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余情

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小説。 あなたに一目会うために十年を繰り返すわたしのお話し。
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2022年5月の記事一覧

余情 28 〈小説〉

 リビングに通された私は、あなたの母親が勧めてくれたソファへと座った。  部屋は落ち着か…

とし総子
2年前
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余情 27 〈小説〉

 息が白く凍える毎日、分厚いタイツで足を包みながら、熱が薄くなっていく指先を何度もこすり…

とし総子
2年前
3

余情 26 〈小説〉

 冬という季節は、なんだか道幅がどんどんと狭められていくような感覚におちいる。この道の先…

とし総子
2年前
6

余情 25 〈小説〉

 あなたが亡くなった夏の終わりが近付くと、私の体調は少しずつ、けれどある瞬間にごっそりと…

とし総子
2年前
3

余情 24 〈小説〉

 冬が来て、春がまた来て、繋ぎ合った指先が溶け合うように夏が来た。  あなたがいない夏。 …

とし総子
2年前
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