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地域と共に、「やりたいことを実現できる」場所をつくりたい!一般社団法人ロンド 金子晃輝

今年5月、秋田県にかほ市象潟町に、旧上浜小学校を活用したインキュベーション施設「わくばにかほ」が誕生しました。

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<提供:金子さん ドローンによりにかほ市上浜地区を撮影>


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インキュベーション施設とは、起業者の支援を目的として、事務所スペースを安価で提供し、事業立ち上げに関するアドバイスを行う施設をいいます。

施設を運営しているのは、一般社団法人ロンド。今回は、代表理事の金子 晃輝(かねこ こうき)さんに、「わくばにかほ」や上浜地区への思いについて、お聞きしました。

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≪名前≫金子 晃輝(かねこ こうき)
≪年齢≫25歳
≪出身≫神奈川県大和市
≪経歴≫大学在学中に起業。2020年4月から株式会社ジェイアール東日本企画で秋田県にかほ市の廃校活用を担当し、地域課題の解決を目的としたビジネスプランコンテストを開催。2021年4月には、にかほ市にまちづくり法人として、一般社団法人ロンドを設立し、「わくばにかほ」を運営。

<地域の学校が生まれ変わった!>

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― 廃校となった小学校が、全く違う雰囲気に!「わくばにかほ」はどのような施設ですか?

「地域密着型」のインキュベーション施設です。地域におけるビジネスの創出や起業・創業活動等への支援を行っています。

― オープンスペースもあり、個室もあり、様々な使い方ができそうですね。実際、どのように利用されていますか?

個室のオフィススペースに入居している方もいますし、オープンスペースで、個々に仕事を進めながら、情報交換している方もいます。オープンスペースは、会議で使うこともできます。

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― どのような支援を行っているのですか?
 
昨年は、様々な分野で活躍する起業家を講師に招き、講演やパネルディスカッション、ワークショップなどを行いました。起業に向けて大きく前進した方もいて、非常に好評でした。催しを開催しているとき以外でも、いつでも相談に乗っていますので、気軽に立ち寄ってほしいですね。

ちなみに、「わくばにかほ」という名前には、
 ・エコシステムや人とのつながりの輪(わ)
 ・ワーク【work】(わく) = 仕事、勉強、研究 等
 ・起業・創業や新規事業のアイデアが湧く場(わくば)
 ・新しい仕事やにかほで何かを始めるきっかけとなる場(ば)
という意味が込められています。

― 金子さんはどうしてにかほ市に?

私、実はここに来るまでは東北を訪れたことがなかったんです。大学4年生のときに起業して、その後は東京を中心に地域活性化に関する活動をしていました。自分としての成長や、腕試しができることをしたいと考えていたときに、株式会社ジェイアール東日本企画とご縁があり、にかほ市のプロジェクトの話が面白そうだと思ったのがきっかけでした。結果的には、にかほ市にまちづくり法人をつくって、まちづくりや地域振興に関する活動を行っています。

― 初めての場所で起業して地域活性化…一大決心でしたね。ロンドのメンバーはどのようにして集まったのですか?

知人を通じて紹介してもらい、紹介してもらった方からさらに紹介してもらって、というような形でしたね。また、昨年行ったセミナーをきっかけに加わった方もいます。にかほ市出身で、Uターンで戻ってきた方もいますよ。それぞれが当時の仕事を辞めて、集まってくれました。

ロンドは、私を含め4人で活動していますが、動画編集や写真撮影、ネットワーク環境の整備、ウェブサイトの制作など、それぞれ得意とする分野が違っています。各自の持つスキルを生かして、仕事をしています。

― ロンドとして地域振興に関する活動をする上で、目指していることや大切にしていることを、教えてください。

私たちは、「地域を活性化させる地域プレイヤーを育て、発掘する」という考えの下で活動しています。メンバーそれぞれが地域プレイヤーとして仕事をしながら、「ロンド」という一つの生態系としてまちづくりを行い、単発で終わらず、長期にわたって、地域で自立自走できることを目指しています。

ちなみに、「ロンド」という名前ですが、フランス語で、「多くの踊り手が丸い輪をつくって踊る」という意味があります。様々な地域課題に立ち向かうためには、地域内で競合し合うのではなく、共存共栄することが大切だと考えています。にかほ市象潟町出身の木版画家、池田修三さんの作品にも、「ロンド」という女の子が手をつないで輪になっている作品があります。この作品のように、地域の方々と手を取り合って、地域振興活動に取り組んでいけたらと考えています。

<上浜地区と共に>

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― 「わくばにかほ」は「地域密着型」であることを掲げていますが、上浜地区の方々と出会ったきっかけは?

県の「コミュニティ生活圏形成事業」のワークショップに参加したことです。旧上浜小学校の利活用について、いずれは地域の皆さんに、詳しく説明する必要があると考えていました。どのタイミングで、誰に話せばいいのかと思い悩んでいたときに、にかほ市の職員の方から、ワークショップに来て説明してもらえないかという話がありました。非常にいい機会だと思い、参加することを決めました。

<コミュニティ生活圏とは>
地域住民が一体感を感じ、歴史的・文化的なまとまりや合意形成を図りやすいエリアのこと。内閣府の政策(「小さな拠点」の形成)を基に、県では、平成の大合併以前の旧小学校区や公民館区等で人口規模が300人から3,000人程度のエリアを想定している。県では市町村と協働し、にかほ市上浜地区などにおいて、「コミュニティ生活圏」の形成を支援する事業(コミュニティ生活圏形成事業)を実施し、様々な取り組みを行っている。

コミュニティ生活圏のイメージ

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小さな拠点について
出典:内閣府ホームページ「小さな拠点情報サイト」
https://www.cao.go.jp/regional_management/about/objective/index.html#obj02

― ワークショップ、ということは、上浜地区の方々がたくさん参加している場ですよね。

はい。私が参加したワークショップでは、自治会長さんはもちろん、いろいろな世代の方々が参加して、上浜地区の課題やその解決策、地域の将来像について、話し合いました。

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― 旧上浜小学校の利活用について説明したときに、地域住民の方々の反応はどうでしたか?

