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バイラヴァー(Bairavaa)英語字幕みてきました(ネタバレ有り)



はじめに



本日、2月10日、シネ・リーブル池袋さんでの「週末インド映画セレクション」で「Bairavaa(邦題:バイラヴァー)」を見てきました。
前日は「プリ」今日が「バイラヴァー」そして明日は「タライヴァー」と3日連続でヴィジャイさんの映画上映なのですが、偶然にも同じ池袋の新文芸坐さんで、今日は「サルカール」も上映。今日は割と「サルカール」→「バイラヴァー」のはしご組が多かったと予想。
明日は「ジッラ」のマサラと「タライヴァー」がシネ・リーブルさんでやるので、明日も2連続。ということは、金土日5連続タラパティ浴びている人も中には居るはず。お疲れ様です。自分はバイラヴァー1本でゆるっと参加です。身体的な理由で、土日のいずれか1本って迷っていたんですが、ジャガパティさんご出演ということで、今回は「バイラヴァー」選びました。

公式作品紹介あらすじ

02/10㈯『バイラヴァー』英語字幕 ★日本初公開

Story|バイラヴァーは銀行の依頼で回収の業務をする取り立て屋。ある時出会ったマラルに一目惚れして、ティルネルヴェーリに帰郷しようとしている彼女を追いチェンナイのバスターミナルに来る。そこで彼女は何者かに襲われかかる。バイラヴァ―は彼女に訳を問い、マラルはティルネルヴェーリのギャングが彼女と周りの人々に何をしたかを語る。それを聞いたバイラヴァーは、ギャングを倒すことを決意する。
監督:バラダン
出演:ヴィジャイ、キールティ・スレーシュ、ジャガパティ・バーブ、ダニエル・バーラージ
原題:Bairavaa
2017年/タミル語/167分/G相当
©Vijaya Productions

https://ttcg.jp/cinelibre_ikebukuro/movie/1072500.html
シネ・リーブル池袋HP「週末インド映画セレクション」作品紹介より

ネタバレ有りの初見感想

イントロ、ヴィジャイさんの文字がバーンと出てくるところ、前作の「テリ(Theri)」の曲が使われていた。監督さんが違う作品の音楽でも使われるってのが、本当このあたりインドは拘りないんだなぁ。あとまだメルサルの前なので、肩書は「若大将(イライヤタラパティ)」。
どうやらヴィジャイさんの記念すべき60作目らしい。

さて主人公バイラヴァーは銀行のいわゆる「取り立て屋」らしい。
銀行のマネージャーさんが、債務者(地元ギャング?)に取り立てにいったところ、全額返して欲しければクリケットで勝負しろと仕掛けられ、全身打撲でされてしまったとこと。(おじさん、痛そう……。おじさん虐める輩は、バイラヴァーじゃなくても許さないぞ)
マネージャーさんの話を聞きながら、コインを右手で落ち着きなくバトントワリングみたいに動かす仕草の主人公。この仕草はこの後も何度か登場。
彼の依頼を受けて債務者の元へいき、クリケット試合(に見立てたギャング撃退ぼっこぼこ成敗)に無事勝利しお金を回収したバイラヴァー。
後日、マネージャーさんの娘さんの結婚式に呼ばれて、その途中で出会ったヒロインに一目惚れ。あまり夢中で周りが見えていない始末。そのバイラヴァーの妄想でダンス曲1曲あり。
そんなヒロインに何かと視線を送る顎ひげたっぷりの男性がもう一人。
後日、バイラヴァーは花束片手にヒロインに告白する事を決意し、街中でオートの故障?か何かで立ち往生しているヒロインを発見。通りの向こうの彼女に花束もって近付こうとすると、彼女の近くに車をのりつけて花束をもって降りてくる男性が一人。マネージャーさんの娘さんの結婚式に彼女に視線を送っていた、例の顎ひげの彼。
戸惑いながらも彼の花束を受け取ろうとするヒロインを見て、バイラヴァーは先を越されたと思い、諦めて帰ろうとする。しかしどこからともなくガラの悪い男達が現れ、花束をさし出した男性の腕を刃物で切りつける。彼は腕を抑え、倒れ、ヒロインも危ないと思いきや、男達は彼女には指一本触れず、さっさと立ち去れとといった具合で、彼女はオートでその場を去る。
花束を差し出そうとしただけで襲われた男性は、命は落としていないものの結構大怪我のようで起き上がれない。ただならぬ状況と思ったバイラヴァーはヒロインをバイクで追い、バス乗り場へ。
一方襲われた顎ひげの男性?の身内なのか、電話連絡をうけた別の輩たちがバスターミナルで見つけたヒロインを襲おうとする。バイラヴァーは男達に捕まったヒロインを見つけるが、彼が駆け寄る前に刃物が振り下ろされ……
しかし、一本の電話でそれは中断。電話の主は、ジャガパティさん演じる通称「PK」なる人物。彼女を傷つけることは許さないと電話口で告げ、男達は彼女を解放して去っていく。
ただごとでない状況にヒロインを捕まえ、理由を聞き出すバイラヴァー。

