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彼はもう、ボクの友達じゃないー14歳で反抗期を終えた息子とオカンの物語(10)

息子が3年生の時にクラスメイトになったMのお母さんは日本が好き。
そしてアフタースクールも一緒で趣味が合ったのか、急激に仲良くなった息子とM。4年生も同じクラスになって息子は毎日Mと会うのが楽しくて学校に通っていた。

そしてある日、担任のアレンから連絡が来た。

またか……今度は何をやったんだろう……

教室で暴れて(この時、Mは息子の気持ちを落ち着けようと親身になってくれていた。母親のわたしはMのお母さんに電話していた)、その後に、マイク、担任のアレン、スクールカウンセラーのアリスにわたしに息子、5人でどうやっていくのかを話し合って、少し落ち着いた後だというのに。

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息子の通っていた小学校は、一つのクラスに2学年の生徒が一緒になっている。

つまり、息子が4年生の時は5年生と一緒に。
5年生になった時は、4年生と一緒のクラス。
そして4/5年生クラスは2クラスある。

息子の学校は修学旅行はなかったけれど、3年生から毎年2泊3日、もしくは3泊4日で施設にキャンピングに行く。

4年生の時、息子は機嫌を悪くして行かなかった(これはわたしの機嫌も悪くした。だって一人っきりになれるすごいチャンスだったのだから!)。

そして、担任のアレンから電話が来たときは、ちょうど5年生が州外にある牧場にキャンピングに行っている時だった。

5年生がいないため、隣のクラスの4年生も一緒に授業を進めていた。
息子の学校は基本はプロジェクトをベースに、数学、地学、歴史などを学んでいくカリキュラムも組んでいたので2〜3人のクラスメイトと組んで、先生が提案したテーマを元に、生徒達で調べていく。

その時のテーマが何だったのかは忘れたけれど、息子はMくんと組んでプロジェクトを進めていた。

どうやら息子とMくんの意見が分かれたようで、それが息子にとっては納得がいかなったのか、Mくんがトイレに行くときもついていき、他のクラスに移動するときもついていき、とにかく金魚の糞よろしくずーーーーーーっとついていって、一息入れる時間すら与えなかったらしい。

「Mに個人の時間を与えないといけないんだよ。そう伝えたら息子くんが烈火のごとく怒ったから僕は怒ったんだ」

あ………
なんか、手に取るようにわかる、その状況。

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息子は昔っから「自分が正しい」と思っていることが相手に拒否されると、何がなんでも「いかに自分が正しいのか、いかにキミが間違っているのか」ということを、相手が「わかったよ、負けました!」と屈するまでまとわりつく傾向がある。

しつこいのだ、本当に。

だけどさ、自分と他人の意見が違うのは「当たり前」でしょ。と思うんだけれど、息子にとっては、自分の意見が受け入れられない=自己否定と思う傾向がある。

夕ご飯の時にアレンから聞いたことを伝えたら息子は一言

「Mはもう、ぼくの友達じゃない。明日からは口をきかない」

と言い切っていた。

やれやれ、またか……。
どうして自分の思い通りにならないと「友達じゃない」と全否定するんだろう。彼との間にある楽しい思い出まで全否定。

だけど、息子は一般人よりも繊細で傷つきやすい。
他の人からみたら「え? そんなこと? 別に否定していないよ?」と思うことでも、否定されていると思い、そして傷ついているのだ。

正直言って、面倒臭い。

大人でもそういう子どもへの対応が難しいんだから、子ども同士でのやりとりはもっと大変だろう。

それでも相手のMくんがまだ大人だったのか、息子と遊ぶことが楽しかったのか、その後も仲良くしてくれていた。

だけど、彼が5年生になるときに転校してしまったのをきっかけに、関係は終わってしまった。
少しの間、遊んだりしていたけれど、時間も合わなくなってきて……。

自然消滅とはよくある話だけど、彼のお母さんもシングルマザーだったし、日本のことも好きだったから、わたし個人も彼らの家に遊ぶに行くのが好きだったから、この関係が終わってしまったこと……が、少し残念だった。

もちろん、今だってMくんのママとはSNSで繋がっているから連絡することはできるけれど、ちょっと気後れしている自分がいる。

もしもMくんがあと1年学校に残っていてくれたら……?
もしかしたら少し違っていたのかな(わたしだってMくんのママに相談できたかな?)と思う今日この頃です。

2006年生まれのアメリカ人とのハーフの男の子のいるシングルマザーです。日々限界突破でNY生活中。息子の反抗期が終わって新しいことを息子と考えています。