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チェンナイの夜、初見感想(ネタバレ有)


はじめに


シネ・リーブル池袋さんで開催中の「週末インド映画セレクション」、
本日、2024年3月9日の上映「チェンナイの夜」(原題:Maanagaram)を見てきました。英語字幕でしたが最終的に映像で大体把握できて、伏線回収される後半に圧倒されました!

日本で上映された映画でいうと「囚人ディリ」「マスター先生が来る」、あとこのnoteの感想だと英語字幕で昨年上映された「LEO」などで既に馴染みのあるロケーシュ監督の、2作目にして、長編映画デビュー作のようです(英語ウィキより)。
短編映画を一旦その前に経験しているとはいえ、長編の最初がこのクオリティというのは凄い。後に、2023年にヒンディー版リメイクがあったようです。

03/09㈯『チェンナイの夜』英語字幕 ★日本初公開

Story|就職活動のためチェンナイにやって来たパラニは、面接後に友人と共にバーで飲む。同じバーにいたジーヴァーを追ってきたギャングは、彼と間違えてパラニを襲う。タクシー運転手のナタラージは、車の中にパラニが忘れた学歴証明書を見つける。無関係な人々の行動が複雑にもつれて夜のチェンナイで予期せぬ方向に向かう、ハイパーリンク・スリラー。ローケーシュ・カナガラージ監督のデビュー作。
監督: ローケーシュ・カナガラージ
出演: シュリー、サンディープ・キシャン、レジナー・カサーンドラ、チャーリ
原題:Maanagaram
2017年/タミル語/137分/PG12相当
©Potential Studios

シネ・リーブル池袋「週末インド映画セレクション」作品紹介ページより
https://ttcg.jp/cinelibre_ikebukuro/movie/1072500.html

初めての作品、英語字幕、理解できるのか?という不安はあるものの、ロケーシュ監督作品だし、何より「狼と子羊の夜」のシュリさんが居るってのがなんとなく親近感わいてチケット取りました。顔の判る俳優さんが出ているのは、後押しになる……。

なお、題材が題材なので(?)ヒロインと主人公のダンスシーン的な盛り上げ要素は皆無ですが、テーマ曲みたいなのはありました。

ちなみに曲名の「Iravu Vettai」ってGoogle翻訳で訳したら、「夜の狩猟」だそうです。ほうほう。



ネタバレ含む初見感想

冒頭、シュリさん演じる主人公(上のあらすじで唯一名前があるけれど、本編みている時は名前認識できなかったので、以下シュリさんで通します)が就職活動のため上京してきて、とある企業の女性面接官と話しているところからスタート。
途中まで順調に答えているけれど、最後の質問の答えに行き詰った?何はなしているか英語字幕追えなかったので、これてっきり不合格になったのかと思ったけれど、その後に会社にいくシーンがあるので内定もらえたってことかな。その面接の後、友達と一緒に居酒屋みたいなところで飲む彼。

一方その同じ居酒屋では、もう一人仲間達と飲んでいる青年が。これがもう一人の主人公?名前わからないんで、サンディープ・キシャンさん演じているので、サンディープさんで以下通します。
彼は、先程のシュリさんが面接していた人事担当の女性(これも役名わからないので役者さんに紐づけて「レジーナ」さんとしておきます)に惚れてつきまとっている(ストーカーかよ)。無職だけど彼女の会社にしょっちゅう押しかけているらしく、その件で仲間に酒場で愚痴っている様子。そしてその会社の男性3人くらいから、彼女に近付くなら、彼女を襲ってやると脅され、彼らを殴りつけた……という回想シーン。
その殴りつけられたメンバーが彼に仕返ししたくて、同じ居酒屋の少し離れたところで彼らをちらちら見ている。

一方、同じその居酒屋にもう一人の中年男性が、待ち合わせしている相手の元へやってくる。どうやらタクシーの運転手業を始めるらしい。
その仕事について話している。
名前わからないんで、タクシー運転手のおじさんにしておきます。

この時点で、なんか物語に絡みそうな主要キャラ3人出てきました。

話はもどって仲間達と就職活動の結果を報告しあっている様子のシュリさん。どうやらお人好しの性格?で、仲間のかわりに酒代をはらってあげたり、財布をなくしたって声をかけてきた気の弱そう?な青年にうっかりお金を渡しそうになって、友達から止められたり。ちなみにこの財布を無くした人は嘘か本当か判らないけれど、止めた友人は「ああやって色んな奴からたかってんだよ」みたいなことで怒っていたから常習犯かもしれない。

