見出し画像

『HERE!』について。

いやぁ、みなさん。
ボカコレです。またやってきましたよ。

正義も悪も、愛も憎悪も渦巻く波乱の様相を見せている今回のボカコレですが、

僕は『HERE!』という楽曲で参加しています。

聴いてない人は今すぐ聴いてきて!!
本当にお願いします!!

さて、今回も自己満足の曲解説をしていきます。今回は歌詞についての解説はありません。なんかいちいち説明する歌詞ではないと思ったので。



着想

僕はいつもボカコレ用に曲を作るというより、タイミングよく曲が出来たから参加するというようなスタンスなのですが、今回は少しだけ「ボカコレ出たくなってきたな...」という意識のもと作っておりました。

そういった意識のもと作っていた別の曲を自分で聴きながら、ある日ふと思ったんですよね。

「クソつまんね」

ボカコレにウケることを意識した結果出来たものは、大衆ウケにも擦り寄りつつ、過去の自分を劣化コピーしたどっち付かずの半端なものでした。

で、しかもそうやって作ったものって結局ボカコレでもウケないと思ったんですよね。

今までの語学や狂廻、デッドもそうだったように、もっと自由に、のびのび作曲やりたいなーと思って、筆が乗るままに打ち込んだフレーズがHERE!の原形になりました。

どうせ僕は閃きに任せた作曲しかできないんですから、その閃きを妨げるマインドは完全に排除した方が良いに決まってるんですよね。

結果、HERE!は凄く楽しんで作曲することが出来ました。



音について

コンセプトは
「初音ミクと楽しくバンドをやる」
です。

僕は元々バンドで音楽を覚えて来た人間なのですが、個々人のテクニックに頼らない、最低限の手数で音楽の魅力を引き出すようなバンドサウンドが好きでした。

また、最近の手数の多いボカロ楽曲への僕なりのアンチテーゼを投げたいという思いもあり、最終的にこの曲には

・バンド人数を設定し、それを守る
・ギターはパワーコードのみ
・4/4拍子のエイトビート

という制約を設けて作りました。
制約を設けただけ威力が高まる。ハンターハンターみたいですね。

イントロのリフ、このリフはドロップ(1番盛り上がるあの間奏的なとこ)の直前まで続きます。エレピの音ですね。
2回に一度、少しだけsus4の響きを作り、不完全で道半ばな感じを表現しました。辿々しい足取りでのらりくらり歩いて来た僕の人生を少しだけイメージしています。

左でギターがブリッジミュートを刻んでいます。浮遊感のあるアンサンブルを切り裂くような八分音符はX1glさんの『Kaika』という大好きな楽曲からのインスピレーションです。
この曲は全編通して僕がヘッタクソなギターを頑張って弾きました。まだ始めたばっかりなのでマジ大変でした!


初音ミクの歌入り。歌のメロディはとにかく聴き手の心を掴めるよう何度も何度も精査しました。メジャーセブンスの響きにノスタルジックな雰囲気がありますね。この懐かしい感覚をきっかけに、これまでの自分を振り返るというテーマに気付いてもらえればという魂胆です。
10小節で一区切りというフレージングも、歌メロを作る段階で思いついたものです。

頭一拍ブレイクを入れてから入るBメロ、お気に入りです。F・G・A♭と来て、2回し目も素直に解決するかと思いきやG♭へと外れる進行は、ギターを弾きながら考えました。
王道進行の範疇ですが、それこそ今回やりたいのは「楽しいバンド」なので、それでいいんです。奇を衒わずに、素直に良い音楽で人の心を掴みたいのです。

「奇を衒わない」と言っておきながら、この先に挑戦をしています。この曲は「サビに歌が無い」です。要するに、あそこはドロップであり、僕にとっては「サビ」なんです!

当初はシンセサイザーは使わず歌を入れるつもりでしたが、どうしても納得のいくものが出来ず、その納得の行かなさを追求した先に「そもそも歌いるのか?」「僕はここをEDMのドロップみたいにしたいのではないか?」という感覚に行き着きました。

思い切ってあの形にしてみたところ、自分の中のイメージにハマったのですが、結構勇気のいる選択ですよね。歌の部分だけ歌ったとき、サビが無いのでどうも釈然としない感じになりますね。音楽を聴く時に歌に比重を置いてる人にとっては「サビどこ?」となったかもしれませんね。

でも、大多数の皆さんに好意的に受け取られたようで嬉しいです。

さて、1番終わり直後の8/6拍子パートですが、これピンと来た人は...いないかなぁ?
日本のロックバンド、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの名曲『遥か彼方』からの影響、でしょうね!!多分!!

いや、僕は自分で考えたつもりなんですよ。別にオマージュとかサンプリングとかそういう意識は全く無かったんですけど、もうこの展開は『遥か彼方』からの影響って言わないと嘘になっちゃうもん。『遥か彼方』聴いたことない人は是非聴いてみてください。ナルトのOPで有名な曲です。

2番Aメロのベース、お気に入りです。あえてルート弾きに徹する部分を多くしたベースの数少ない見せ場ですね。

Bメロが終わり、ドラムソロ。
この1小節間の何でもないドラムソロ。実は僕にとっては思い出深いフレーズなんですよね。

僕の音楽のはじまりは、小学生でちびっこ吹奏楽団に入団し、ドラムを叩き始めたことでした。ドラムの楽しさに一気にのめり込んだ僕は、親に教則DVDをねだり、今は名前も思い出せない色んなプロドラマーの教則DVDを真似していました。

その中で1番初めに習得した必殺技が、このドラムソロのフレーズなんです。
3連16部でタムを上から下に叩き下ろすだけのシンプルなフレーズですが、一生懸命練習して、楽団の友達に自慢しまくりました。楽団でやる曲にどうにか入れられないかと張り切ったあげく「勝手に変なフレーズを入れるな!」と先生に怒られたり。

このドラムフィルは、僕のミュージシャンとしての自我の芽生えを象徴するフィルなのです。

最後のドロップパート、ラストのディミニッシュコードは結構リスナーの方々に刺さったようで嬉しかったです。

終わり方、これめちゃくちゃやりたかったんですよね。フェルマータで音をブワーーーッと伸ばして、せーの!でジャーーン!と曲が終わる感じ。バンド音楽って感じします。

ここのコード、敢えてD♭コードで解決しないまま終わるのは、やっぱり歌詞の内容というか、まだまだ物語が続くことを表現するためですよねー。ギターを録音する時、自然とこのコードを弾いていました。

この曲は作ってて本当に楽しかったし、色々な挑戦が出来て良かったなと思いました。




まとめ


察しのいい人は分かってると思いますが、HERE!は自分の話をしている曲です。ろくでもなかった僕の人生が、振り返ればいつの間にか大切な物になっていた。そんな発見に思いを馳せて、ミクさんに歌を歌わせました。

この発見が出来たのは、僕の音楽を聴いてくれた皆さんのおかげです。いつも本当にありがとうございます。

ただ、僕の自己満足で独りよがりな音楽にだけはならないようにしたつもりです。あなたの生活にも、HERE!が良い影響を与えることを願っています。

これからもやっていくぞ!
HERE!ぜひ聴いてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?