見出し画像

愛機の追悼写真集 - minolta SRT101 -

或る日突然、シャッターボタンが戻ってこなくなってしまった愛機、minolta SRT101。
今日はその追悼の意味を込めて、このカメラで取った直近の1ロールから、写真を紹介します。
フィルムは全てFujifilm C200という逆輸入フィルム。現像はチャンプカメラさんで。

私とこのカメラの出会いは、1年前の夏、銀座のレモン社さんででした。
Olympus Trip35やOlympus DC等のコンパクトカメラにしようと思っていたはずが、このカメラの「顔」が、私に語りかけているようでした。

今でこそ相場より少し高いとわかるようになりましたが、当時相場感の一切なかった私はレザーのケースやストラップつきで13000円という値段にさして疑問も持たず、レジに直行。
こうして、私は人生で初めて、写ルンです以外のフィルムカメラを手にしたのでした。

以下の写真たちは、直近の1ロールの中でも写したものに思い入れがある写真ばかり。カメラに関係ない話も含みますが、気に入らない方は読み飛ばしていただきつつ、お付き合いいただけたら嬉しいです。

画像1

コンラッド東京でのアフタヌーンティー。テーマは「英国王室主催のホースレース」。ロンドンのコンラッドでもアフタヌーンティーをしましたが、日本のコンラッドのデザインの凝り方は素晴らしい。毎度テーマに沿った美しいケーキ(個人的には「お菓子」と言いたい)の数々を提供してくれます。
ロンドンのアフタヌーンティーに軍配が上がるのは、セイボリーの質と、全体的な量。
イギリスのアフタヌーンティーはまずサンドイッチから始まるのが通例ですが、中でもローストビーフサンドがとにかく絶品だった覚えがあります。

画像2

ROKKORレンズをつけているので緑の描写は言わずもがなですが、特にこのC200フィルムを装填した時の、陽に当たった緑の描写が大好き。
梅雨の時期はなかなか晴れ間が来ずこの大好きな色味を堪能できませんでしたが、晴れたらどんな場所にでもこの重たいカメラを持って出かけていました。

画像3

陽に当たった緑繋がりでもう1枚。家の庭の緑がキラキラしていて、これは写真におさめざるを得まい、と持ってきたFarina Hausの香水は、ドイツはケルンで買ったナポレオン愛用のもの。
「オーデコロン」という言葉の由来ともなったドイツのケルンは昔から香水で有名で、このFarina Hausと4711がその歴史の古さを争っています。
この香水は、オードパルファンなので香りは長く保たないし、柑橘系の良い香りで苦手な人は多くないような気がして、汗をかきやすい夏の会議前等につけています。仕事の場合は相手の香りが気になっても移動できないので極力つけたくないのですが、夏はやはり気になる方もいるかなと。

画像4

このカメラ、買った時についてきたレンズが50mm f1.4と明るいレンズだったので、雨の日×夕方×屋内の3重苦のこの写真も、綺麗に撮れました。
広げてある本は、スタンダールの『赤と黒』。各章の冒頭に様々な引用があって、感銘を受けた章のページを開いているはずなのですが、現像してみたら読めるほどの解像度にはならなかったというオチ。

画像5

先ほどの紫陽花もこの写真の紫陽花が咲いている場所から頂いてきたもの。
ある主婦の方が様々な場所から紫陽花を頂いては挿し木をしていた土手が工事されることになり、「楽しんでもらえる方にぜひ持って行っていただきたい」とお話されているのが新聞に載っており、母と二人で頂きに。
紫陽花は水を多く必要とする花で、基本的に切り花には向かないのですが、この日は雨が降っていたので元気なまま持ち帰ることができました。
写真の紫陽花は、縁がまるまっているのと、赤紫の色が珍しいなと思って撮ったもの。ちゃんとついているといいな。

画像6

画像7

ふと空を見上げたら夕焼けが美しく、急いでその日の仕事を切り上げて散歩に繰り出した日。途中、飛行機が見えたのでもう一枚。
実は幸いなことに3月下旬から一度も出社せず毎日リモートワークなので、日々の散歩が運動の全て。
晴れた日の夕方、出かける理由としてカメラという趣味があることは、とても幸福なことなのかもしれません。

画像8

元気に上を向いて咲く紫陽花。
「こんな時代になってしまいましたが」という枕詞を様々な場所で聞く昨今ですが、雨の日でも、風の日でも、上を向いて進んでいける、穏やかでポジティブな人間でありたいものです。

minolta SRT101の追悼にお付き合い頂きまして、ありがとうございました。
次のカメラのおすすめがあったら、ぜひ教えてください。

いただいたサポートは、趣味の諸々をより充実させるために使わせていただきます。