見出し画像

『mimoza』を抱えての行脚(神戸の本屋さん巡りのような日記)

14日は、『mimoza』を作った三人で神戸、須磨の個人書店さんを回っての「よければ置いてください」の旅をしました。

まりさんに頼り切った私はお喋りに夢中になり、
最初から駅をふたつ行き過ぎて30分の遅刻からの集合になりましたが、
空は晴れて、風もそれほどきつくはなく、
私は朝一のタロットの一枚引きで『マジシャン』を引いていて、
ずんずんと進んでいけそうなはじまりの朝でした。

そしてさっそくの一件目。
『流泉書房』さん。

なんと最初でテンパっていて全然お店の写真を撮れていないという、、、

でも中の本が自分のよく行く書店とはまた全然違う選書がされていて、
「あ、これ文庫になってたんだ」「あ、これ好きだわ」「なんだこれ!」
と、すぐただ本を買う人になっていました。
ここが一件目、ということで三冊のお迎えにしました。
本当は二冊にしないといけないのでは、、、と思ったのですが、
『作家とけもの』のインパクトが凄すぎて。
買ってしまいました。古内さんの表紙とタイトルも最高です。
そして寺地さんの本はどこでも買えるだろうとも思ったのですが、
今であったことを大切に。
お店の邪魔にならないように、と横によっての『mimoza』と、めぐみさんの素敵な句集を置いてみてほしいというお願いは、
今zineなどの扱いはあまりないのですが、、、と言いつつも、一冊ずつお試しで置いてくださることに。
ありがとうございます!でした。
そして私は最後に自分の作品集をばらっと出し、
「mimozaに書いているものなのですが、小説と、詩と川柳も書いていまして、それを一冊にまとめているものを5パターン作ってきました!
よかったら一冊貰ってください!」
と差し出すと、びっくりしながらも一冊手にしてくださいました。
うれしい。
最初の一冊。
本当にありがとうございました。
ここで「え、、、」と言われていたら、そのあと渡せなくなっていたかもしれません笑
それくらい、緊張しました。
貴重な経験。

『流泉書房』さんで私の買った本たち。

そこから移動。
めぐみさんの案内でするすると進み、塩屋。

古い硝子を再利用した看板や、飾りを使った『舫書店』さんへ。
お店の前から素敵な硝子がたくさん。
そして入ると、台湾の工芸作家さんたちの作品が販売されている雑貨店?『習習』さんがあって、
(台湾の言葉でそよそよの意味に成る読み方なんだとか。全部好き)
そこに目を吸い寄せられながらも、
その奥の『舫書店』さんへ。

ここでもあれよあれよと三冊が私の手の中に。
めぐみさんとまりさんに
「どこに行ったのかと思ったら、もう三冊持ってる!」
と驚かれました笑
めぐみさんが買おうとしていたタイルの本、私も素敵だなぁと思っていたのですが、「これが好きならあれも好きだと思うよ」ともう一冊を教えて下さり、それが台湾のタイルの本で、それも最高に素敵だったのですが、
私の手の中にはすでに三冊が、、、
そこで唐突に「めぐみさん、じゃんけんしてください!」という私に。
困惑するめぐみさんを置いて、
「私が買ったら買います。めぐみさんが買ったら諦めます」
という私に「えっ?えっ!」と言いながらも、ジャンケンをしかける私にしっかりグーを出してくださっためぐみさん。
そして私はチョキ。
「うぅぅぅ」と言いながら本をかえす私に
「買ったらいいよ!!」
と言ってくださいましたが、
そんなことをしたら勝負の重みがなくなってしまうので、
「いいえ、勝負に私は負けたのです」とちょっと悲しみを背中に垂らして耐えました。

帰り路に出逢ったかわいい黒猫さん。
不思議鍵尻尾で、
幸運の猫さんに違いない、と心でお礼を言ってました。
口からはただただ猫さんに話かけてました笑

でも、その一冊を諦めたかなしみがあったので、
『mimoza』とめぐみさんの本を置いてくださいませんかというお願いのあと、私の冊子もお渡しできて、まりさんがお金のやりとりをしている間にめぐみさんとお隣のお店を見ていると、
ものすごく可愛いピアスが!!!!

