私の地震対策の話なの その②地震に強い建物
最近、日本各地で、地震が多いので、
建築屋さんとして、考えた対策を
ネタとさせてください。
珍しく、真面目な私のお仕事目線のお話です。
興味ない方は、スルーしてくださいませ。
書き出したら、本当に長くなりました。
2600文字に近いです。
申し訳ありません。
ハード面の話です。
ちょっと専門色強すぎたので、
流し読みしてください。
ソフト面がとても大切だと考えていますが、
まずは、本業のお話から。
もし、これから、
家を探そうということで、
地震、水害、火事、台風、土砂災害、
色んな災害を考慮して、
私なら、選ぶとしたら、
今は賃貸なので、
建物全体が6階建以上のマンションの、
3階から9階までの部屋、です。
❶マンションについて
マンションは、だいたいですが、
6階以上の建物になると、
それなりに地盤がしっかりしたところに建てるか、
堅固な地盤まで杭を打って、建てるので、
建物自体が、強くなります。
そうでないと、建築基準法に違反、もしくは、
構造計算でアウトになるので、
建物自体が建てられません。
それくらい、日本では、強い建物しか、
建てられないように、皆さん、頑張っています。
ただ、古い建物は、よくわかりません。
阪神淡路大震災が起きた、1995年、その数年後、
できれば、2000年以後にできた建物なら、
まあ、大丈夫かなと思います。
地震が起きるたび、
その被害の反省点をふまえて、
建築基準法は見直し、改正されます。
新しい建物が丈夫な建物であるのは、
経年劣化が少ないというだけではなく、
そもそも、最初から、設計段階から、
強く作られているという訳です。
かと言って、タワーマンションは、
あまりオススメしたくない、です。
色々理由は後で述べますが、
根本的には、私が高所恐怖症なもので。。。
3階以上と言ったのは、
最初の写真?断面図?のように、
1階が駐車場になっているマンションが多く、
2階は下からの湿気や外気熱の変動を受けやすく、
カビが発生しやすいからです。
もし、津波や水害があれば、2階でも不安です。
でも、最下階なので、お子様が小さい頃は、
下階からの騒音のクレームがないので、
2階を選択される、
というのも、ありだと思います。
何に着眼点を置くか、という話なので。
9階までと言ったのは、
火事になった際に、消防車が、
ハシゴで救助できる高さにも限界があり、
10階までなら、大概の消防車でも、
救助できるようになっているからです。
高さ31mまでなら、大丈夫です。
階高は、だいたい3m前後なので、
サバ読んで、9階にしました。
11階以上の建物には、そのかわり、
非常用エレベーターがほぼ設置されています。
例外はあります。
火災時にも、動けるエレベーターです。
ただし、消防士さんの優先使用です。
階段が避難のメインルートとなります。
災害時は、ほぼ同時に停電もするので、
通常のエレベーターは動かなくなります。
非常用エレベーターは、非常用発電機で
動くようにできていることが多いので、
たぶん動きます。
ただし、非常用発電機が地下にあり、
水没したりすると、動きません。
地震時は、通常のエレベーターは、
最寄り階で停止する設定になっています。
電気が供給されるまで、
階段移動で生活する必要があります。
水も、停電すれば、
水を送るポンプが動かなくなるので、
出なくなります。
そんなこんなを考えると、
私は、できれば、なるべく低層階の方が、
安全で生活しやすいと思います。
周辺の建物や景観上、一概には言えませんが、
安全性だけを重視するのであれば、
低層階が安全です。
元々、高所恐怖症だから、
着眼点がよくないかもしれません。
でも、日本は、通常、低層階が安く
賃料設定しているので、
お財布にも優しく、オススメしたいです。
❷戸建住宅について
戸建住宅の話は、その立つ土地の立地条件で
ほぼ危険性が決まってしまうので、
なかなか一概に言えません。
戸建住宅は、ほぼ同じような作りと、
階数になるので、安全性を左右するのは、
その立地条件です。
川が近い、海が近い、田んぼの跡地、埋立地、
様々なケースがあります。
もし、これから、戸建住宅の土地を
探されるのであれば、
その土地の地盤調査結果を見せてもらえれば、
土地の地盤の強さや、地下水位を確認でき、
少しは安全性の確認ができるかもしれません。
造成した土地は、元々の土地の高さが
どのくらいで、どうやって盛り土したか、
それが重要です。
土地の地盤の強さは、専門家なら、それなりに
わかるので、販売窓口の人以外に、
信頼できる人に相談されてみてくださいませ。
私でよければ、ご連絡ください。笑
マンションと戸建住宅しか、お話していません。
私なら、どちらかにしたい、という思いが
強いのかもしれません。
購入するなら、大概、この二択ですし。
立地条件と家賃・費用問題があり、
住処を決めるのは
安全性だけではないのは、理解しています。
ただ、私が建物に求める最重要要求事項は、
安全性です。
何かあったときに、住む人を守れること。
守れる建物であって欲しい。
地震が多い国だからこそ、
地震に強い建物を作りたい。
建築基準法も、
それがベースで作られた
日本が誇る、真っ当な法律だと思います。
阪神淡路大震災のときには、
地震のあと、火事が発生しました。
瓦礫で消防車も動けない。
下敷きになって、動けなかった人がいた。
助かる命も、助からなかった。
そう考えれば、まずは、
倒壊しない建物を作ることが、
一番大事なことだと思います。
火事が起こる前に、逃げられたら、
命は助かります。
東北地震は、津波で大きな被害を出しました。
津波が来ても、
高さのある、堅固な建物に避難できれば、
助かった人も多かったと思います。
熊本地震の深刻な被害は、
古い戸建住宅に多かった印象です。
住処をなくして、避難所や仮設住宅で
暮らすのは、本当に大変だと思います。
私の目標は、災害時も、
自分の家にいるまま、生活を継続すること、
です。
さすがに部屋が、家が、火事で燃えたら
無理ですが。
一人暮らしとか、体が不自由な方とか、
避難所に行かないと無理な人が、優先される。
自活できる人は、
自分で自分の生活を守るだけの備えをする。
そうできたら、災害時の混乱が避けられるし、
トラブルの発生も少なくなるのでは、
と思います。
あくまで私の理想論ではありますが、
もし、住処を考える際に、
考えるきっかけになればいいなと思います。
1人の、建築屋さんとして、
皆さまの命を守れる建物で、
どうか、暮らして頂きたいな、
と切に願います。
熱く語り過ぎました。申し訳ありません。
次回はもう少し、わかりやすい話で、
すぐできるネタを
書きたいと思います。
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