ここで過去回想シーン。
彼女はPKが理事を務める医科大学で学んでいたが、ろくに学べる環境ではなくそれをインド医療評議会に仲間達と一緒に訴えた(訴えた先の名称は、英語字幕では判らなかったので、このnote感想かくためにWikiで調べました)。

PKは精肉業?から政治家にまでなった権力者らしく、自分の医科大学が医療評議会の立ち入り検査で指摘を受け、外面を気にしたのか、評議会のメンバーに自分のところの女子学生から好きな子を選んでいいからと学生情報を提供。評議会のおじさん、そんな賄賂になびか……なびくんかい!
彼はヒロインに目を付けた。その夜、学生寮に女性教師(なのか寮母なのかは不明)が「輸血が必要だから」ヒロインを呼び出しにきたが、ヒロインは何か外出できない理由があったのか)それを断った。代わりに彼女の親友が連れていかれたが、彼女の血液型はB型(に見えた)で、輸血に呼び出されるのはおかしいと思ったヒロイン。しかし親友は車に乗せられ行ってしまった。翌朝、親友は死体で発見される。ヒロインと彼女は受験の時に知り合った中。PKが原因で親友が死んだと確信したヒロインは、警官である父に話し、彼は捜査を始めるが、PKに報復として殺される。
ヒロインは、親友の両親と共にPKを訴える。しかし判決が出るまでの間、ヒロインは大学教授からの嫌がらせなどを受け、家の電気や水道も止めた。
花束を渡そうとして襲われた男性も、実はヒロインの味方で、PKを親友の死と結びつける証拠の何かをUSBにして、花束に仕込んで渡そうとしていたらしい。

ヒロインは話し終わると「もう去って」と彼に別れを告げる。しかし花束を持って再び現れるバイラヴァー。そこへ先程の花束の男性の時と同じように刃物を持った男達が駆けつけてくる。バイラヴァーは駆け寄ってくる男達を次々と倒し、やがてPKと戦うことを宣言。
電話でPKに翌日午前11時に約束を取り付ける。
翌日、屋敷でバイラヴァーを待つPK。そこへ税務署の署員?に扮したバイラヴァーと数人が登場。バイラヴァーの顔を知らないPKは渋々家宅捜索を許して、彼を屋敷内に入れる。そしてバイラヴァーは屋敷中に隠された書類や金品と共に、花束から奪い取ったUSBを押収し、屋敷を去る。
しかしそれがバイラヴァーだと知ったPKは、彼と徹底的に戦うことに。
互いに仕掛けたり、仕掛けられたりを繰り返す。やがて裁判の証拠をPKに全て奪われ、消されてしまう。
判決が出る直前、バイラヴァーは女性の裁判長に訴え、5日間の猶予を貰う。ちなみにこの女性の裁判長さん、K.G.F.でインガラキ親子に取材したテレビ局の人Malavika Avinashさんですね。凛々しい役がとても似合う。