古い硝子を再利用で手作りなのだとか。
ちょっといびつな丸と、
花なのか、雪の花なのかの元々の模様の硝子がすごく好きで、
今までで買ったアクセサリーでは二番目に高かったです。
でも全然値段以上に心に喜びをくれるピアスです!
次の場所までの間にその日に付けていたピアスを外してこっちを揺らしながら、るんるんで歩きました。このお店のお姉さんにも私の冊子を貰ってもらいました。ありがとうございます!

ちなみに、『舫書店』さんで買った本はこちら。
韓国文学の翻訳家さんのエッセイというのがはじめて買うジャンルだ、と思いつつ、最初のページで心を掴まれました。
『汗の果実』は好きな漫画家さんの帯が決めてでした。
森さんは好きなので本屋さんで出会っては買い集めています。

再びの移動。
今度は須磨です。

やって来たのは『自由港書店』さん。

店先から書店主さんのこういうお店にしたいなぁという心が感じられる素敵な入り口でした。

ドアに青と白のサンダルが下げられているのです。
ランプとドライフラワーと『welcome』の青い文字。
この青色が、
すとんと素直で。

中も、
いいバランスで本が置かれていて、
あ、この本よかったやつだ、あれもだ、これも最高だった、、、と私が言うのをめぐみさんがにこにこ聞いてくれて、
「これがすごく不思議で素敵な文章の世界を味わえ本なんです!」
と紹介した本をなんと購入してくださいまして。
やったー、と作者でもないですが喜びました笑
こちらでも三冊、泣く泣く手を離した本もありながら選んだ三冊を買いました。
店主さんがものすごくやさしい空気の方で、
森の木陰のくまさんのようなおおらかさで、
お話をしているとこちらもそのやさしさの色をすこし移してもらえるような気がしました。

レジ前の不思議な大きなランプ?
灯台の中の灯りみたいですよね
ちいさな道しるべのような明かりが好きです。
看板のデザインも素朴だけどこのお店に願うものが現われていて、素敵です。
『mimoza』を店頭に置いてくださいました!
本を買った時に入れてくれる袋まで素敵!
とめるテープも!!
めっちゃ丁寧に開けて、
また何かのコラージュに使わせてもらおうと思っています。
そして買ったのがこの三冊+ポストカード。

のもとしゅうへいさんはまだ学生さんの頃から執筆や、デザイン、そして流通までも自分でしていると店主さんに聞きまして、
世の中には色んなことができるひとがいるんだなぁ

この本は帯にあった「____そう言うの思ったことある?」という内容が私はドンピシャに「ある!」だったので
すぐに買うのを決定しました。
装丁も中も、文字の間もいい感じの本です。

『ここに素敵なものがある』は、私がめぐみさんに紹介した本の作者さんが書いた詩集で、それが後で分かって「おぉ!」となりました。
もう一冊のイラスト集のような、詩画集のような不思議で魅力的な本は、
一目惚れです。
何も考えずに、もう私の部屋に飾るイメージしてました。
『Letters』というこの本は、作者さんが7年前の自分の言葉に絵をつけたらどうなるんだろう、という出発点をもつ一冊です。
中も本当に時空の違うふたりの会話が聞こえてきそうなもので、
とっても素敵です。

この三冊を「ください!」と差し出すと、
店主さんに「いい選書ですね」というようなことを言ってもらえ、
うふふ、となりました。
もちろん私の冊子も一冊引いてもらい貰ってもらいました。
ありがとうございます。


そこからまた移動。
その途中にめぐみさんが導いてくださったのがこちらのブックカフェ。
めっちゃオシャレさまでした。
階段を上がって置かれたこの看板、月のように誘ってくれます。

『コリノズ』さん。意味を聞けばよかった、、、
帰り際に丁度お客さんが引いたので中をぱしゃり。

おいしいお茶と、スコーンやチーズタルトを頂きながら、
あれやこれやとお話は尽きず。
空間も素敵ですが、
店主の方もやさしくて、
ずーーーーっとしゃべってしまった私たちに
「カフェってお喋りする場所ですから」
と言ってくださり、
『mimoza』を置くのはできなかったのですが、
めぐみさんの句集のフリーペーパーと、
私の冊子は全種類一冊ずつ置いてこさせてもらいました。
本当にありがとうございます!