そしてサンディープさんに報復を企んでいる面々は、先にその酒場を出てきて、外の車で待機しているギャングに「赤シャツの男が出てきたら狙って」と伝えて去っていく。
いや、依頼がざっくり過ぎるだろう。赤シャツをきた人間が世の中に何人いるんだよ。名前くらい調べてきなさいよ。
名前わからないなら、せめて顔写真とっておくとか。

案の定、ギャングが間違えて、たまたまサンディープさんとは違う柄の赤シャツきていたシュリさんを襲うの図。ほらほらほら。
しかも友達と一緒にいるなら良かったのに、一人になったもんだから、ぼっこぼこに殴られている。

ちなみに彼よりも先に店から出てきたタクシーのおじさんも赤シャツだったんだけど(そんな偶然過ぎるだろうが、赤シャツ率高いのかも)、ギャングが顔みて「おっさんだから違うやろ」ってスルーしたので、助かっている。

複数人によってたかって殴られているシュリさんを、遅れて店から出てきたサンディープさんが見つけるて、一瞬助けに入ろうとするんだけど、友人から「そんなの放っておけよ」って感じで促されて、結局助けずに去っていってしまう。

いや……狼と子羊の夜の時も巻き込まれ主人公だったけれど、シュリさんの今回の役どころも可哀想。
なお英語版Wikiで調べたら、デビュー作もそんなキャラだったらしく、「まじめで人を放っておけなくて、結果として自分が損な役回りになる」タイプの青年が多い印象。
あの容姿が、目が、幸薄い青年役にぴったりなのか?!

結局、鞄も財布も携帯電話も時計も全部奪われて、道路で気絶する彼。
ギャング達は財布の中の現金を抜き取った後、財布も時計もぽいぽい捨てて、鞄の中には学歴証明書?みたいな書類しかないのを見て、近くの車のたいまたま開いていた窓に投げ込んで去っていく……。

その鞄を投げ込まれた車、PKPのタクシー車両で、就職したばかりの先程のおじさんがたまたま担当に。車中で鞄を見つけて、警察署に届けてくれた。いい人!

一方、朝、路上で目覚めたシュリさん。なんとか電話を借りて友人に助けを求め、彼の服を借りてなんとか会社へ事情を説明にいくみたい。
友人がバスまで送ってくれたんだけど、そのバスにはサンディープさんがのっていて、例の面接官の彼女を襲うと脅してきたメンバーのうちの一人をバスの車内でしめあげているところ。事情を知らないシュリさんは、サンディープさんの仲間が彼に薬剤を渡そうとしているのを手伝う羽目になり、巻き込まれた形で警察に逮捕される。なお、サンディープさんとその仲間はぶじ逃走。
いやいや、不幸の連続すぎるでしょう。
結局、さきほどの友人がやってきて、事情を説明してくれたみたいだけど、警察は相手にしてくれない。怒ったシュリさんが反論したら、警察のお偉いさん(役職わからないけれど、多分警部とかそんな感じなので、仮に「警部」としておく)の心証を余計に悪くしてしまった。
(※追記:あとからウィキみたら警部であっていた様子)
それでも警察の中には良いお巡りさんもいるらしく、怒った警部の部下である巡査のおじさんが、シュリさんたちにチャイおごりながらたしなめている。そこへ、サンディープさんの友人で、バスの中で薬剤の瓶を渡していた人がたまたま通りかかって「あいつだ!」とその場で捕まえ、シュリさんは警察を後にして、面接した例の会社へ。
多分そうとう遅刻して、人事担当のレジーナさんが怒っているんだけど、説明が下手なのか、余計なことを言わない主義なのか、シュリさん全然事情を理解してもらえていない様子。
去っていこうとする彼に、レジーナが追いかけていって会社のロビーで口論に。
そこへサンディープさんがやってきて、ややこしい口論になるが、警備員?がやってきて、サンディープさんは強制退去。
それをみてレジーナが泣き出す。え、あなたあのストーカーが迷惑じゃなかったの?実は好きだったって話?
なんやかんやあって、シュリさんは、その日からその会社で働き始めた。

