見出し画像

サイン会で漫画家が殺された件 おぎぬまX殺人事件に行ってきた!(イベントレポ)

2021年6月19日、ギャグ漫画家のおぎぬまX先生主催の「おぎぬまX殺人事件」というイベントに参加してきた。

初単行本のサイン会の途中何者かに殺されてしまうおぎぬまX。
一体誰が殺したのか?そして犯人の目的とは?
というかなり変わった内容。

会場は新宿ハイジアV-1という小さな多目的ライブ会場。
普段はお笑いライブなどをやっているみたい。
実際参加してみるとおぎぬまX先生の初のコミック発売記念サイン会でもありトークショーでもあり、演劇でもありパフォーマンス?お笑いライブ?のようでもある不思議なイベントだった。

今回は1度きりのイベントということでネタバレOKみたいなのでどんな公演だったのか記事にまとめて見ました。

おぎぬまXと雉鳥ビューの関係

私はおぎぬまX先生がジャンプSQで連載している「謎尾解美の爆裂推理!!」のアシスタントをしている。

おぎぬまX先生は赤塚賞で29年ぶりに入選したことで話題になり「激レアさんを連れてきた」などのTVにも多数出演し話題になった異色の漫画家。

当時赤塚賞に入選した作品「だるまさんが転んだ時空伝」を読んで衝撃を受け、さらに激レアさんを観て漫画家らしからぬおぎぬま先生の人柄、経歴がどうしても気になりツイッターをフォロー。20年12月におぎぬま先生がツイッターで新連載のアシスタントを募集しているのを見つけて応募。という経緯で「解美」の2話目からアシとして参加している。

アシを始める前に一度お会いしたものの普段はリモートワークで少し電話で話すだけ。時勢柄なかなか直接会える機会もないのでイベントに参加することに決めた。

当日の会場の様子

開演前はマジのサイン会。(単行本が入場券代わりになっている。実質無料のイベントだと思うとすごい)
テンションが高くファン1人1人としっかり会話するおぎぬま先生。もちろん感染対策もバッチリ。会場は和やかムードで私も初めて実際に会うアシスタントの方々と挨拶したりおぎぬま先生からサインをいただいたりして過ごした。
会場には「岡崎に捧ぐ」の山本さほ先生など漫画家も多数参加していたみたいです。

サイン会後異変が・・・

サイン会後、会場の出入り口を閉めると読者の質問に答えるトークコーナーが始まる。その後芸人時代のネタを披露するという流れになり、舞台袖に引っ込むおぎぬま先生。

舞台が暗転するとおぎぬま先生の断末魔が会場に響き渡る。

照明が点くと胸に深々と剣が刺さり血だらけで絶命しているおぎぬま先生の姿が・・・!!

(手元にいい写真がなかったので山本さほ先生のTwitterより引用させていただきました)

会場が混乱する中、客席から今回の単行本の主人公謎尾解美ちゃんが現れ推理を始める。
・・・というもの。これだけでもう面白い笑

画像1

(リアルとくみちゃん役はマンモスJさん。長台詞も多いのにバッチリとくみちゃんになりきっていて完成度の高さに驚く。写真右は司会進行役のいとちゃんさん)

会場にいた何人かが容疑者として舞台に上がりとくみちゃんが話を聞いていく。
サイン会後のトークが伏線になっていたりと芸が細かい。
容疑者にはアシスタントが普通に出演していたしガチの担当編集も登場するなどファンなら見ているだけで面白い。

そしていくつかのヒントをとくみちゃんが見つけ出し犯人がわかったところで再び暗転。

スポットライトが当たると剣が刺さったまま話し始めるおぎぬま先生。
会場のお客さんが犯人が誰かを予想し当てた人には缶バッジをプレゼントするという今回の趣旨を改めて説明。

さらに普通の推理じゃ絶対解けないと思うから爆裂推理してください。でも絶対当たらないと思う。と会場のお客さんに宣戦布告する先生。

そしてまた照明がつき解美ちゃんの推理が始まる。。(そして再び死ぬ先生)

犯人はお前だ!!

解美ちゃんが指差した先にいたのは・・・


画像2


犯人はおぎぬまX!!


なんと犯人はおぎぬま先生本人だった!

