協力者を探そう!
前回は、無料で公開されているデータを使って、所有者を調べるという方法をお話しました。
今回は、得られた情報をどのように活かすか、という観点で考えてみたいと思います。
これは、今後お伝えする有料で入手する情報ソースの活用の仕方にも関係してきますので、ご覧ください。
まずはお隣の人から
まず当たってみるのは、調べたい空き家のお隣に住んでいる方です。
もしかしたら、行方不明の所有者の連絡先や引っ越し先を知っているかも
しれません。
「そんな面倒くさいことしないで、先に登記簿でも取った方がいいんじゃないの?」と思われるかもしれません。
また、「いきなり訪ねて行って、『隣の人のことを教えてくれ』なんて聞いたら、逆に怪しまれるんじゃないの?」とも感じるかもしれません。
でも、ここが調査のミソなんです。
確かに、登記簿を取れば、所有者の氏名と住所は分かりますが、それって本当に正確な情報でしょうか?
もし正確なら、その物件が価値があればあるほど、不動産屋さんが調べてすでにアタックしているはずです。
なんせ登記簿は誰でも自由に取得できますので。
「ずっと放置されている空き家≒登記簿の情報が不正確な物件」
というのが、この10年、私たちが空き家探偵団として活動してきて得られた教訓です。
隣の方との関係が重要
「これが調査のミソ」とは、どういうことだと思いますか?
お隣の人は、その空き家がよっぽど新しいものでない限り、何らかの迷惑を被っています。
・庭の草木が繁茂して越境している
・害虫や動物の巣になっている
・(残置物などの影響等で)臭いがする
・屋根や壁の部材が落下する、飛来する、はたまた建物が倒壊する恐怖
・景観の悪化-自宅を売却する場合、マイナスイメージにつながる
他にも挙げればキリがありません。
この「迷惑」は、言い換えれば「損害」です。
つまり、お隣の人は、空き家所有者に対して「損害賠償請求権」を持つ方に該当する可能性が高いということです。
法律をかじったことがある方なら、ピンときたかもしれませんが、
もし損害賠償請求権が成立すれば、空き家所有者とお隣の方は利害関係者となり、単に家屋がお隣同士な関係だけ、というものではなくなります。
この関係になりますと、所有者調査についてできることが広がります。
どんなことができるようになるのか、といったことは、いずれご紹介したいと思います。
とりあえず、さらにどんな「協力者」がいるのかということについて、次回は書いてみたいと思います。