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好きな絵本を語る会に参加してきました_パート2


昨日は少し日差しが抑えめで、
やっぱり夏はもう終わりかけているんだなと感じてしまいました。

別に夏の終わりにさみしくなるタイプではないのですが、
好きなラジオDJさんの多くが夏が好きで、
「夏が終わっちゃう~!!」
と言われているのを聞きながら、
可愛らしいなぁとにこにこしてしまう時期です。

やっぱり野外フェスの時期だからなんでしょうか。
それともラジオDJさんはお祭り的なものを好む人がおおいのでしょうか。

私はお祭りもフェスも、
行ける距離でやってくれてたらたぶん参加しているんじゃないかな、
くらいの熱量の人間です。

人が多いと酔いますが、
最近は人が多い場所に紛れて過ごすというのもいいかもしれない、
と思ってきています。
(思っているだけで、実際には五分耐えられないかもしれませんが、、、)


行きつけになってまいりました、絵本カフェのくうねるんさんで、
毎月第一土曜日に開催されているイベントがあります。

読書会とか、
ブックトークとか、
本が好きな人が集まって、
本について話をするということはよくありますが、
この『絵本の語り合い会』というのは、
自分の好きな絵本を持ち寄り、
順番に読み上げ、
その後お茶を飲みながらそれぞれの絵本について話をする、
という絵本+読み聞かせ?がセットになったイベントです。

大人になると(私は子供のころにも経験があまりありませんでしたが)
絵本を他人に読んで聞かせてもらうという機会が少なくなります。

そんな絵本好きたちで集まって、
お互いに読み聞かせ合う、というのが一番の特徴かなと思います。

昨日の会で読まれた絵本はこちら。

店主のこっこさんは、絵本が好きで(本もお好きです)このカフェをはじめられたくらいなので、いろんな絵本をご存知です。
『ぜつぼうの濁点』は、
文字が擬人化されている世界で、
『ぜつぼう』の『せ』にくっついている『゛』が主の絶望に心を寄せ、
自分がいなければ主は『せつぼう』とまあいい感じの言葉になれるのに、、、と捨てられる決心をする、というところからお話ははじまります。
捨てられてはみたものの、
何かにくっついていなくてはやっていかれない『゛』は、
くっつかせてくれる平仮名を探します。
しかしみんな『ぜつぼう』にくっついていた『゛』と知ると冷たく断っていきます。
そこに現れたのが大きな『おせわ』の旦那で、彼はよいしょと『゛』を抱え上げて、、、
という、もとは短編だったものを絵本にされたらしいのですが、
ストーリーも、キャラクターも味があって、
とても面白かったです。
絵本は、雰囲気や、絵柄に魅了されることが多いのですが、
この絵本はお話の見事さにやられました。
そしてこっこさんの読みがすごくいい!!
張りのある声で、強弱や感情の入りもまるでプロなのです。
毎日読み語りしてほしい。
聞きに行きたい。
なんて思っています。

カイさんは
「“ごんぎつね”を借りようとしたら、もう借りられていてこっちになりました」
と前置きをして、『でんでんむしのかなしみ』を。
落ち着いた声で丁寧に読み上げるのが、このお話にとてもあっていて、
すとんとこのお話の力が内側に入るような気がしました。
新美南吉さんのお話は、やっぱりすごく好きです。
絵本の絵がまた良く、
かたつむりが自分のかなしみに気付く場面で複雑な模様が入り、
そこから様々な友人たちに会っていくのですが、
そのどれも違う模様を持っているのです。
友人たちを渡り歩く間に、
主人公のかたつむりの柄もかわっていきます。
絵の力で、より物語りがやさしく、力強く、うつくしくなっている絵本でした。

こぶたの三兄弟の絵本を持ってこられた方は、
「娘に昔読んだ絵本で一番好きだったものは?」
と聞かれ、その絵本を探し出して持ってきてくれていました。
娘さんは二十歳を超えているそうですが、
鮮明に絵本のことを覚えていらして、
絵本って記憶にけっこうの残っているという話にもつながりました。
やんちゃくれのこぶたの兄弟が、
おかあさんブタに怒られ過ぎて家出を決行するのですが、、、
というお話なのですが、
出てくる動物たちが可愛く、そしてそのお家がまた物凄く可愛らしいのです。
これは子供の頃だったら嘗め回すように見て、
自分だったらこんなふうにここで暮らす、とか、
こんな動物と暮らしたいとか、
色々考えただろうなぁと。

私が持っていったのは、厳密には絵本にいれていいのか分からないのですが、文章に絵が付いている、ということでまあいいかなと。
『天国の本屋』の絵を描かれていた方が、
谷川俊太郎さんの詩に絵を付けられた一冊で、
中学生の頃に出会い、それからずっと大好きな本です。
谷川さんの詩がいいのは言わずもがなですが、
絵もとてもいいのです。
繊細で、淡くて、しずかで、やさしい。
帯びには『世界で一番短い恋愛小説』とありますが、
恋愛小説なんて書かなくてもいいのに、、、と未だに思っています。
恋愛とか、友情とかの淡いというのか、
ただ好きという繋がりになった男女の一篇なのだと思っているのです。
この詩の
「早すぎたあなたの死すらわたしを生かす」
に、打ちのめされた瞬間の衝撃が今も鮮明にあります。

最後に読まれた方の絵本は、
どこか神様に語り掛けるような、
やさしい言葉のつらなりで、
仏様の顔をして、エンジェルの体をもった不思議な生き物がどのページにも描かれていました。
読まれた方の人生に寄り添ってきた絵本だそうで、
そういうふうに読まれた本は幸せだろうと思いました。


読み聞かせのあとはそれぞれに、
あの絵本のここがよかった、
これはこういう風に読める、
などなどを話していきました。

そこからふわっと子供の話になり、
子供が好きな電車の話や、
違う方の子供さんが好きな坂本真綾さんの話になり、
そこからアニメの話になり、漫画の話になり、
流れるように連なった会話は和やかに午後に広がっていきました。

会が終わったあとも、
相変わらずゆるゆる残ってしまった私は、
結局五時までお邪魔してしまいました笑

まさかのゲームの話で盛り上がり、
私の推しゲームを語らせてもらったり。



こっこさんが読みたいと言ってくださった
(私のnoteを読んで、興味が湧いたそう!うれしい)
森博嗣さんの『すべてがFになる』をこの間お貸ししたのですが、
それをもう読み終わり「面白かった!」といって頂きました。
森さんの文体は独特で(私は詩で書いた哲学書のようだな、と思っています)好き嫌いが分かれるらしい、と聞いていたので心配だったのですが、
よかったよかった。
しっかり続きを押し貸してきました笑

満足な気持ちで返ってきた本を本棚に戻そうとしたら、
なんと袋の中にまだ何かが、、、
出して見たらなんと可愛いしおりが。
ブックマークという方が正しいおしゃれなやつが。

あーーーー
ちゃんとお店で袋の中を見ていたらすぐお礼が言えたのに、、、
とがくっとなりましたが、
また近々おじゃましてお礼を言いたいと思います。
めっちゃ使います!

そんなサプライズが最後に飛び出した一日でした。

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