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詩、誌、氏

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詩だ、と言い切れない。でもたしかに私の書いたもの。 短くて、要領は得ない文章のかたまりなのだと思う。 でも書きたくなるから、こうして出してしまう。
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2024年1月の記事一覧

「生まれたあなた」(詩)

あなたはとても うつくしく 私の目を焼いたので この世界は平等に灰白色に 成りましたこと お…

とし総子
4か月前
7

「賛美」(詩)

よころびよ 咲いた花よ かなしみよ 萎んだ虹よ あこがれよ 暮れていく月夜 さよならをした…

とし総子
4か月前
10

「手」(詩)

すきで すきで すきで その手が全てに成っていた 澄んで 澄んで 澄んで 瞳は透明を通り過ぎて…

とし総子
4か月前
7

「夕焼け」(詩)

いっしょに暮れていきたい 夕暮れがあった 魂は昇って白い星に では 居残るしかない躯は 赤…

とし総子
4か月前
11

「部品」(詩)

匂いが最後まで残るって言うけれど 私の中に残ったあなたは 言葉ばかり 私が世界から切り取っ…

とし総子
4か月前
7

「書欲」(詩)

書くことは汚れない 私の手が どれほど汚れても 生きることは汚れること それはとても大らか…

とし総子
5か月前
9

「散ったのは」(詩)

散ったのは 言葉だったのか 私の勇敢だったか 早とちりに慰めて あなたはがっかりしなかっただろうか 足早な言葉の勘定に あなたは失望を堪えてはいなかったか 私は必死で そして小賢しかったから 元々あったかどうかの勇敢さだった それでも一粒も生まれなかったわけではなく 私は必死に 小賢しさで働いたんだ 散ったのは 無知の私 無暗な願いだったのか

「飛んでいきたいね」(詩)

死のうと 思った 声はするりと胸からはみ出し 私の舌を撫ぜた 軽すぎず そして重苦しくはな…

とし総子
5か月前
9

「恋」(詩)

ねぇ 今頃どこにいるっていうの? 私の 広い広い野原 歩き回る後ろ姿を見たのは まだ草の背…

とし総子
5か月前
8

「あなたの肌を描く」(詩)

あなたの肌を描く その声が 私の頬に どう響いたのか 光の反射だけを使って うつくしい色を…

とし総子
5か月前
9

「わたしの肌を織る」(詩)

花には成れなかった 黄金の鱗の魚にも 透けた羽を震わせる虫にも 私は成らなかった あなたは …

とし総子
5か月前
8

「灯火」(詩)

蝋燭の火がある 弱弱しい光だ 尽きぬ油などないというのに 芯に縋りいて燃える 風の心に揺れ…

とし総子
5か月前
6

「頷きは息をさせる」(詩)

許さないと決めたこと それは弱さだと詰られるけれど 私はそれをそのままお腹にいれたい 許す…

とし総子
5か月前
7

「燃える」(詩)

芯に怒りを持つことは 魂を発光させる