PKの右腕であり、女子学生を評議員のおっさんにあっせんしたり、バイラヴァーにロシアンルーレット仕掛けられていたコッタイさん、ちょっとブラフマージさんに似ていて、しかも奥さんが亡くなった後に剃髪するシーンがあるもんだから、尚更サイラーのブラフマージさんを思い起こしたんだけど、ブラフマージさんにしては目がぱっちり過ぎるからちょっと違うかも…とモヤモヤ。(ブラフマージさんはもっとお目目が眠そうな印象)
帰宅してからwikiみたら、ダニエル・バラジさん(Daniel Balaji )というらしい。名前を元にTwitter探ったら、公式アカウントでの発信も見つけたし、間違いないだろう。

https://twitter.com/cineulagam/status/815651664728190976

ジャガパティさんも美形だし、このダニエル・バラジさんも目ぱっちりで美形だよね。やさ男じゃない美形のヴィランは目の保養です。
コッタイさん、ヴィランだけど妻の為にPKに「それどころじゃない」って怒って急いで帰るあたり、家族思いの面がある普通の人なんだよね。まぁだからといって学生を売るのは許せないだけど。
彼の妻の葬儀に出席したPK、車の中で喘息吸入器を使う。しかしそこにはバイラヴァーが友人の協力を得て仕込んだ、薬が入っていて、それを吸い込んだPKは笑いが止まらなくなる。葬儀の最中も笑いっぱなしの彼に、コッタイは激怒。そこへ参列にきたバイラヴァーがコッタイに、PKではなく自分側につくようそそのかす。
判決まで5日伸ばされた後にメディアの取材を受けたPK、その時に、バイラヴァーの友人が取材陣に紛れて接触し、彼の側近の持っている吸入器をすり替えたらしい。なお、その笑いだす薬は、医学生であるヒロインが入手したもの。(少し前のシーンで、おじさんにその薬を仕込むシーンが伏線)
コッタイさん、PKに電話口で敵対宣言しちゃう。

さて裏切った部下を許すはずもなく、先回りしていたPKの手下に、コッタイは殺されてしまう。せっかく改心して良いキャラになりそうだったのに。そういうところ容赦なくバッサリいくのがインド映画……。

英語字幕が追えなくて、最後の追い込み漁がちょっと判らなかったんだけど、バイラヴァーは警察の協力を得て、PKの手下たちを廃墟に呼び寄せ、一掃。様子を見に来たPKは部下の死体を次々と見つけ、やがて待っていたバイラヴァーと対峙。バイラヴァーはメディアも利用し、PKを罠に嵌め、追いつめられたPKはバイラヴァーを襲う。一方、廃墟にやってきた特殊部隊の一団が銃声を聞きつけ突入。
バイラヴァーはどさくさに紛れ、PKの手を逃れ走り去る。特殊部隊に囲まれたPKは、彼らにバイラヴァーも捕まえるように言うが、バイラヴァーはいつの間にか特殊部隊に紛れ(※服を用意していた?)、PKだけにちらと顔を見せ、激怒して部隊から銃を奪ったPKは彼を狙うが、逆に特殊部隊から蜂の巣にされ、PKは死亡。
結局、5日の猶予を与えられたけれど消された証拠にかわるものがなくて、バイラヴァーはPKを始末するしか、もう平和は訪れないと判断したってことか。
こういう終わり方、インド映画だから有りだけど、日本じゃ通じないよな……と思いつつ、今までが容赦ない悪だったから、まぁこういう落としどころしかないかなと。

改めて顔がいい……

とにかく(判ってはいたけれど)大画面いっぱいのジャガパティさん、怖い顔しながらもやはり顔がいい……。

上のあらすじでは書き漏れたけれど、ヒロインの姉妹の旦那も警察官らしくて、PKと敵対するバイラヴァーを当初は批判していたけれど、奥さんにおそらくうちの父は誇り高い警官だったみたいなこと言われて目を覚ましたのか、それとも娘の為に改心したのか、途中でバイラヴァーの味方に。
最後のPKを追いつめるところでも、バイラヴァーとヒロインの電話を盗聴していたPKの件をバイラヴァーから連絡受けて対応していたみたいだし、特殊部隊を手配したのも彼のお陰なのかな?
そんな彼も、中盤でコッタイに娘を誘拐されたり、結構大変な目に合っているんだけど、命を落とすことなくて良かった。
そのコッタイに捕まったバイラヴァーも、誘拐されたその娘ちゃんの髪の毛からこっそりヘアピンを抜き取っていて、そのヘアピンで手錠を外して逃げたり。

インド医療評議会のメンバーで、ヒロインの親友をおそらくアレしたおじさんも最後逮捕されていたし、親友ちゃん、最後のシーンで無事に魂を送ってもらえた。
最後の医学生たちが歓喜するシーン、良く判らなかったんだけどwiki読むと他の医科大学に受け入れてもらえて、まっとうな授業受けられるようになったらしい。
結果、PKを葬ったことで色んな人が幸せな方向へ転換できたということか。

それにしても、PKが追いつめられるたびに、ジャガパティさんが戸惑ったり、狼狽えたり、薬しこまれて笑ったり、ジャガパティさんのファンには美味しいシーンてんこ盛りだった。
今回は、ヴィジャイさんよりもジャガパティさんに、そしてコッタイ役のダニエル・バラジさんに目がいく作品だった。

あと結構内容は重いけれど、ダンス曲けっこうあったな。3曲くらいか?

