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お習字と万年筆と私

(部屋とワイシャツと私
のノリで、
読んで頂きたいタイトルです。
古過ぎて、字余りで、伝わらないか。)
かなりマニアックな私の趣味の話です。
ごめんなさい。

第一期(3歳〜11歳)

鉛筆ですら、まだ字もろくに書けなかった、
おそらく3歳児後半、
二つ歳上の兄と共に、
私はお習字を習い始めました。

私の習い事は、基本、兄と一緒。

共働きで、
忙しかった母 が、
小学校入学前の兄に
お習字をさせるついでに、
私も一緒に、という流れ
だったかと思います。

幼い私は、
筆に墨をつけて書くことが、
最高に面白い、お絵描きのようで、
半紙がキャンパスとして収まらず、
手に墨で何かを書くことでも収まらず、
足の裏にも墨をつけて
遊んでいた記憶があります。

きっと、優しいお習字の先生と、
そのお母様だったんだと思います。
毎回、お習字終わりに、
教室入り口の洗い場で、
筆を洗って帰るのですが、
先生のお母様に、
手も足も洗って頂いておりました。

私が、あまりに幼く始めたせいか、
先生も周りも、私にはとても寛容でした。
この時に、あまり厳しく怒られることなく、
お習字?お絵描き?をしていたから、
好きになれたんだと思います。
先生と、先生のお母様に、感謝いたします。

でも、何となく惰性で、小学校5年まで
お習字を続けていました。

中学生になった兄が
学習塾へ通い出したのをきっかけに、
私も塾通いを小6で開始。

お習字を継続するのが難しくなり、
辞めてしまいました。

第ニ期(高校時代)

しばらく離れていたお習字との再会は、
高校になってから。
書道部の担当の先生が、
めっちゃ若くて美人な女の先生で、
鼻の下を伸ばした男友達が、
脚繁く通っておりました。

理系女子で、
理系の男友達とよく
つるんでいた私は、
一緒に書道部へ入ることになりました。

昔取った杵柄で、
ひらがなだけはソコソコ書けたので、
仮名の小筆を始めました。

日本の仮名は、
今現在使っている、平仮名だけではなく、
昔の日本人は、
沢山の変体仮名を多用していたようです。

わかりやすい文字を紹介します。
下の作品中央の、


のまは、万という字です。






のもは、毛という字です。

私の字が、あまり上手く表現できていない
ところは、ご容赦ください。

秋くれば
常盤(ときは)の山の松風も
うつるばかりに身にぞ
しみける 

 和泉式部 
 題しらず 
 新古今和歌集

作品を書く度に、
新しい変体仮名と出会い、
暗号文を読めるように、
暗号文を書けるように、
そんな感じが楽しくて、
先生の綺麗な字に近付きたくて。
文化祭前には、
朝5時40分の始発電車に乗り、
早朝練習とかしていました。

(写真は最近の
仮名半紙なので
第三期の作品です。
変体仮名の写真を
載せたかっただけです、
すみません。)

第三期(39歳〜現在)

娘にも、息子にも、お習字は習って欲しくて、
二人共、小学校に入ったタイミングで、
習わせ始めました。 

息子は、六つ歳上の娘が通う、お習字教室に
通い始めましたが、
私とそっくりな、頑固者、
嫌いなことは、絶対にやらない。
挙げ句の果てには、教室の最中に
居眠りを始める始末。

その話を娘から聞き、
あまりにも先生に失礼なので、
息子を起こすために、教室で待機するように。

すると、見かねた先生から、
仮名半紙のお手本をもらいました。
書いてみる?と。

それから、ドンドン、ハマりました。
確か、第三期スタートは、39歳。
高校以来、20年後のリ・リスタート。

お習字だけでなく、
ペン字のようなこともやり始めたので、
今度は万年筆にも手を出してしまいました。

万年筆の、紙を擦って、文字を書く
カリカリとした触感が大好きです。

高い万年筆よりも
パイロットの、カクノの細字が大好きです。
カラーインクがバリエーション豊富で、
とてもネーミングセンスの良い
インク名称なので、
仕事でも使ってしまいます。

左から
躑躅、黒、紫式部、竹林、紺碧
(赤紫、黒、薄紫、若緑、青色)
のインクが入った万年筆

でも、
インク漏れやら、
インク切れやら、
手を真っ青に染めてしまうことも、
白いセーターに赤インクを飛ばすことも、
そんな悩ましいこともしばしば。

でも、やっぱり、好きだなぁ、万年筆。

第三期は、きっと、死ぬまで継続中。
万年筆も、きっと、死ぬまで継続中。

少しでも、
上手くなることを経験できることは、
大人になると、
特に貴重な体験で、
精神安定剤となります。

手の触感と、
見た目の視覚と、
墨の嗅覚と、
カリカリしながら書く聴覚と、
流石に味覚はないけれど。

大好きなお習字と、
大好きな万年筆と、
私の趣味のお話でした。


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