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流星になりたい

「将来の夢は?」と訊かれて困ったことがない。保育園に通っていた頃はファッション・デザイナーになりたかったし、小学生の時は翻訳家になりたかったし、中学生から大人になるまでは臨床心理士になりたかった。そのすべてになれなかったから今の私が在るわけだが、夢破れ続けた今の私にも、まだなりたいものがある。

店の仲良しの常連さんにやたらと男性アイドルに詳しいおじさんが居て、SixTONESがどうだ、SnowManがどうだ、キンプリがどうだ、という話を延々と聞かされているうち、メディアに彼らが出ているのを見ると(おっ)と思うようになってしまった。とはいえ彼らの顔と名前がきちんと一致しているのかと言われればそうでもなく、結局は「その程度」の興味関心であって、のめり込むことはなかった。

ただ、私が小学四年生の時にデビューした関ジャニ∞(SUPER EIGHT)の安田くんには恋をしていた。小学生の私はメロメロだった。MyojoやPotatoといった月刊誌を買っては友達とキャーキャー言い合って過ごしていた時期があった。それも中学生になる頃には穏やかに幕を閉じていったが、こんな風に、私にはアイドルにハマる素質があるのは確かなことだ(実際、2019年にモーニング娘。に出会ってからというもの、ハロー!プロジェクトにどハマりしている!)。

そんな一時期お世話になったSUPER EIGHTだが、そのメンバーのひとり、大倉くん(大倉くんにはANNサタデースペシャル『大倉くんと高橋くん』という番組を通して、本当に助けて貰った)が現在プロデュース業をしているのだということを知った。主に関西ジュニアの子達のプロデュースをしているようで、大倉くんプロデュースのもとデビューしたのがなにわ男子なのだという。

なにわ男子の話も勿論そのおじさんから聞いていた。大倉くんが関わったグループであること。関西系のアイドルにしては考えられないくらいキラキラしていること。道枝くんは中国で凄く人気があること。そういった話の一つひとつを(ふうん)というくらいに聞き流していたのだが、YouTubeで動画を延々と流しながらハロー!プロジェクトの曲を聴いている時にそれは起きた。なにわ男子との出会いである。

流れてきたのはなにわ男子のデビュー曲『初心LOVE』。あ、〇〇さんが言ってたなにわ男子、と思うだけ思って途中で「次の動画」ボタンを押そうとした時にその人は歌っていた。私はあんなに瞳がキラキラしている人に出会ったことがない、というかこの先も出会いそうにない。え、眩しい………。感動している、今私は感動している! と、結局動画を最後まで見てしまう。目で追ってしまうのだ。急いで『なにわ男子』と検索をかける。そしてその人の名が、大西流星ということを知る。

私は大西流星くんを推しているというよりは、憧れている。あぁなりたいと思っている。あんな風にキラキラを纏ってみたい。上手にメイクしてみたい。歌って踊ってみたい。あの声になってみたい。バラエティー番組で鋭い発言をしてみたい。可愛いと言われたい。可愛いと言われたい。可愛いと言われたい! 

憧れの対象や将来の夢・目標が見つかるというのは私にとってある種の心の支えなのだと思う。目的地が定まることで歩く方向やスピードが決まるから。そのわりには憧れていた何にもなれずに生きてきたから、どうせ大西流星くんにもなれないのだけれど(そりゃそうだ)、それで良いのだ。私は大西流星的な生き方を模索し続ける。それだけで良いのだ。

私に男性アイドルを布教してくれたあのおじさんに、心からありがとうを言いたい。いつどこでどんな出会いがあるか分からないですね。生きていくための指針をひとつ提示してくれてありがとうございます。今私は、光り輝く流星になりたいです。

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