交通取り締まりの警官役でラジェンドラさんがご出演。この1つ前の「Theri」では主人公の部下として、この1つ後の「メルサル」では大臣の役で出ているし、3連続ゲストしている。
ラジェンドラさんのウィキみると、あの特徴的なかすれ声、産業廃棄物が原因ってあるんだけど……え、怖い。(その声をある意味、武器というか個性として生かして活動されているけれど、身体は大丈夫だったんだろうか)

あと最初は出番あったのに、中盤がヒロインの過去話だったせいか出番が少なかったバイラヴァーの同居人であり友人の彼、最後ではちょっと活躍できて良かった。結局彼は良く判らなかったんだけど、銀行のマネージャーの娘さんの結婚式に出る時、なんで急に口紅つけたんだろう。会話の英語が全く判らなかったから、日本語字幕ないと判らないシーン多かった。
(ウィキでもその辺りの説明は省かれているし)
あとウィキ見ると、ヒロインが親友の件で裁判おこす時に親友が暴行されるビデオ映像を、花束の件で襲われた例の男性(※役名チャランらしい)に渡そうとしていたらしいんだけど、この辺りは会話だけの説明だから、英語字幕が理解できないと全然判らなかった。とはいえ、細かい部分が判らなくても、ざっくり理解で楽しめた。

今回でダニエル・バラジさんを知った……と思ったけれど、どうやら3作後の「ビギル」にも出ているらしい。「ビギル」結局1回しか見ていないから判らなかった。DVD持っているから見返そうか。

今回のヒロイン役の女優さん、キールティ・スレーシュさん、映画見ていて途中で気付いたけれど、サルカールのヒロインでもある。
だから今日、新文芸坐さんでサルカール見た人は、ヴィジャイさん2連続というだけでなく、キールティさんも2連続だったわけか。
勿論、上映が決まったタイミングは別々だし、偶然だとは思うんだけど。

ちなみにサルカールは、先日、ヴィジャイさんが俳優をやめて政界進出をきめた後の初めての上映になるわけで、見ていた人はその辺りも思いを馳せながら見ていたんだろうな……。

おまけ

ラジェンドラさんのシーンから、ダニエル・バラジさんの格好良いお顔が見られる公式映像おいておきます。


向かって右側のタキシードが、今回のバイラヴァー。本国のポスターこれなのかな?
ちなみに明日のタライヴァーが左。残念ながら自分は不参加。

あと全然作品に関係ないんですけどね、今日のヴィジャイさん、いや今日の作品のヴィジャイさん、胸毛多目でしたね。インナーの首元そんなにさがっていないのにびっしりで、普段はこれくらいなのかな、マスターの時は剃っていたのかななんてあたりが気になってました。

バイラヴァーが冒頭、マネージャーのかわりに取り立てにいって、クリケットするシーンで、向こうのギャングのお兄ちゃんが、バイラヴァーの構え方を見ながら実際のクリケット選手らしき姿と重ねているんだけど、これは本国のファンだったら「あがる」やつなんだろうな。微塵も知らなくて申し訳ない。日本だったら、野球でいうところの松井選手とかイチロー選手と重ねてみるくらいのエモさなのかな。
あとそのお兄ちゃんが、試合終わるころにはバイラヴァー信者になっているところが、あとあと、ヒロインとの出会いで伏線として生きてくる。


追記:2024年3月31日


カマルさんがツイートしている件。
ダニエル・バラジさんが3月29日に48歳の若さで亡くなったらしく、Wikipediaには心臓発作のためと追記されていた。
早すぎる。
今後も日本で機会があれば出演作が見られるといいな、と思った役者さんの一人。もう過去作でしか会えない方になってしまった。
ご冥福をお祈りいたします。