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ゆっくり落ちていくような詩

白いぼうし

このまま 溶けていく
まどろみに
あいづちを うつ
あなた
ときどき
手を添えて
くれてありがとう
あたしのはらっぱは
歌が降って
あかる日の朝は
白いぼうしがのこる
とどかない行き止まりに
あなたはつきあって
落ちつかない道を
ふわりふわり 増やしていく
あながち あなた
大人かもしれない
あまい袖口を吹き飛んで
あかるくとおく 光の筋が
あなたのほほを そっと
焼き落とした
赤い目をして
天の川の 河原にうずくまり
下を見送る
いつかまた
踊りなど誘ってください
そうして 生まれましょう
どうせ 同じ
祈りの根っこに引っかかる
白いぼうしの広いツバ
小さな影で
実は はぜる


月が 流れていく
うっすらと 色が滲む
あの花のあとの
さみしさが
ずっと底を埋めていく
小さな手を落としても
かんたんに 散っていく
夜には
飾りになれない星たちと
影だけの月が うかぶ


星の群れ

長い夢の様だった
あたたかさは あわく
届く声は 薄布の触れ方で
あまりにすべては たよりなく
それ以上に 世界という圧倒的な方向から
わたしは あんまりな在りようだっただろう
醒めるときは
どうか あなたの手で背を押して
覚めてしまった ひかりの中で
泡に成った願いを知った

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