皆さん、私の話をよく聞いてくれて、率直に驚きました。積極的な方が多く、新しい取り組みにも興味を持ってくれました。ありがたいことに、この利活用事業を盛り上げて、応援したいと話してもらい、正直なところ、ホッとしました。皆さんの温かみを感じられて、とてもうれしかったです。

― その後、地域住民の方々とは、どのようなつながりがありますか?

「コミュニティ生活圏形成事業」には、引き続き参加しています。「わくばにかほ」の完成披露会には、上浜地区の自治会長さんが来てくれました。完成してからも、施設を見学したり、周辺の桜を見に来たりと、皆さん「わくばにかほ」を訪れてくれます。

上浜小学校は、地域の中心の一つであり、皆さんの心のよりどころなんだな、と強く感じています。だからこそ、来てくれた方には、この施設をどのように活用していきたいと考えているのか、できるだけ詳しく説明しています。

今、振り返ってみると、自分たちがやりたいことを、ワークショップで説明できたことが、すごく大きかったと思っています。きちんと説明して、皆さんの理解を得られたことで、「わくばにかほ」が地域密着型の施設として、地域の方々と共に成長できる…将来への期待が持てました。

<私たちが地域を元気にする>

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― 改めて「わくばにかほ」を見てみると、現代的なデザインでありながら、学校の面影も残っていますよね。

はい。整備する上では、インキュベーション施設として、様々なニーズに対応できるよう配慮しました。一方で、地域の方々を尊重する気持ちを忘れてはならないと思っていますので、あえて小学校らしさを残し、例えば、個室の扉は小学校の教室の扉をそのまま使ったり、ランドセル入れを残して荷物置きとしたり…。まだ2階、3階は整備していなくて、どのようにしようかと考えているところです。この施設を運営していくためには、改修は、最後まで全てやりきることが大切だと強く思っています。

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― 「わくばにかほ」は、インキュベーション施設としての面もあり、地域コミュニティの中心でもあり、いろいろな可能性を秘めているように感じます。今後、「わくばにかほ」ではどのようなことを目指していきたいですか?

ここで起業・創業した会社には、1社でも多く、10年、20年と長く続いていってもらいたいと思っています。「わくばにかほ」に来たら、良い方向に進める、と思ってもらえたらうれしいです。ここをきっかけに、職が生まれ、雇用が生まれ、にかほ市が働く場の最先端となってほしいと思っています。そのために、責任感を持って、この地域に密着した取り組みをしていきたいですね。

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それから、地域の方々にとってもっと身近な場所にしたいと思います。例えば、定年後の話を気軽に相談できたり、学生の勉強スペースであったり。特に高校生等の若い世代の方々は、ここに来て、視野を広げてほしいです。ここは、様々な特技を持った人が集まっている、面白い場所なので、「こんな人たちがいるんだ!こんな働き方もできるんだ!」と思ってもらえると、楽しくて人が集まってくるし、彼らの可能性が広がりますよね。

― なるほど。「わくばにかほ」から上浜地区、そしてにかほ市がどんどん盛り上がっていけばいいですね!金子さんは、この上浜地区をどうしたいと考えていますか?

人口減少を緩やかにしたいですね。そのためにも、「わくばにかほ」が移住のきっかけになってほしいです。この地区は、すぐ近くに日本海もあるし、鳥海山もある。サーフィンやモーターパラグライダーをやっている方もいますよ。ここに住んで、朝活やアフター5など仕事外の時間を有意義に使って、上浜地区だからできる生活スタイルを存分に楽しんでもらいたいです。

こういうことができる場所だって、皆さん知らないだけだと思うんです。上浜地区の地域資源や魅力をもっと知ってもらうために、私たちが率先してSNSなどを活用し、良いところをどんどん見せていきたいと思っています。

― 最後に、「わくばにかほ」を、上浜地区にとってどのような存在にしたいですか?

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地域を盛り上げるには、外から人や情報を呼び込む必要があると考えています。地域の内外を問わず、多くの人が交流できる、化学反応が起こる場所にしたいです。

私は、にかほ市にずっと住み続けたいと思っていますが、東京の最先端の情報は、常に取り入れたいと思っています。「究極の2拠点ワーカー」として、にかほ市と東京を活動の拠点とすることを目指し、この地域を活性化していきたいです。

何かしたい、やりたいと思っても進めないでいる方は多いと思います。その方々をすくい上げて、この地域の住民と交流して、皆さんで成長していきたいです。最終的には、「わくばにかほ、やばい!」と思われるほど、期待される存在にしたいと思っています。

まずは「ロンド」や「わくばにかほ」から始め、将来的には、にかほ市が一つの生態系として、生活もビジネスも全部その中でやっていけるように、「自立自走」できるようになることが理想だと考えています。

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【わくばにかほ】
《住所》秋田県にかほ市象潟町大砂川釜道1-1
《営業時間》平日10:00~18:00(祝日・お盆期間・年末年始を除く)
《連絡》メール:info@wakubanikaho.com
《HP》http://wakubanikaho.com/

【取材・文:あきたびじょんBreak取材班(広報広聴課)】

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