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はじめての姫路文学館、そして苺ジュース、駅前の個人書店さんたちとの出会い(mimoza行脚番外編)

昨日は、
何も予定のないまま「何か書こうかなー」なんて思いながらじろうさん(夫)との買い物の終り、
川柳作家の先輩であるまりさんからの
「文学館で木山捷平展の最終日です。ちょっと見損ねていた場所があって、
行こうと思うのですが、よければいっしょに行って、近くの個人書店さんにいきませんか?」
とのお誘いが!

それはいかねば、いかねば。
不勉強で木山捷平という作家さんをしらなかったのですが、
まりさんがそんなにいいといわれる方ならすごいのだろう、
と、
電車大好き長男を伴い、電車でまりさんと合流して姫路へ。

前の岡山駅で一日を過ごしていた長男なので、
(中一になって、しっかりするのかと思ったら、母に送ってもらった車を下りてそく「母、僕、カメラ以外の荷物忘れた」水筒、お菓子、財布たちの詰まったリュックサックを持たないまま、身軽に立ち尽くす長男がいました。
にこにこして「どうしよう」という長男に私の持ってきていた水筒を渡し、
チケット代とは別に千円を渡し、「他のホーム入るときや、お腹空いた時に使うんだよ」と言い残し、携帯だけはポケットで生き残っていた彼とは)姫路駅で別れました。

まずは姫路文学館へ。
そこまでの道々は広くて、
色んな国籍のひとたちがいて、
それだけでなんだか楽しいような気持ちになりながら、
30分ほど歩いて行きました。

ついてみるとびっくりの、美術的な建築で、
水が落ちてくる池のそばのスロープを歩き、
受付へ。
入館料をはらい、(イオンカードだと割引してくださいました)
新子先生(と、私が呼んでいいのかなぁといつもちょっと戸惑います。
あんたを教えたことはない!と言われそう。言わないだろうけれど)
の紹介の展示をみたり、
姫路に関係のある作家人たちのパネルのある場所には不思議な機械が置かれておりまして、
四角い白い箱で、上面に水面に揺蕩う言葉があります。
そこから水の音が響きながら、
その言葉をタッチするとそれに関係するようなそこにいらっしゃる作家さんたちの文章が出てきまして、
ずっと遊んでいられそうでした。

とても座り心地の良い座れる場所を後ろ髪が引かれながら、
通り過ぎ、
そして目玉の『木内捷平展』へ。

ここからはまりさんとも別れて、
30分後に集合ということで一人で観て回りました。

ずーっと、
ずーっと、
書くことに向き合うしかなかった人の一生。
そこに書かれた肉筆の原稿からは、
彼の角ばった腕が書く様子見えた。
書き直すあと。
書きたいというこころの一点。
書かれることの素朴なつよさとよわさ。
本当に見ごたえのある展示でした。
文学を志したけれど諦めてしまったという過去を持つからこそ、
けして息子に文学を志してほしくなかった父との確執は、
まるで反転する感情を激流のように送り合っているようで、
血のつながりの恐ろしい引力と、
そして執着や愛憎が感じられました。
父親は彼の手紙を焼いてしまったそうですが、
それもまた彼への愛の激しさを感じました。

その後、
場所を併設されている?
カフェへ。
切り盛りされているお二人がものすごく素敵なお二人で、
トーンと通る声の女性と、無口だけどすこし笑ってくれる男性と、
なんていいバランス。
と思いながら席へ。
注文をしたのはまりさん大絶賛の『苺ジュース』。

電車の中でもらったまりさんの川柳の収まった小さな作品集。
いつもこういうのが素敵だ。
一緒に写っているコースターは文学館にあるカフェで飲んだ絶品苺ジュースのコースター。
おいしい苺だけを口にいっぱいにできたような満足感。
最後の一滴まで飲み干したかった。
ことばは簡素にしても力を失うわけではないことを実証するような方に感じました。
この方の本を読みたい!


我らが新子先生の目録があって、あまりのカッコよさに買いました。
中も大充実です。

カフェでは、
まりさんと不思議なはじまりで出会ったご友人さんを紹介していただきまして、名刺の交換をさせていただきました。
そして詩集にいれようか考えている詩をいくつか「読んでみて下さい」とお渡ししてきました。
少しでも楽しんでもらえるといいなぁ、、、


さて、
そのあとはちょっとだけmimoza行脚へ。

ブックカフェされどさんに紹介してもらった『おひさまゆうびん舎』さんへ。
城と駅のあいだの大きな道をひょいと横へいくとある、
かわいい看板。

はい、写真忘れました、、、

ちょっと急な階段を上っていくと、
(どれくらい急かというのを見せたかった!!)
見るからにお日様のような店主さんがいらっしゃいました。
「よかったら荷物おいて、ゆっくりみてくださいね」
と声を掛けて下さったり。
中はもう、楽しい、楽しい!!
新刊から、古書まで、詩やら小説やら絵本、児童所、と並び、
ちょこちょこと木山捷平さんの詩が手書きで貼られているという遊びも。