一方、そのシュリさんを昨晩おそったギャング……、三人組?は子供を誘拐して身代金をとろうという計画を立てる。
ギャングに依頼されて、学校に出向き、カールティという男の子を連れ出してくるように頼まれた男性(役名わからないので、以下「誘拐まきこまれおじさん」でいい?)。そしたら訪ねて行った教室にカールティという少年が何人もいて、フルネーム知らなかった彼は困ってしまう。するとそのうちの一人の少年が、「彼を知っている。自分のことだ」と言い出して、教室を抜けだして一緒にいくことに。しかし少年は学校を抜け出たかっただけの別人らしく、人違いだと判明。
それでも連れてきちゃったものは仕方ないので、親の名前を聞き出して身代金要求をするが、なんとその親がギャングのボスで、PKPの親分らしい。
ん?PKP?
そう、先程のタクシー会社。
この辺りから、ようやく、これは後半で繋がっていくんだなと理解。

人違いで少年をつれてきちゃったおじさん、少年にこっそり食事をあげながら、ギャングに酷い目に合わないよう色々ごまかしてくれている。
思ったよりも大物が連れてしまってビビるギャング達。それでも結局、少年の父親であるボスに電話が繋がり、身代金の受け渡しの話へ展開。
と思ったら、監禁されているはずの部屋から、少年がいつの間にか抜け出してしまって居ない!今更後に引けないギャング達。
一方、PKPのボスは手下たちを使って、息子をさらった犯人をつきとめようと躍起に。

一方、仕事を終えたシュリさん、そして色々あって同乗することになった人事のレジーナさん、二人が帰宅するために乗ったタクシーが、運転手初日でまだこの辺りの街の地理になれていないタクシー運転手のおじさん。そう、冒頭の酒場に居た赤シャツのおじさん。
あ、学歴証明書はいった鞄を拾って警察へ届けてくれたの、このタクシー運転手のおじさんなんだけどな!二人のことを知っているのは映画みている観客のみっていうもどかしさ。
そしてレジーナさんは家へ先に送り届けられ、次はシュリさんなんだけど、シュリさんは友人のところに転がり込んでいるので、自分ちじゃなくて住所がわからず(?)、友人に電話かけるんだけど、繋がらず。あきらめるシュリさん。道端の人にあれこれ道をききながら、タクシーは夜の街を走り回るんだけど、全然友人宅に帰れない。
本当だったらそこでおりて、他のタクシー拾うんだろうけれど、今日が初日のタクシー運転手デビューしたおじさんに同情したのか、つきあってあげるシュリさん。

誘拐犯であるギャングたち、実は冒頭のシュリさんを襲った時に彼から奪った携帯電話を回収していたらしく、誘拐の時の身代金の電話にそれを使ったみたい?で、その番号をたどっていったら、シュリさんの友人に行き着いて、彼がPKPの手下たちに誘拐犯と間違えられて締め上げられることに。
なんとか誤解だと説明したくて、シュリさんに折り返し連絡するけれど、今度はタクシーの中で大音量で音楽かけているから、ポケットから落ちた携帯電話の着信に気付かないシュリさん。友人、完全にとばっちり。

さて、タクシーを降りて無事家に戻ったレジーナさん。
「あいつがずっと待っていたよ」と言われて窓の外みると、サンディープさんが道路の向こうのバス停のベンチで、ずっと彼女の帰宅を待っている。
(ちなみに家の玄関がバス停側に向いていないので、彼は彼女の帰宅を目撃できていない。)

素直になれない自分を反省したのか、彼の元へいこうと家を出ると、すぐそばに止まっていたトラックから、少年が転げ落ちてくる。その少年こそ、誘拐犯から逃げてきた彼。
連絡先は?と聞くも、少年はなんだかふらふらして電話番号を呟く。レジーナさん、どうしようと迷うがさすがに家に少年を連れていけず、バス停に座っているサンディープさんに、少年を送ってあげてと託す。
一方、監禁場所から逃げた少年を探し回っていた誘拐犯の一人が、その様子を見つけ、少年を無理やり連れて行こうとするが、サンディープさんが殴って阻止。誘拐犯はたたきのめされ、サンディープさんは彼の父親に連絡を取ろうとするが、この時点で、何度も何度も身代金の電話で苛々していたボスは、サンディープさんの電話を(見知らぬ電話番号からの着信だから)信用せず、さっさと切ってしまう。
少年はいろいろあってサンディープさんとその友人に連れられて、バイクにのって移動。とりあえず少年は危険回避できたが、人質を失った誘拐犯のギャング達とまきこまれおじさんはどうなる?

