ミュージカル『アナスタシア』観劇(3/20ソワレ) -2/2

3/20ソワレのキャスト別感想をしたためます。1本目の記事はこちら。
ストーリーの中身や曲について、書きたい放題書きました。

今回はキャスト別感想編を。

葵わかな as アーニャ

若々しい&みずみずしい声だなという第一印象。利発というか、はねっかえりな様子はセリフからよく分かります。が、ロイヤル感は難しいですね…(はねっかえりなロイヤルの声ってなんだろうとは思いつつ)
そして、歌が…音を大きく外すことはなかったものの、声量で周囲に負けていたり、Journey to the Past以降2幕まで、ピッチが下がり気味になってしまったり。Journey to the Past最後の「旅へ〜〜」はとても気持ちよく聞けて、映像の疾走感もあいまってthe ミュージカル!を感じられたので、今後に期待です(上から目線ごめんなさい)。
あと、歌い上げる系のソロを歌っているときに、(演技ではないと思いますが)体の重心を右に左にと少しずつずらしているのが気になって仕方がなかったです。彼女が歌いやすい体の使い方なのかもしれませんが、手の使い方も一辺倒で、ちょっと…。癖は誰にでもあるものと思いますが、私にとっては違和感のある動きでした…。

内海啓貴 as ディミトリ

今回随一のダークホース。制作発表の歌は海宝くんと一緒だったので比べてしまってましたが、ディミトリとして通しで見ると、うまい。歌い方に無理がなく、声量もブレず歌い上げられて、聞いていて安心感があります。前半の見せ場、My Petersburg(俺のペテルブルク)はディミトリの将来への期待を、目をキラキラさせながら歌っていて、一瞬でサンクトペテルブルクに行きたくなりました。
2幕の見せ場、In the Crowd of Thousandsはアーニャの歌を聞いているときと、アーニャの次の句を聞いて驚いたとき、と少し大げさに反応しますが、あまり違和感がない。Everything to Winでは完全にオペラでロックオンしてしまうぐらいに表情の変化がとてもよかったです。演技がうまいんだなぁ
ミス・サイゴンのクリスなど複雑な事情を抱えた役の時にどんな演技になるのか、興味が湧いてきました。レミゼのマリウスでも見てみたいし、今後のグランドミュージカルでの活躍に期待大です。

山本耕史 as グレブ

このチケットを取った時からとっても期待していた山本耕史のグレブ。幕間で一緒に行った母と話していたのですが、一人、佇まいが「役者」だなと。もちろん歌もうまいし歌い上げるし、ミュージカル役者ではないという意味ではないのですが、広い舞台で、オーブという客席数も多い劇場で、「静」の演技であれほどの存在感と感情を出せるのは、さすが役者さんだと思いました。
軍人なので、基本的に後ろで手を組んで胸を張って立っていて、眉間にシワが寄っている状態。でも、声のトーンや間の取り方、発声の仕方で、読み取れるものがある。
彼のパンフレットに寄せたコメントも他の人と一味違い、ミュージカル、舞台での静の演技について触れているので、ぜひご一読を。
あとは本当に顔が小さくて足が長くて、軍服が映えますね。とにかくかっこいいです。
ちょうど同時期に放映していたドラマ『恋は続くよどこまでも』を流し見していたのですが、そのドラマでの役どころと全然違い、そういう意味でも役者さんだなぁと思いました。イケメン・爽やかなイメージがなんとなくあり、完全な悪のイメージはありませんが、グレブぐらい内面に秘めたものがある役、もっと見てみたいです。土方歳三も格好良かった…(かなり昔の話ですが)。RENTも見てみたかったなぁ、今更ないとは思うけれど再演希望……あとは、レミゼのジャベールをやってほしいです。絶対にかっこいい。

大澄賢也 as ヴラド

ショースターですね。歌も踊りもできる。Paris Holds the Keyのダンスがダイナミックでキレキレで、でっぷりしたお腹を抱えたアニメのヴラジミールのイメージで見ていると、おぉぉぉ!?!?となります。笑
アニメとの比較でいくと、もう少し明るくておちゃらけた感じでくるかと思っていましたが、意外と(?)現実的な人。リリーとの絡みも良かったです。
そういえば、ダブルは禅さんですね。踊るのか、踊れるのか…!?(チャールストンって、意外ときちんと踊るの難しいんですよね。わかなアーニャ、ディミよしを見ていると思います)

堀内敬子 as リリー

この人もショースターですね。。。声作っているのだと思うのですが、その声のまま歌うし、ロングトーンも出ちゃうし、ダンスもできる。下手な人がやったらお下品になってしまうようなヴラドとのシーンも、「貴族だもんね」で妙に納得がいってしまうようなマイルドさに抑えられていて、さすが。全方位敵なし
とにかく「貴族とただの男」の曲がとても好きです、見ていて楽しい!これぞミュージカル。大澄賢也さんとの掛け合いもはまっていて、1組しか見ていないものの、勝手にベストカップル認定しました(え)。
あとはLand of Yesterdayですね、ただの楽しい曲というだけでなく、なかなか歌詞も大事だと思うので、歯切れよく歌ってもらえて良かったです。
他のお二人は全然違うアプローチなんだろうなぁと思うと、もう一度見たい気持ちもありつつ、彼女の気持ちのよいスターっぷりももう一度拝見したいです…

麻実れい as マリア皇太后

発声なのか、トーンなのか、やんごとなき方であることがビシバシ伝わってくるマリアでした。歳を重ねた疲れ、善意を踏みにじる周囲への怒りや絶望、そういった負の感情も伝わってくる。そういう厳しい演技はすごく好きでした。歌は、男役トーンと地声?を行き来するからか、とにかく聞き取りずらく、その点は残念です。あと、葵わかなさんもそうなのですが、タイトスカートのスカート捌きがあまり綺麗ではなくて、その点ももう少し見え方を考えてほしいなあと思ってしまいました…なかなか見ない形のスカートなので、練習するのも難しいとは思いますが。

あとは、イポリトフ伯爵の遠山さんの最初のソロもすごかったです。無音で歌い上げるのですが、音がぶれない。彼がグレブを演じる日もあるようなので、気になってきています。

他にも好きな曲をまとめたいなぁと思うぐらいにはアナスタシアにどハマりしており、自分でも驚いています。
中学の頃から知っていて大好きなミュージカルアニメで、ずっと日本での上演を待っていたので(実は確か2018ー2019年のツアー対象国に日本が入っていた)、そしてコロナで海宝ディミトリを逃しているので、その執念もあるのかなと思います…笑
もしよければ、続けてお付き合いください。

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