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肉まんじゃなくて“豚まん”です。秋田の新しいソウルフードを作りたい、豚まん専門店のお話

秋田市土崎港に、県内では珍しい、豚まんの専門店「福楼(ふくろう)」があります。

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大きく食べ応えのある豚まんは、完売も珍しくない好評ぶり。今回は、店長の相原幹生(あいはらみきお)さんに、豚まんのこだわりポイントや、人気商品が誕生するまでのお話を伺いました。

県産食材にこだわって

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最初に、福楼の豚まんを紹介します。特徴はなんといっても、県産食材へのこだわり。

あんは豚肉とタマネギのみとシンプルです。豚肉は、秋田市産のモモ、肩ロース、バラ、豚脂を独自の配合でブレンドし使用しています。

タマネギは大潟村産の「潟たまねぎ」。柔らかく甘みの強いタマネギは、シャキシャキした食感で、豚まん全体のちょうど良いアクセントに。

県産小麦「銀河のちから」を使用したもっちり生地が、地元醸造のしょうゆなどで味付けされたあんを包んでいます。

「豚肉は部位ごとに大きさを変えてカットし、食べたときの“肉々しい”食感を大事にしています。生地にもこだわっていて、年中“ふわもち”食感を味わえ、生地だけ食べてもおいしいように作っています」と店長の相原さん。

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買って食べてみると、まず生地のもちもち具合に驚きました。ぎっしり詰まったあんを食べ進めると、豚肉の肉汁とうまみがあふれ出し、シャキッとしたタマネギの食感も相まって、どんどん食欲がわいてきます。1つと言わず、いくらでも食べたくなる、そんな豚まんです。

秋田の新しいソウルフードに

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- 豚まん、とてもおいしかったです。どうして豚まん専門店を立ち上げようと思ったのですか。

きっかけは「潟たまねぎ」との出会いでした。大潟村のミネラル豊富な土壌で栽培される、柔らかく甘みの強いこのタマネギの魅力を、たくさんの人に知ってもらうにはどうしたらいいか。

いろいろ考えていたとき、関西出身の社員が「豚まんなんてどう?」とアイデアをくれたんです。それで、豚まんを作ってみることにしました。


- 関西では、豚まんは定番だと聞いたことがあります。

秋田だと、秋とか冬の食べ物ってイメージですよね。ところが関西の方に行くと、1年中食べられているとか。

そこで、地元の食材を使って、「秋田の新しいソウルフード」を作れないかと思ったんです。でも、私もスタッフも、これまで豚まんを作った経験がなくて。


- そうなんですか!商品にするまで、かなり大変だったと思いますが。

それはもう、相当苦労しましたね(笑)。試行錯誤を重ね、商品の試作からおよそ半年間かけて、オープンにこぎ着けました。

商品開発に当たっては、県の総合食品研究センターに相談しました。開発したい豚まんのイメージを伝え、基本的な作り方や、材料のカット方法、生地をもっちりさせるための発酵の仕方などについてアドバイスをもらっています。「銀河のちから」などの、県産食材の良さについても教えていただきました。

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出来たて、手作りを


- 店内をよく見ると壁に小窓があって、豚まんを作っている様子が見えます。

当店では、出来たてをお届けすることを大事にしています。この小窓は、お客さまに製造工程を見てもらい「出来たておいしそう!」と感じてもらうため、設けているんです。

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- 注文して、蒸し上がったばかりの豚まんが厨房から届くのを見ていると「出来たてを食べられる!」ってワクワクしちゃいます。

一番おいしい状態で商品をお届けしたいので、作り置きはほとんどしません。注文が集中すると、少しお待たせしてしまうこともありますが、今後も、良い商品にするための手間は惜しまず、手作りの豚まんにこだわっていきたいですね。


- 「出来たて手作り」にこだわるからこその、おいしさなんですね。

おかげさまで開店当初から、たくさんのお客さまに豚まんを味わってもらい、大変ありがたく感じています。

ただ、冬はほぼ毎日売り切れていたので、せっかくご来店いただいても、購入できないというお客さまもいて、そこは非常に申し訳ないな、と思っています。「5回目でようやく買えた!」という方もいらっしゃるくらいでした。


- 最後に、今後の目標を教えてください。

豚まんを「秋田の新しいソウルフード」として定着させたいです。1年を通して豚まんを楽しんでもらえるよう、新商品も開発しました。

暑い夏にぴったりの、冷たーい杏仁シェイクと旨辛豚まん・シュウマイは、6月5日に発売予定ですので、ぜひ期待してお待ちいただければと思います!

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【豚まん専門店 豚まんの福楼】
≪住所≫秋田県秋田市土崎港北2-12-19
≪営業時間≫11:00~18:00 ※売り切れ次第終了 定休日:毎週火曜日
≪連絡≫TEL:018-874-9296
≪インスタグラム≫https://www.instagram.com/butaman_fukuro2960/

【取材・文:あきたびじょんBreak取材班(広報広聴課)】