私はどーーーーしても買いたい本があったのですが、
お金が足りなかったので、
「すみません、コンビニは近くにありますか!」
と聞き、自転車を貸そうとまでしてくださった店主さんとまりさんを残してのろのろ疾走。
最初に行ったコンビニでは私のお金をいれてるところを取り扱っていなくて、ネットで探すも分からず、「きーーーー」と周りをみると、
50mほどの距離に探していたコンビニが!
再びのろのろ疾走。
お金を下ろしてぜいぜい言いながら、
ゾンビのように最初の階段をのそりのそりと上がり、
お二人に心配されながら結局、
一回諦めた本と、ぱっと目に付いた本も一緒にレジへ。
日向理恵子先生のお知り合いの方だったので、
「児童書で書かれた文章で一番うつくしかったです」
と伝えました。
伝わるといいなぁ、、、
私の名刺ももらっていただき、
mimozaも三冊お買い上げくださり、
大変ありがたいことになりました。
また行きたいです。

新刊本二冊と、古本三冊。
目が飛び出るほどいい言葉が並んでいました。
お金を下ろしてきたことによって、
『美しい街』を手に出来ました。
ありがとう、コンビニさん。
この子は最初に本棚に連れて行っていたので、
写真に写し忘れていて、一冊抜きです笑
この表紙ですでにやられ、うらのあらすじで心は決まり、著者のお名前もうつくしくてレジに置いていました。


店主の方はお隣の店主の方ともお知り合いで(お隣なのでそりゃそうなのか、いや、良好な関係を築けてるのは、素晴らしいことだと思う)
しかも、店主の方が私が詩を学びに行っている『詩学舎』の先生である祥子先生とも仲良しということで、引き合わせて下さいました。

お仕事中なのに、本当にありがとうございます!!

そして次のお店は、
ブックカフェギャラリーQuiet Holidayのシェア古書店続・書肆風羅堂兼古書店さん(ちょっと私ではどこまでをお名前で書けばいいのか分からず、
ご本人様のFacebookの紹介文から引用させていただきました)。

もってけ泥棒!な風情で置かれている外の棚の本も面白そうなものが、、、

店主さんのご紹介で、
するりとジブリに出てきそうな店内へ!
(はい、入ってすぐ見つけた谷川俊太郎さんの棚に集中してしまい、
何一つ素敵な店内の写真はございません、、、絶対リベンジ!)
まりさんに借りて、絶対これは私も欲しい!!
となった谷川さんの「女の」があり、
しかも500円と来た日には。
実は、一度文芸会のメンバーさんから「あるからあげるよ」と言われていたのですが、この間の文芸会で、
「あれね、あげるって言っちゃったんだけど、見て見たら、奥さんへの誕生日の贈り物で買ったやつでね、ちょっと彼女への文章とか直に書いちゃってて。あげられなくなっちゃったんだ」ごめんね、といわれましたが、
そんな素敵な本絶対そばで大切にいさせてあげてください!
と話をしたところでした。
やっぱりネットか、、、
と思っていたその時です、という感じで私はその本を店主さんと話す前に抱えたのでした笑
その様子を笑顔で見守ってくださっているまりさん。

店主さんが
「奥にね、300円くらいまでの本、いいやつなんだけど、まとめてる段ボールがあるんだよ。見て行きな!」
と詩に興味があると知ると言ってくださって、
すぐに覗きに行くことに。
まりさんと顔を突き合わせて、とりあえず気になるものを手に取り勧めていただいたテーブルへ。
私は三冊(と、確定の一冊)まりさんも二冊くらいを手にして、
店主さんとお喋りしつつぐんぐん読んで行くと、
涙が出るような詩にであったり、
胸のするどい角度の隙間を貫くような短歌に出逢ったり、
結局、さっと手に取った三冊も買うことに。
(全部300円で、帰りの電車賃だけ残りました)
ほんっっっとに、知らない詩人さん、歌人さんはいっっっっっぱいいらっしゃって、何度感動に読むのが止まる本はあるんだ、、、、と自分の容量をすこしこえるような感動に包まれ、爪先立ちをしているという状態の幸せでした。

まりさんの買われた二冊のもすっっっごく素敵で、
「まりさん、貸しっこしましょうね」
とお願いをしてしまいました笑

そんなこんなのうちに、
こちらでもmimozaを5冊置いて頂けることに!
私は何の用意もなく行ったのですが、
今度来た時は冊子を置かせてくださるそうです。

なんて充実した一日だったのか、、、

駅で切符をもう買って、帰りのホームにいるよ、という長男とまさにそれに乗るよ!という電車の前で合流し、
そのまま乗車しました。

長男もいろいろ撮れたらしく、
お腹が空きすぎて(でも間食はしたんですよ。ただ12歳という男の子の胃袋だから)ちょっとテンションを落としつつ、
それでも帰りの車窓の風景でもすかさず撮っていました。
好きなんだなぁ。

まりさんとは電車でお別れし、
駅を出てからすぐのコンビニで私は飲み物を、長男はチキンを買って、
帰りの道すがらもぐもぐ、ごくごく。
長男はチキンを食べ終えるとにこにこしながら
「母、あのね、電車で走っているときにね、いい撮影スポットを見つけたよ!今度行って撮ってみようと思うよ!」
と話していました。
よかったね。

中学でも写真が好きな先生や、
友人がちらほら見つかっているらしく、
最初の一歩がんばれ、と見守っています。

そんなわけで、
夕暮れの天女の羽衣色の空と、
ぽろりと欠けた月を時々ふたりで見上げながら無事家まで帰り着いたのでした。


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