4つの働き方
少し間を開けて、6回目の投稿です。
このくらいのペースがいいですね。
しっかりと継続していくことが大切なのかなと、今は思っているので。
働き方改革
最近よく聞く言葉に働き方改革というものがあります。
長時間労働による過労死問題から端を発したこの改革ですが、やや偏ったものになってしまっているのではと考えています。
長時間労働=悪いこと
この構図がすべての軸になってしまっていますよね。
上記の式のように、単純にA=Bのようなものを、すべての場合に適応してしまうと、必ずどこかにほころびが出てきます。
社会の中で問題として残っているものは、そんな単純な構造にはなっていないです。
そんな単純なことで解決できるようなものならば、とっくに解決されています。
例えば、長く働くことが単純に好きな人。
長く働くことを自分の価値として、今までの仕事をマネジメントしてきた人。
このような人は、労働時間を減らされてしまうことで、何かしらの不利益を被る可能性があります。
まずは世界最低レベルと言われる労働生産性を向上させることを、国として本気で考えたらどうかなと思います。
医師の場合は…
しかも、これだけ労働時間を減らすように進めているのに、医師の残業時間の上限は年1860時間になりました。
過労死ラインの2倍ですけど…?
まあ、医師は特に長く働くことが好きな方もいるので、それでいい人はいいんですけどね。
でも、そうではない多くの医師に対しても、長時間労働を強いるようなプレッシャーになりかねない。というかなるでしょう。
いつも思うことですが、現場の人に任せる、何かを決めさせるような仕組みというものは、たいていうまくいきません。
そこには、人の感情が働いてしまうからです。
さらに言えば、日本人はインセンティブの設計が下手です。
ここで言うインセンティブというのは金銭的なインセンティブのことだけではありません。
具体例として、
救急車の不正利用が増えている現状に対して、医師が中等症以上と記載した場合は無料、軽症とした場合は有料とする、というようなことが議論されていますが、これが問題を引き起こすことは明白です。
有料にされた患者さんから逆恨みを買うこともあるでしょうし、仲のいい患者さんに頼まれたら、無料にしてしまうなどということも起こるでしょう。
誰が判断しても明確に分けることのできる仕組みを作るか、まったくの第三者に判断をさせるかなどの方法が考えられますが、専門性の高い医学的な判断になると、適切な第三者を一定数以上確保することは難しいでしょうし、現実的には難しそうですね。
4つの働き方
ちょっと前置きが長くなってしまいました。
タイトルの4つの働き方からはだいぶ離れてしまいましたので戻しましょう。
僕はよく、働き方や、副業、投資、ざっくりとしたお金の相談などに乗ることがあります。
特に、最近の働き方改革、副業解禁の影響もあり、最近は多くなっているような気がします。
その時に言われることですが、
「何かオススメの投資法はないですか?」
「自分でもできるような副業があれば、それで月に数万でも稼げればと思っているのですが。」
このような感じのことが多いです。
ふわっと解決策を簡単に教えて欲しいと言われているように聞こえます。
何事にも、まずは目的があり、向き不向きもあります。
この時に、まず紹介するのが、この4つの働き方です。
知っている人はタイトルを見たときに、気づいたと思いますが、
これは「金持ち父さん」シリーズで有名な、ロバート・キヨサキ氏の著書の中で紹介されている、キャッシュフロー・クワドラントのことです。
僕が読んだのは、もうだいぶ昔のことですが、今でもこの考え方は非常に重要だと思っていますし、人に話すこともよくあります。
キャッシュフロー・クワドラント
まず、この言葉の意味ですが、
キャッシュフローは、お金の流れ
クワドラントは、4等分という意味です。
わかりやすいように働き方と表現しましたが、実際にはお金の流れについての分類になります。
その4つの分類はこちら。
E:Employee(従業員)
S:Self Employed(自営業者)
B:Business Owner(ビジネスオーナー)
I:Investor(投資家)
これを図にすると、このようになります。
どんな人も、この中のどれか、もしくは複数に属してお金を得ています。
少し具体例を示します。
一般的な会社員、サラリーマンはE(従業員)になります。
ちなみに、勤務医(病院に勤めている医師)もこのE(従業員)になります。
八百屋さん、魚屋さんのように、個人事業主でありながら、主として自ら働いている人はS(自営業者)になります。
ちなみに、医師は自分一人だけでやっている開業医も、このS(自営業者)になります。
大きな会社の社長や、フランチャイズのオーナーなどはB(ビジネスオーナー)になります。
ちなみに、大きな病院のオーナー院長であり、自分以外にも多くの医師を雇っている場合も、このB(ビジネスオーナー)になります。
自分の資産を有望な会社や、ファンドなどに投資している人はI(投資家)になります。
ちなみに、医師であっても、このような投資を行っている人はI(投資家)になります。
なんとなく理解はできたでしょうか。
