![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/74797348/rectangle_large_type_2_7b184d0d653e2d78aecc7055a44a2dc7.png?width=800)
Photo by
tomekantyou1
細いものがかかわる詩
降りそそぐ
そっと降ってくる
向こう側はやさしく
白いものが目隠すように
淡いのに
ここにいなさいと
払いきれない分量で
包み込まれる
どこにいくのもいい
誰もかまったりしない
けれど 今は
ここにいなくてはいけない
しずかに しずかに
肩を
胸を
くびを
髪を
なだめられる
ここにいなさい
いつかはでていくものだから
いつまでもはいられないものだから
別れを惜しまなくていい
ここで 小さくまるまりなさい
この今にだけは
とどく線
好きになる瞬間はどこだったのか
細い線に区切られた
今は 遠い
この真ん中の画をのぞく
それは はじまりに違いなく
その目がとどめたのは
私の生き方 全方位で
どこまでも どこからでも
私の心は辿りついて
結局は このさいしょの画に
まいもどって 向かい合うことになる
目の端に 触れたとき
もうこの芽は 土を押しあげようとした
それすらも 辿る ひとつるであると
私は思う
好きが茂って揺れる
この草原に雨はやさしく乞われ
細い線を描いていく
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?