お喋りに花が咲きすぎて、
ちょっと時間が押してきてしまったのですが、
次に向かったのは駅をはさんで向こう側(なんてぼんやりとした案内、、、)の『花森書林』さんへ。

こっちだよ、と置かれた看板も可愛く、
目が悪い私より先に見つけていたお二人に
「絶対好きだよ」とにこにこ教えてもらい、
「好き!」と言って写真をとりました。

こちらはもともとめぐみさんの句集を取り扱ってくださっていた本屋さんだったので、納品にお供しつつ、『mimoza』もお願いしてみる、というかたちに。
OKを頂き、そしてやっぱりこちらでも冊子を引いてもらいました。
本当は置くまで見に行きたかったのですが、
本日最後のお店に急がなくてはいけない時間になっていたので、
こちらでは何も買えず、、、今度はじっくりお店を見て回りたいです。
ありがとうございました!


最後にやってきましたのは、
『古本屋 ワールドエンズ・ガーデン』さん。
外までひろがった本たち。

この中は、なんだか古い洋画の中で見て憧れた古本屋さんのような雰囲気があって、再びお願いのまえのお買い物に勤しんだ結果、
この本たちを発見しました。
一冊は絵本で、谷川俊太郎さんの訳です。そしてぱらりと読んで、
なんて悲しくて豊かで、それでも生きる切実さが漂う本なんだ、、、と。
澁澤さんの本ははじめて買いましたが、
箱が付いていて、中も美品。なのに800円!
これは買わねば!と腕の中に。
あとの2冊は、
ちいさな本は、ちいさないとおしい生き物とのエッセイを集めたものなのだとか。
このお店の店長さんは猫さんらしく(まりさん情報)、その名も『ぶんちゃん』。残念ながら最近はお店にいらっしゃっていないらしく、
それでも元気だそうです。
お名前は公募で決めたそうで、ひらがな『ぶんちゃん』なのだそうですが、
その漢字が『文』だといいなぁ、と思ったり。
こちらではすでにめぐみさんの句集が置かれていて、
『mimoza』も一緒に置いてくださることに。
もちろん私の冊子もお渡ししました!
受け取ってくださってありがとうございました!

もう一冊、長男が絶対喜ぶ鉄道唱歌の歌詞と、古い駅スタンプが網羅されているという古い本がありまして、それはお土産で買いました。
が、次男がいじけ泣きをはじめ、
「君にはにゃんこ大戦争の漫画買ってるじゃん!あれは700円だよ!
にいちゃんのは250円よ!」
と言うと、けろりと機嫌を直していました。
面倒で面白い子です。
そして思っていた5倍喜んだ長男は40番くらいまでを歌って(途中で私によって「もうやめて」と止められてしまったので、、、)から「母、ここの歌詞、カラオケで歌った時と違うよ!すごい!こうだったんだね!」
と興奮して話してくれました。
全部歌うと数十分かかる鉄道唱歌。
その歌詞を君全部覚えてるの?
と彼の好きの度合いをまた少し知りました。

とってもかわいいお店のカード。

そんなわけで、
私のつくった冊子はラスト一冊を残すのみに。

みなさん嫌な顔ひとつせず、
まさかの「これ無料でいいんですか?」なんて聞いてくださったり、
嬉しくなることばかりで、
すごくうれしいかったです。

ただここで書いていても届かなかったものが、
少しだけ外にも広げられたのかもしれない、と。

どのお店の方も、(本屋さん関係なく)
本当にやさしくて、あたたかで、本が好きなんだなぁと感じ、
きちんと受け取って下さいました。
自分たちの場所を作る人たちと言うのは、
こういうひとであってほしいな、とすごく思いました。
これからも、
何かしら関係が築いていけたらいいのに。
そう思います。

最初に引いたカードのように、
本当に想像に富んだ、
生きてることが楽しい一日でした。

まりさん、めぐみさん、いっしょに連れて行ってくださって本当にありがとうございます。
私が本を買うのを「気持ちいい買いかただ」と褒めたり楽しんだりしてくれたのも、なんだかうれしかったです。

そしてこの巡りの日常は明日へも続くのでした。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?