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花と成り毒と成れ果て日々と成れ(川柳)

相変わらずの、習練作をおいて行こうと思います。

お題はあったりなかったり?
いや、ほぼなかったですね。


 ぽろぽろと降ってくるまでミモザだね

 ミモザの花ことばのどれがほしいの?

 ひとつずつ星のように降ってくる

 手の甲を撫でてばかりのときは過ぎ

 明日には消える星に手を振って

 手に掬う水もほんとに海なのか

 観音より奪った手手は空仰ぐ

 うつくしい言葉の器となりたくて

 ひろげてもひろげてもまだ逃げる花

 知らない手だった秋はお互いに

 句読点さえ恋をしているの

 卵割るあなたって双子だったのね

 待ちぼうけ一等星が肩に乗る

 はじめての蕾割るのは幼い手

 あなた孕んだ卵を割る角度

 青い心臓だった頃は卵に置いて

 ちいさな青だった頃ばかり母は

 花と成り毒と成れ果て日々と成れ

 青い心臓だった蕾の頃よ

 雫色あなたを裂いて哀しいと

 指先でうつしなやかな句読点

 私の胸貫きし春の月

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