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ごてんまりのウェディング・ブーケ

こんにちは。秋田県由利本荘市でごてんまりを作っています〈ゆりてまり〉です。

以前「ウェディング用のブーケを作って欲しい」というオーダーを受けました。
ウェディング用のまりは前から一度やりたいと思っていた分野です。
ぜひにと、お受けしました。

オーダーしてくださったのは、結婚の当事者ではなく、そのご家族の方です。
納期がなかなかタイトなオーダーだったので、早々にデザインを決めて取り組む必要がありました。
「どんなドレスなのですか」と聞いたところ「分からない」と言われました。
着る当人でないと分からない場合もあるのかもしれません。
ついでに「色も分からない」と言われました。
ちょっとこれには困りました。

果たしてどんなブーケを作ったらよいのか。
そこで発想を変えて、どんなウェディングドレスにでも合うデザインを考えることにしました。
ウェディングと言えば、なんと言っても「白」が基本です。
白いまりを中心に、薄紫とベージュのまり、プラスつまみ細工の花を束ねるデザインを考えました。


白だけだと、均一でのっぺりした印象になってしまうからです。
薄紫やベージュといった淡い中間色は、陰影をつけて白を引き立たせてくれます。
そして他の色とのつなぎにもなるので、白一色よりも「合わせやすく使いやすい」ブーケになるはずです。
つまみ細工の花は、最初まりと同色の布を使う予定でした。
しかしまりと合わせてみたところ、薄紫がやや暗い印象がしたので、薄紫の布を薄いピンクに変更しました。

そうして用意したのが、半球まり15個とつまみ細工の花13本です。
なかなかこの材料を揃えるのが大変でした。
まりは大きさの違うまりを3種類混ぜていて、一番大きいまりは一つ作るのに5時間かかります。
中くらいのは3時間、小さいので2時間程度です。
なめていたわけではないのですが、ウェディング用ってこんなに手間がかかるんだな‥と感じました。

最終案は、画像より濃い緑の造花を用いました

色にバリエーションを持たせた分、柄は〈菊〉と〈薔薇〉に統一しました。
お客様から「緑を入れて欲しい」とご希望があったので、さらに造花の緑を加えました。

この花もまりも、バラバラにして再利用することができます。
ウェディング・ブーケとしての役目を終えた後は、たとえば髪飾りやブローチにすることが可能です。
将来的にお子さんが生まれたとしたら、七五三用の髪飾りや袴飾りなどを作ることができます。
これだけ材料があれば、お揃いで親御さんのブローチも作ることができそうですね。
お客様にそうお伝えしたところ、大変喜んでくださいました。

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