少年をのせたバイク、検問にひっかかって足止めされ、サンディープさんは少年がもっている学生証を見せて、警察に彼を引き渡す。
しかし少年はなんとも言えない顔で、サンディープさんを見つめている。
そういやこの少年、全然さっきから喋らないな。疲弊しているのか。もう少し事情を説明すれば、この後もすんなりいけたのかもしれないのに?

とりあえず警察に預けられたので、少年の命は安全かなと思ったら、例の警部(シュリさんが逮捕された時にひと悶着あった警部)が、PKP側に電話連絡。
おや、警察とヤクザが癒着か?と思いきや、なんだかおかしなことに。
警部が電話連絡している間、警察車両に載せられた少年、すると後部座席に、なんと少年をつれだした例の巻き込まれおじさんが。どうしたおじさん、なんでそこにいる?誘拐犯の元から逃げ出したのか?

そしてよりによって、警部が、巻き込まれおじさんに指示して、誘拐劇をつづけろと言い始める。これは警察がギャングのボスをおびきだすということなのか、それともこの警部が身代金のお金を欲しいという悪徳警官なのか?英語字幕だとその辺りがよく判らない。

一方、サンディープさんに叩きのめされた誘拐犯の一人、なんとか仲間に連絡を入れ、せっかく見つけた少年にまた逃げられたことを伝える。
しかしもう身代金の受け渡し場所には、彼の親であるボスも到着してしまった。焦る誘拐犯の二名。もうやけになったのか、向こう側に見える白い車に向かって大声で叫び、さっさと金をよこせ?と交渉を始める。

一方、車に乗っていたボス、身代金の受け渡し場所へは時間通りに来たものの、警察からの電話を受け、実は少年が別のところにいると知り、急いで車をバックして去っていく。

誘拐犯2名は相変わらず叫んでいる。
ん?でも彼らが見ている白い車は全然動かない。
実はこれ、ボスがのった車ではなく、シュリさんがのっているタクシーがたまたま立ち往生して?止まっていただけ。
誘拐犯二人はそれに向かって勘違いして叫んでいた。
ボスがのっていた車は、彼らが目撃する前にもう走り去っていた。

向こうの車から出てきた二人が何やら叫んでいるなと気付いたシュリさんとタクシーのおじさん、車を降りて彼らに近付き、話をする。
誘拐犯たちも勘違いと気付き、彼らを見送ろうとするが、タクシーに印刷されたPKPの文字を見つけ、二人は激怒。
「お前ら仲間だろ」とシュリさん、運転手さんをぼこぼこに殴る。なんども誤解だと説明するが理解されず、シュリさんだけは開放?されるが、PKPタクシーの乗務員であるおじさんは酷い目に。
無関係ではあるものの、おじさんを見捨てるわけにはいかないと、シュリさんは自ら希望して運転手さんの代わりに殴られることを受け入れようとするが……、金属棒で殴られる直前、そのギャングが発した言葉に聞き覚えが!
そう、昨日の夜(であっているよね?)居酒屋出た直後に自分を襲ってきた男達と同じ科白、同じ声だと気付き、はっとして反撃。
自分を襲った相手が、この誘拐犯2名だと確信。
え、細身なのに意外と強い?なんとか誘拐犯に反撃し、彼らから奪われた携帯電話を取り返す。

