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北の夏。

養うべき家族も、追いかけるべき夢も、表現したい自己も、愛を捧げるべき人も、生活を共にする相手も、果たすべき義務も何もない。

これは事実確認だ。

ただ幸せな事に気の合う友人は居る。

そんな友人と2人、バイクに跨り旅に出た。

免許取得1年未満、バイク納車半年以内、往復550km弱、ノーインカム、43歳児2人。

四極の1つ、稚内を目指すつもりが天気の都合で広尾町にあるサウナに行く事に。
AM5:30。曇天の中出発。
相棒のおじさんのキーホルダー。イーヨーと言うらしい。


味わいがあるな。

だらだらと走り続ける。

煙草休憩が多すぎて全然進まない2人の図。

札幌を旅立ち3時間。
国境稜線...日高山脈を越えて行く。

峠はご覧の有り様です。小雨混じりで寒かった。
湧水は思いの外ぬるかった。

寒さに震えながら峠を下る。

十勝平野側に降りると30度以上の陽気に。

おれは峠を下りきった瞬間上着を脱いだ。

半袖姿でバイクを走らせていく。
日焼け?

そりゃあするだろう。

目的地に到着。
コーヒーがウリらしいが。とりあえずご飯!
アイスもあるです。
おれは豚肉を食べる。
相棒のおじさんはマグロ丼を。

相棒のおじさんはマグロ丼のマグロを1枚ずつ箸で取り、醤油に浸し食べていた。

アイス。少し小さかった。

肝心のサウナは...なかなかにスパルタンな設定だった。
サ室は105度前後だったか。
2時間ほど滞在し、えりも岬に向かう。

広尾の漁港。
早くセンターメーター移設したいな

黄金道路を走り、襟裳岬を目指す。

今回の白眉。
基本的に北の海岸線はこの様な風景ばかりだが。
嫌になるくらい夏を感じます。
雲が流れゆく。
襟裳岬に向かう道。
着。
無駄にイカすワード、風極。
青、波音、風。
越し方を眺める。北の夏が去っていく。
昭和クラシックスタイル。
さようなら襟裳岬。
帰路の途中の蒲鉾屋。
美味しかった。


同行者のおじさんに騙され

晩飯はまさかの山岡家に。
特味噌と餃子。いつでも食べれるじゃねえか!...美味しかったけど。
夕陽が見たいおれのリクエストに応えてくれたおじさん。
さようなら太陽。
後ろ姿を盗撮されていた。
ちなみにおれを待つ間、友人おじは奥さんと電話をしていたらしい。


これを撮るまでに6回やり直しました。

19:32分のマジックアワー、紫に染まる雲と空を眺めながら走った。

何かを思い出し少しだけ胸が痛くなった。

こいつらSAやコンビニを見かける度に煙草吸ってんな。


ノーインカムで500kmoverを走行したが特に不自由は感じなかった。

外部から隔絶された空間...車で移動するよりも、生身のまま外部と接続する感覚を味わえる移動の方が好みだと言う事を再認識した。

音、匂い、温度、雨、風、快、不快。

たくさん考えたけれども、何を考えたのかはあまり思い出せない。

昔の事も、将来の事もあまり考えなかったことだけは確かだと思う。

おれは行為に没頭できたのだろうか。

だとしたらそれはとても幸せな事なのだろう。

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