そして、わざとらしく、どの分類でも医師を出したので気づいたかもしれませんが、その職業の種類と、クワドラントには何の関係もありません。
開業医であり、週に1日知り合いの病院で働き、事業投資もしている人がいたとしたら、
その人は、E、S、Iの3つのクワドラントに属しているということになります。
これは、3つのクワドラントからの収入、お金の流れがあるということです。
また、このクワドラントには、それぞれ特徴があります。
E:Employee(従業員)
このクワドラントに属している人は、会社などの組織からお金をお給料という形でもらっています。
自分の時間を使って、その対価としてお金をもらっています。
言い換えると、会社はお金を支払って、あなたの時間を買っています。
このことからもわかるかもしれませんが、このクワドラントでは稼げる金額に上限が存在します。
時給 × 24時間 × 365日
まったく休まずに働いたとしても(そんなことは不可能ですが…)、この金額を超える年収を稼ぐことは不可能です。
最近多少考慮されることはありますが、日本では成果報酬、インセンティブの比率が低いので、概ねこのようになります。
S:Self Employed(自営業者)
このクワドラントに属している人は、自分で自分を雇用しているような状態です。
これは個人事業主であっても、法人化していても、本質的には同じです。
このクワドラントの特徴は、
自分が働かなければ、稼ぎはゼロになる。ということです。
そのための保険商品なども保険各社が揃えています。
万が一働けなくなったときに。みたいなCMを見た記憶がある方もいるでしょう。
B:Business Owner(ビジネスオーナー)
このクワドラントに属している人は、自分でビジネスを立ち上げ、人を雇用して働いてもらっています。
人を雇うことによってレバレッジを効かせることができるということが、このクワドラントの特徴です。
レバレッジと言われてもわからない人もいると思いますので、具体的な数字を入れて説明します。
自分一人で働くのでは得られる価値に限りがありますが、例えば100人の人を雇って働いてもらっているとしましょう。
一人が生み出せる価値を1とすると、100人いれば100の価値を生み出せます。
みんなにお給料としてトータル50を支払ったとします。
そうすると、手元に残る価値は50ということになり、一人で働いた場合の1の50倍の価値を得ることができます。
これが、レバレッジが効いている状態です。
雇う人間が1000人、10000人になれば、さらに大きな利益を得ることができる可能性もあります。
もちろん、実際のビジネスはこんなに単純な話ではありませんが…
この説明でもわかると思いますが、このクワドラントでは稼げる金額に上限はありません。
I:Investor(投資家)
このクワドラントに属している人は、自分のお金を会社やファンドなどに投資しています。
これは、その会社やファンドが得た利益のいくらかを得る権利を持っている状態になり、そこからお金をもらうことができます。
これが、ロバート・キヨサキの言うところの、お金に働いてもらう、お金に稼がせる、という状態です。
ここで勘違いしている方が多いのですが、自分で証券会社の口座を開いて、そこで株式の売買をすることは、このクワドラントの意味する投資ではありません。
自らの時間を使い、労力をかけて投資という作業をしているということは、自営業者に近い状態です。
デイトレーダーをイメージするとわかりやすいかもしれません。
一日中、何台ものPCに向かって、朝から晩までトレードを繰り返し、リアルタイムで様々な情報を収集するデイトレーダーは、自分がトレードをやめてしまえば、稼ぎはゼロになります。
ほったらかしの投資が、ここでいう投資だと思ってもらえば大丈夫です。
左右の違い
このキャッシュフロー・クワドラントの考え方の中で重要なものが、左右のクワドラントには大きな違いがあるということです。
・左側(従業員、自営業者)は自分が働く
・右側(ビジネスオーナー、投資家)は自分以外(の人やお金)が働く
これがこのキャッシュフロー・クワドラントで最も重要なポイントです。
左側で得る収入を、労働収入
右側で得る収入を、権利収入
と呼んだりもします。
もうおわかりだと思いますが、時間的に、金銭的に、余裕を持ちやすいのは、当然右側のクワドラントということになります。
そして、日本人の多くは左側のクワドラントに属しています。
ここでよく言われることが、左側から右側に移りましょう。というものです。
ブログなどによっては、この案件に投資することで、僕は不労所得を得て、悠々自適な生活を送っています。
など、投資案件へ誘導するものもありますので、気をつけましょう。
確かに、右側に移ることは、目指すべき方向ではあると思いますが、単純に右側へ移ることを目指すというのは、僕は少し違うと思っていますし、相談に来られる方にはそう説明しています。
だいぶ長くなってきたので、それについては、また後日書きたいと思います。
長文読んでいただき、ありがとうございました。
後日書いた、このnoteの続きです。よろしければご一読お願いします。(2020/02/26 追記)
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