一方、巻き込まれおじさんを使って、ボスを呼び出した警部。
誘拐犯に仕立てられたおじさん、警部からのリモート指示を受けながら恐々、いわれるままに身代金の受け渡しをやろうとする。
ボスも息子の命が第一なので、金の入ったバッグを投げて、早く子供を引き渡せと。すると警部が、「彼を撃て」とおじさんに指示。
いやいや素人に射撃は無理でしょ。
でも警部にも逆らえず、あわあわするおじさん。
そこへ友人と別れてバイクで通りかかったサンディープさん。(なんで遭遇するの)
さっき警察に引き渡したはずの少年が、知らない男に今度は捕まって、しかも今まさに現金受け渡しの瞬間に居合わせる。
さすがにこれは出来過ぎだろ、と思いつつも、どうなるのかハラハラ。
取り込み中なんでさっさと失せろ、とボスがもっていた銃で、サンディープさんを脅す。
途中、おじさんが警部の指示を受ける為につけていたイヤホンが外れて、警部の指示がおじさんに伝わらなくなり、とうとう隠れてボスを狙っていた警部もその場へ登場。
そして色々あって、少年は父であるボスの元へ戻れるが、ボスが警部に撃たれてしまう。
さらに身代金の入ったバッグを警部が奪う。
お前、お前、そっちが目的か?
巻き込まれおじさんも警部に狙われるけれど、監禁中におじさんによくしてもらっていた少年は、おじさんの危機だと察知して、ボスが落とした銃を拾い上げ、サンディープさんへ投げる。
そして巻き込まれおじさんを助ける為、サンディープさんは警部へ発砲するが射撃の腕があるわけじゃないので外す。でも最終的に足を撃って、警部は道路に倒れ込む。
そして撃たれたボスと少年を無事送り届けるよう、巻き込まれおじさんに指示するサンディープさん。見逃すよ、ってことだね。
車に乗せられたボス、手下へ連絡し、無事自分の息子を取り戻したと伝え、シュリさんの友人もおそらく解放されただろう。

さて、少年たちが無事去っていくまで銃で警部を見張っていたサンディープさん。
警部が事前に呼んでいた?彼の部下の巡査(シュリさんたちにチャイおごってくれた良いお巡りさん)がパトカーで到着。
状況に困惑しつつも、巡査は応援を呼ぶ。
そして警部にじっと銃口向けたままのサンディープさん。悪徳警部とはいえ、さすがに当事者じゃないのに(?)、しかも彼の部下である巡査の目の前でサンディープさんがトドメをさす必要はないよね、と思っていたら思いとどまってくれて、銃を巡査に預けて、一安心。
最終的に到着した警察にどう説明したのか判らないけれど、巡査がうまくごまかしてくれたのか?サンティ―プさん逮捕されることもなく、誘拐犯だと誤認逮捕されることもなくうまく収まったみたい。英語字幕だからよく判らないが。怪我して運ばれていった警部は、あの後どうなったんだろうか。


怪我だらけのタクシー運転手のおじさんを病院に連れていきたくて、シュリさんは道行く人に声をかけるが誰も止まってくれない。
ちなみに、シュリさん免許ないのか?あのタクシー、確かに誘拐犯たちに窓ガラスは壊されたけれど、運転席は無事だったような。
それともPKPと書かれたタクシーだと、また狙われると思って使わなかったのか。
とにかく、道行くバイクに声をかけても無視され途方にくれるシュリさん。
やがて向こうからきたバイクが一台止まってくれた。それに乗っていたのが、さきほどの現場からうまく離れて、その道を通りかかったサンディープさん。
この時点で、シュリさんにとってサンディープさんはバスの中で薬剤やりとりしていた青年だし、自分を採用した会社の人事担当者につきまとうストーカー野郎だから印象は悪いんで、彼の顔見た瞬間、シュリさんがうわ……って顔になるんだけど。サンディープさんにしてみても、自分のお目当ての女性と言い争いしていたシュリさんは印象よくないだろうし。
それでも血を流してぐったりして座り込んでいるタクシーのおじさんを見て、「ブラザー」って声をかけるサンディープさん。二人を乗せて走るバイク。無事、病院へ。

病院で少し落ち着いてから親(?)に連絡をしたら、自分が奪われた書類の入った鞄が誰かによって警察に届けられていたことを知らされ、喜ぶシュリさん。届けてくれた人の名前をきくが、誰か判らない。

一方、怪我の治療をうけたタクシー運転手さんの元へ、奥さんが到着。誰が助けてくれたの?ときくが、あんなにタクシーの中で散々話をしていたのに、相手の名前を聞いてなかったというおじさん。

病院の外で待っていたサンディープさんに、お礼をいうために近付くシュリさん。名前を名乗ろうとしたところで、後ろに止まった車から声をかけてくるガラの悪い男達。
サンディープさんに報復を狙っていた例のメンバーが、また新たなギャングに依頼をしたらしい。(そりゃ人違いだったから、サンディープさん無事だったもんね)
また例によって、ギャング達に「あの緑のシャツの男」とかろくでもない指示を出しているが、今度はギャングたちが「おいお前、名前は?」と近づいてくる。
振り返るサンディープさんとシュリさん。それぞれ自分が狙われていると思ったのか、そのギャング達をにらみ返しながら近づいていく……ところでエンドロール。

