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空き家の活用と資産価値

空き家と活用することで資産価値が上がる?


1.建物の価値は下がり続ける?

答えは、NOです。

建物の価値は基本、下がり続けます。

土地は、周辺環境やらなんやらで価格の上下はありますが、基本的には下がり続けるものではありません。

しかし、建物は築年数が加算されていき、経年劣化していくものなので、価値は下がっていくものなのです。

この考え方で、建物の評価額が安くなっていくわけなので、固定資産税の観点から言えば、建物の価値が下がっていくのは悪いことではないようにも見られがちです。

では、本当に経年で建物の価値は無くなるのでしょうか?
冒頭にも述べましたが、やはり、答えはNOです。

同じ間取りの同じ築年数の建物が何個かあったとして、すべてが同じ価値にはなり得ないんです。

使い方、メンテナンスの状況、自然環境など、様々な要素がからみあって、同じ状況のお家は一つもないからです。

固定資産税の評価額はあくまでも評価額で、建物の価値とイコールではないんです。


2.建物の価値とは

建物の価値とは、一概に決められるものではないということをまず、前提としてください。

価値とは、使いたい人がいて、初めて生まれるものです。
使いたい人がいない建物は、価値の無い建物なんです。

以前、ご相談があった件ですが、
昔はこじんまりした地方の温泉宿だった100坪もある、築50年の建物を、リフォームして自宅にしている方がいらっしゃいました。

そもそも100坪もの建物ですから固定資産税もかなりお支払いしているようでした。つまり、評価額もそれなりに高いということです。
さらに、リフォームにも結構お金を使っているらしく、本人はそれなりの価値のある建物だと思っているようでした。

この建物、価値があると思いますか?

現在では建物の大半は使用していないようで、大きな建物は修繕費もかさみますし、いっそ、売却して、その資金で小さな家を建てたいというご相談でした。

・・・・・

この方は、この建物をいくらで売って、いくらの新築を建てようと思っているのだろう?と心配になりました。

もちろん、本人に聞いたんですが、1500~2000万円で売れると思っているようでした。

おそらく、リフォームもそれなりにお金をかけているし、建物も大きいので、その分、価値が高いと考えていたようです。

そんな金額でいったい誰が買うと思っているのか、どういった目的で買うと思っているのか、少しセッションをさせていただきましたが、答えは、行政で使ってもらうとか、地域の子供たちのための施設にするとか、実現するならとても喜ばしい案がいくつか出てきました。

たしかに、そういう使い道で使うしか、大きすぎる建物は使い道がありません。老人施設でもいいでしょう。

しかし、建物をそのまま利用できる活用方法などあるわけはなく、かなりのリフォームが必要になることは、どんな活用方法になるとしても明らかです。劣化の状況によっては内部だけでなく、外部の修繕も必要になるでしょう。

中古の建物そのものが高額では、リフォーム代もプラスするとかなりの大きなプロジェクトになり、そんな大金を出せる行政なら新築しているでしょうし、個人や企業なら、なおさら慎重に物件選びをして価格をなるべく抑えるでしょう。

タダ同然でなければ、欲しい人はいないんじゃないかな・・・
と、空き家のお医者さんは率直に思いました。

つまり、この建物に価値はないと判断したわけですが、実際には、募集してみないと本当のところはわかりません。

ただ、明らかなのは、ご自宅を”価値がない”と言われて、納得できないお客様がそっと去っていったという事実のみです。


4.せめてお子さんが困らないようにと願います。

結局そのお客様はその後も住み続けていらっしゃいます。
きっと、このまま住み続けるのでしょう。
そして、高い固定資産税を払い続け、高い修繕費を払い続け、高い相続税で子に引き継ぐことになるでしょう。

相続したお子さんが、いまよりさらに古くなった建物はきっと売却もできず、100坪もの建物は莫大な解体費用を捻出して解体し、更地の固定資産税を払いつつづける未来が見えます。

今現在、そんな窮地に立たされているお子さまがたをたくさん知っています。

せめて、親御さんは、価値を保った状態でお子さんに引き継いてほしいと願います。

  • 古くて、大きくてメンテナンスもされていない

  • 古くて、大きくてメンテナンスされている

どちらが価値があると思いますか?
もちろん、メンテナンスされている方が、価値は高まります。

それか、大きすぎると自覚があるのであれば、減築をして、修繕費が抑えられる大きさにして、引き継ぐというのも有効な手段です。

手ごろな大きさで、こぎれいにメンテナンスされていれば、ここに住みたいと思ってくれる人がいるかもしれません。

ご近所に住んでいるかたで、家を建て替えるお金はないが自宅はもうリフォームする価値もないくらいボロボロ。そして、引っ越すにも同じ地域内で引っ越したいと考える方は、地方にいけばいくほど一定数いらっしゃるものです。

そういった、選択肢を残した状態でお子さんに引き継ぐことが出来れば、お子さんも、ご両親も安心ではないですか?

他にも方法はありますので、またの機会にご紹介しますね。
今日は時間がなくて、乱文かもしれません。
ご容赦ください!

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