いや意味わかんないよね。(山本先生、2回目の写真引用すいません。。)

混乱する容疑者たちの前でとくみちゃんが説明を続ける。
あらすじはこうだ。

おぎぬまXという才能の漏洩を恐れた集英社はおぎぬまXを殺し、脳だけを取り出し自らの管理下においた。
目の前の肉体は意志のない空っぽの依代にすぎない。

依代は集英社に持ち込みにきた漫画家志望者で無理やり整形手術でおぎぬまXの顔に変えられていた。今回殺されたのは4番目の依り代。(事前に手首に4という刺青が入っているというヒントがあった)

おぎぬまXは脳からの電気信号で依代を操り奴隷のように漫画を描かされていたのだった!

脳だけになったおぎぬまXは集英社の管理から離れると長くは生きられない。
それでも最後に外の世界を見たかった先生は・・・

集英社から逃れるため殺されたと見せかけファンからのプレゼントに偽装し脳だけの姿で宅急便を使い外の世界へ脱出しようとしたのだった。

以上が大まかなあらすじ。
つまり犯人はおぎぬまX、黒幕は集英社だった!というオチ。

画像3

(脳を持ついとちゃんさん、とくみちゃんが脳を持っている写真も撮ればよかった。。)

ちなみにいとちゃんがおぎぬま先生のガチの担当編集さんに
「どうなんですか!?集英社はそんなひどい事をする組織なんですか!?」
と聞いて

「集英社はそういうことをする組織です」
と答えたのは公演中一番ウケていた。


そして解美ちゃんがおぎぬま先生の脳を連れて外の世界の美しい自然を一緒に見ているシーンで物語は終わる。

暗転し「その後おぎぬまXの姿を見たものはいない・・・」というナレーション。
最後にエンドロールと共におぎぬま先生の子供の頃から成長していく様子がスライドショーで流れ切ない感じのまま終演。

確かに解美ちゃん以外推理しようのない超展開の爆裂トリック!


・・・だったのだが

まさかの5人正解!(すごい!)

どうやら「難しすぎて普通の推理じゃ解けない」など事前に吹っかけすぎて裏を読まれた模様。
流石にトリックを読めた人はいなかったみたいだがみなさん鋭い。。

閉演後もとにかく熱い!おぎぬま先生

ギャグ漫画家が普通にサイン会するなんてダメだ!と閉演後も熱いアフタートークをする先生。
実際行って見て思っていた以上の熱量のイベントで驚いた。

連載の原稿や100箇所以上の修正があった単行本作業、小説の執筆やその他4コマ執筆にTV出演etc...の仕事をこなしながらこのクオリティのイベントを周りを巻き込んで成功させてしまうおぎぬま先生。(そういえばデッサン教室にも通っているそうです。。)その底知れぬパワーの一端に触れた気がした。すごすぎる!

この周りを巻き込むパワーと実行力がおぎぬま先生の圧倒的魅力に繋がっているのだと思う。

普段アシスタントをしている時めっちゃくちゃ優しくてこちらに気を使ってくれる先生。ただ仕事には妥協がないというのはなんとなく感じていたけど、このおぎぬま先生の熱さは確かにここでしか感じられないものだった。

おぎぬま作品の魅力

おぎぬま先生の爆裂トリック、超展開もさることながらラストの解美ちゃんとのシーンがあることで物語としてのまとまりと深みが生まれていたように思った。

初めて読んだデビュー作だるまさんが転んだ時空伝もそうだったけれど一見荒唐無稽な超展開に笑った後に最後には感動の大作ストーリーにまとめてしまうシナリオ力、そして最後に感じる人間の切なさ哀しさ、これを表現できるのがおぎぬまX作品の魅力だと思う。

そういう意味では今回の作品は濃縮おぎぬまXという感じのファンにはたまらないイベントだったのではないだろうか。
また、やはりリアルイベントはリモートとは違う良さを感じられてとてもよかった。


閉場後少しおぎぬま先生とお話しさせていただいた時に
「あなたはこういう人間の元でアシスタントをしているんだということをわかってもらいたかった」

と胸に剣が刺さったままの先生に言われた。どういうこと?

「電話でお疲れ様ですとか言ってるのが私ではないということをわかってくれえ!」
と最後まで熱いおぎぬま先生。。
「雉鳥さんも単行本を発売したらこれをやるということですから!」
いや、すいません、それはちょっと。。。


そして最後に重要なお知らせ。ギリギリですが今夜(23:15~)の激レアさんにおぎぬまX先生が2度目の出演をするそうです。気になった方はぜひオンエアを観てください!!

(激レアさんって2回目出れるんですね。。あらゆる常識をぶち破るおぎぬまX先生すごすぎるんだよ。。)


この記事が参加している募集

読んでいただきありがとうございます!