うわぁ、全てが繋がった後の爽快感が凄い。
ただそこに至るまでの、シュリさん演じる青年が、完全にとばっちり過ぎる。そしてその、そもそもの原因であるサンディープさんと、最終的になんか友情みたいなのが(事情を知らずに)生まれ始めているのがなんとも。皮肉というか。
あのタクシーのおじさん、初日からこんな酷い目にあっちゃって、それでもタクシー運転手を続けるのかな。家族のためにやっと得た仕事だろうし、やめられないか。
そういや、このおじさんがタクシー会社に初日出社した朝、車の鍵を受け取るところで、遠くから人が叩かれて叫んでいる音とか聞いているんだよね。この時点であぁこの会社ブラックだなって思ったんだけど、それは要するにヤクザが取り仕切っているやばい会社ってことで。このおじさんが、今後も無事で、ちゃんと稼げますように。

チェンナイの夜というタイトルの通り、これはおそらく冒頭のシーン当日の夜から、翌日の夜までのわずかな間に、チェンナイという都市の中で、通常だったら出会う確率も低かった人たちが、偶然によって物語に絡み、互いの事情を知ることなくうまくそれが絡み合って、解決するという話なんだと思います。
身代金の件とて、そんなに何日もかけて相手と連絡とりあうなんてリスクしかないので、少年をさらってきて数時間の間に進行した話なんだろうし。
シュリさんが暴行うけて身一つで路上に放り出されて、会社で働くシーンは1回しかなかったので、たった1日の出来事として受け止めてます。
そもそも数日たっていたら、暴漢の声や科白ももう忘れているかもしれないし、翌日に偶然再会したとすれば、確信がもてるかも。

この作品の主役、しいて言えば青年二人なんだろうけれど、タクシーの運転手のおじさんも、誘拐巻き込まれおじさんも、準主役みたいなものだから4人の群像劇って言った方が正解なのかな。
実際、インターミッションの文字が出た瞬間、四人の顔がスクリーンに四等分で写りましたからね。4つのそれぞれの物語が、休憩後の後半に収束していくんだって判り易い構図でした。

4つの物語が同時進行なので、場面が何度も転換するんですが、それぞれが個性あるキャラなので、見間違えたり、物語がまざったりもすることなく、混乱せずに楽しめました。冒頭の面接や酒場のシーンだけが、会話メインのシーンなのでちょっと置いてけぼりでしたが、理解できなくても問題ない程度でしたので。

おまけ

一通り感想をつらつら書いた後、原題で検索した英語版Wikiでせめて役名くらいは確認しようと思ったら、作品の項目はあるものの役名なくて、開設が役者名そのまんまでした。

もう少し頑張ってググって、海外の作品紹介ページを探せば、登場人物のキャラ名さがせるのかもしれませんが、自動翻訳した際に名前の読みがあうのかどうかも判らないので、そこまでの深追いはせずに今回は、あくまでも見たまんまの感想を大切にってことで。
物語の流れ、若干前後しているかもしれませんが、記憶を元に書いているので、本編の映像順じゃないかもしれません。そこはお察しを。

とか言っていたら、なんか制作スタジオ自ら5年前にこの映画をまるまる英語字幕でアップしているようです。うわぁ。

英語字幕ってことで、自動翻訳機能使えば、日本語でざっくり映画楽しめますよ。和訳がつくと、もしかしたら解釈が変わるかもしれないですが、今回は映画館で見た第一印象を大切にしておきたいです。
時間が出来たら、こちらの動画も見て、物語を味わいたいと思います。(当分時間に余裕がないので無理かも~)

ところでシュリさん、ウィキだと1987年11月30日生まれ。これを信用するなら、ミシュキン監督の「狼と子羊の夜」の2013年撮影当時は25歳くらい。なんか幼く見えるけれど。
で、今回の「チェンナイの夜」は2017年なので、30歳。狼~の頃よりはなんか大人な感じにみえるのは髭ちょっと生やしているってのもあるか。
狼~の時はあまりの目の大きさに、ちょっとびっくりしちゃったんだけど、色んなインド映画みてきて、お目目の大きい役者さんにも慣れてきたせいか、そうかそうかこの大きな瞳が、こういう役どころを引き寄せるのかもしれないって感じ始めましたね。
ここ最近はちょっと出演作がなかったようですが、2023年に1本出ているそうです。