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世界の子供たち ~インド編~

学生時代にインドにバックパッカーで1ヵ月旅をした。


インドは、車の行き交う道路を、たくさんの動物が通る。豚、犬、牛、馬、ラクダ、他にもたくさんいた。


なかでも牛は、神聖化されているだけあり、道のど真ん中で座り込んだり、普通にゆったり歩いていたりする。


人々も、牛を殺せないので、押してみたり、指などでツンツンとしてみたりして、何とか道のど真ん中から退けて、通ろうとする。


そんな、人と動物が渾然一体となった、とても魅力的な国、インドー。今回は、そのインドに生きる子供たちについて伝えていこうと思う。


インドの子たちは、大人もそうだが、目鼻立ちがハッキリした子が多く、どちらかと言うと、欧米人の顔立ちをしている。


都市部の子は特に、どの子も賢そうな面立ちで、ズケズケと何かを言ってくるような感じではない。すごく謙虚で上品な感じを受ける。家庭の教育がしっかりしているんだろう。


農村部に行くとその様子が違ってくる。だいぶ人懐っこい子が増え、気さくに話しかけてくる。どの子もかわいい。


1番注意しなくちゃいけないのは、都市部の子で、家を持たないような家庭の子たちだ。この子たちは、毎日を生きるのに必死だ。


観光客である私たちから、少しでも毎日の生活の糧を掠め取り、生きていこうとする。彼らが悪いのではない、彼らは生きるのに必死なのだ。


こんな子に出会ったー。電車の駅のホームで、電車を待っていた時だ。インドの電車をとにかく待つ。予定。時刻の1時間を過ぎても、電車が来ない事は日常的だ。


そんな時、お腹を空かせた子がこちらに寄ってきた。「1ドルください」と。私は迷った。ここに1ドルをあげるのは簡単だが、やはりお金をあげるのは気が引けた。


悩んだあげく、私は、1ドルの代わりに、バナナをあげた。お腹を空かせているのがわかったので、少しでも腹の足しにしてほしいと。今日1日を生きる糧にしてほしいと。


そしたら、その子は、受け取った後、そのバナナを駅の線路に、思いっきり投げ捨てた。私は意味がわからなかった。


その後すぐ、彼は、手をこちらに差し出し、

「僕が欲しいのはバナナじゃない。1ドルだ。1ドルをください」と。


私は、しばらくその状況が飲み込めなかったが、だんだん、ある種の怒りがこみ上げてきて、気がついたらその子に英語で説教していた。


「バナナだって、立派な生きるための食料だ。それを捨てるとはなんだ。入らないならそのまま返せ。それを簡単にしてるような子に、1ドル何か渡せるものか。俺だって、君ら応援したいんだ」


バナナを捨てたその子は、「ごめんなさい」といい、バナナを拾いに行き、去っていった。私は彼に良いことをしたのかわからない。


ただ、応援はしたかった。生きてくれと。その後バナナを取りに行った。あの子は、きっと、生きるのに、必死なだけで、交渉をしていただけだ。


彼の姿は、ある意味、誇らしかった。外国人の私と、堂々と交渉しあった。私はふと、思ってしまったー。これが日本人の子にできるかとー。


日本人の子たちは、この力強いインドの子たちとも、ビジネスなどいろいろな場面でわたりやっていかなくてはならない。この力強さ、あるだろうかと。


インドの子の力強さを感じるとともに、日本の子たちに、力をつけさせなくちゃいけない。このままじゃ勝てない。本気でそう思った。

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