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「平等に光る」(詩)

首を括っても
あなたは救われない
手首を切り落としても
名を捨てて
野に倒れたとしても
その指先ひとつ

あなたにとって
名前すら等しく
唐突で 
あてのないものだったこと
わたしにとって
それはなだらかに肌になじみ
そして唯一だったこと

この命の炎ひとつで
あなたは救われない
もっともっと大きく光り
ただ純粋に
明日くらい平等に光り
それでやっと私は
あなたの爪先から上へと
見上げられる

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