんだけれど、6回目でやっと判った。
市場での騒ぎのときの凶器の刃物、押収物として包んで置いてある棚から、ジョシーが一つかっぱらう為に、書類弄りながら(警察に気付かれないよう)見張っているのか。そしてその見張ってくれているのは、市場に一家が来ているとジョシーに電話してくれた森林保護官仲間の人。更に言えば冒頭のハイエナシーンでも何度かジョシーと会話しているな。ジョシーの仲間だから、パルティバンの味方をしてくれるのか、ハイエナの件で恩義感じているのか。

部下ゾロゾロ連れてアントニーがカフェにきた時、最初後ろ姿だけ映って、パルティバンの視点と同じくカメラが動くんだけど、パルティバンがアントニーに前に回り込んで初めて正面が映った時、アントニーの後ろの壁が天使の輪っかと天使の羽のチョークアートみたいな壁(黒壁に白い線画イラスト)で、丁度アントニーが羽を纏っているように映る。
一方、彼に正面に立つパルティバンの後ろに壁にもチョークアートみたいなのがあって、それはなんか獰猛な犬の絵に出てきそうなトゲ付きの首輪に見える。ちらちらパルティバンの首の辺りにその絵が重なるから、精神的な首枷的な意味か。それともアントニーの西洋占星術傾倒を考えると宗教的な意味で、キリストにイバラの冠のつもりか。

リオの過去編で、占いによって子供のうちの一人を始末しなければならないと泣くアントニーに対して、ハロルドがリオを……って言いかけてやめるの何でだろう。こういう時って普通男の子供を残そうとするんじゃないのか?それともリオの勝手さがいずれ自分たちの事業に邪魔になると思っての発言か。

そういや(刑務所にいたおじさんの語りによる)ハロルドおじさんの紹介の件、カナダ帰りの兄弟って英字幕見えた気がするな。
ハロルドおじさんが、パルティバンと戦う辺りの終盤、決めポーズの民に風が吹いてアクションキングぅぅ痺れる〜ってなる。
『マスター 先生がくる』で敵役のVSPさんに心奪われたように、LEOではアルジュンさんに心奪われる。ロケーシュ監督判っている。いや、ロケーシュ監督の手のひらで、うちらは転がされているんだろうな。

ジョシーが独自に調べて刑務所?から帰ってきてから話ししていた女性は、サティヤやチントゥ達に付いてあげたり、引きこもりになった彼らに新鮮な空気吸えって行った人……なんだが、ジョシーの奥さん?だよね。ジョシー夫婦は、パルティバン一家と家族ぐるみで付き合いがあるから、夫婦それぞれ彼らに寄り添ってあげようと色々考えているっぽい。そう考えると、パルティバン、良いご近所さんを持ったな。
ジョシーの奥さん、サティヤがリオの過去調べる旅に同行している?それともあの女性は、別人?いやジョシーの奥さんだよね。だとしたらサティヤと共に、パルティバンの子供の頃に写真を見てきた訳で、ジョシーにそれを伝えている事にもなる。そうすると、ジョシーが調べたことと、サティヤが調べた事の答え合わせは、ジョシー夫婦だけ知っていることになる。

アントニーがパルティバン家に大勢で押し掛けてきて、シッドゥ拉致して行ったあと、パルティバンとナポレオンがバイクで追いかけるシーン。ようやくパルティバンがバイクから車に乗り換えるところ判った。
ただ、バイクの運転席にうまくナポレオンさんが乗り移れた感じはなくてバイクが離脱しているし、その後の家で銃構えているナポレオンさんが包帯巻いているから、これはバイク事故ったか、ナポレオンさん振り落とされたか。

アントニーやっつけて一旦戻ってジョシーとパルティバンが話した後、リオのスマホに電話かけている時のハロルドおじさんが涙目。アントニーの遺体とシッドゥの交換の交渉かな。その後、ジョシーの森林保護官仲間のヒゲの人がキョロキョロしながら救急車の鍵渡しているから、これ警察に無断で遺体持ち出したのかも。その後、パルティバンはハロルドの部下に救急車渡していて、アントニーの火葬をしている。
なのに何故、パルティバンと部下たちは列車移動なのか?
お迎えの車ないの?この間たくさんパルティバンに壊されたから?
いや車に乗せると、部下が殺られるリスク高まるから、あえての公共交通機関か。

ちょっと落ち着いてからのさらなる追記

2024年3月21日現在、すでにこの作品はネトフリインディアさんで配信済。(本国では翌月くらいにはもう配信している)

なので、当然現時点で、ネトフリ版の本編セレクション動画もあったりする。
映画館では暗くて見えなかった、バイクから主人公が車に乗り移るシーンも、上の動画ではちゃんと見えます。

冒頭のハイエナシーン、ここだとジョシーの銃の腕前が見せられなくて残念。ゴウタム監督、この掠れ声が癖になる。肝心の監督作品まだ見ていないんですけれどね。

でも自分は日本語字幕上映がいつか来ることを願ってますし、円盤も待ってます。スペボさんお願いしますね。