元は、人間の行動なんてほとんど一緒だった。
規範というでっかい幹があったのに、数人の変態が独自のヘキを突然作り出し、多岐に枝分かれして行った。
私もそんな、突然変異の変態の末裔という結論に至った。つい先程。

家で1人の時、口に痰を含んでなるべく長く過ごすという癖がある。
2時間の映画を見たり、仕事をしたりする。基本的には不快感を感じている。
ずっと、口の中に痰がある状態は気持ち悪いと思ってる。
でも、不快感が気持ちいいになる瞬間が訪れるのではないかというところが良い。
私は悪くない。
何万年も続くホモサピエンスの歴史の中で、枝分かれしていった変態たちが悪い。
私はその末裔なだけ。

ある程度その状態に満足したら、今度は唇を窄めて出したり吸ったりを繰り返す。
さながら、カメレオンの舌のように。
垂れて地面に着くギリギリを攻める。
何が楽しいのかわからない。
でも、人生なんてそんなことの繰り返しであるから、痰ちゅるちゅるは仕事や遊び、生活となんら変わらない。
ギリギリを攻めると言っておきながら、痰がどこかにつくことでしか終われない。
結局勢い余って、パソコンのキーボードに痰がつく。
静かに拭き取る。そうなることを想定しているので、取り乱すことはない。

みんなも形は違えど、同じような癖を持っている。
でもそれは、今までの人間の歴史がそうさせているだけだから、「自分は異常だ」など思わなくていい。
君は正常だ。変じゃない。変態の末裔なだけ。
だから、変ぶるのはよそう。

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