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【#ざっくりレビュー】2019 J1リーグ第23節 セレッソ大阪戦

akira(@akiras21_)です。
対決は最初が肝心です。

【前節の振り返り】

・出場停止明けのチアゴ・マルチンスが先発復帰
・開始20秒で失点、鹿島は序盤から無理をしない方針に転換
・一時は同点に追いつくも、扇原貴宏の退場などプランが崩れ敗戦。今季初のリーグ戦連敗

90分を通して見ればできてたこともありましたが、6ポイントゲームを落とすという代償は大きなものがありました。扇原の出場停止も痛すぎる…

あと、鹿島戦の後に行われた天皇杯3回戦の横浜FC戦で朴一圭が足首を負傷(後に全治6週の診断)し、三好康児が欧州移籍を前提として期限付き移籍契約を解除。山田康太が名古屋グランパスへと期限付き移籍し、反対に名古屋からマテウスの加入が決まりました。うん、いろいろあり過ぎ。

【vsセレッソ 前回対戦の振り返り】

・負傷離脱していたエジガル・ジュニオがサブメンバー入り。交代出場で実戦復帰
・全体的にボールを持たされるマリノスと、カウンター一閃で得点を重ねるセレッソ
トランキーロ、あっせんなよ

前半戦の中でも指折りのトラウマゲーム。「真ん中を固めてしまえば攻められない」というマリノス攻略法のひとつがババーンと披露された感がありました。「攻めてるのに攻めきれない」という状況を作り出すセレッソのドSな守備に焦れて焦れまくった結果だといえるでしょう。あと都倉賢に鶴。

そんなこんなで、今節のメンバーは以下。

[4-4-2]
GK:杉本大地
DF:広瀬陸斗、チアゴ・マルチンス、畠中槙之輔、ティーラトン
MF:渡辺皓太、喜田拓也、仲川輝人、マテウス
FW:マルコス・ジュニオール、エリキ

[SUB]
中林洋次、ドゥシャン、松原健、和田拓也、大津祐樹、遠藤渓太、中川風希

負傷離脱したパギに代わってゴールマウスを守る杉本はこれがマリノスでのリーグ戦デビュー。ミッドウィークの天皇杯では1点差の中途中出場という難しい状況にも関わらず、しっかり試合を締めて好印象でした。また、同じ試合でフル出場を果たした渡辺も先発メンバーとしてJ1デビュー戦を迎えることに。

その他、前節は登録が間に合わなかった新加入FWエリキ、そしてマテウスもスターティングメンバー入り。ベンチには本格的に戦線復帰した松原や、マリノス初ゴールを記録した中川風希も名を連ねました。

システム表記はいろいろ悩んだんですが、ひとまずこの4-4-2としておこうと思います。なんで悩んだかって?それは試合を観てみれば分かるさ!ということでさっそく参りましょう。

いつも通りやるための異分子・マテウス起用

システム表記に悩んだ理由、それは純然たるセンターフォワードがいなかったからです。これまで相手のセンターバックを惹きつける役割がセンターフォワードには与えられていましたが、今回中央に配置されたアタッカーであるクリリンとエリキはどちらもそのタスクを負っていなかったんです。

もちろん、片方がボールを取りにサイドへ絞った際はもう片方が中央エリアにポジショニングして次の攻撃に備えたりはしていましたが、それも相手のセンターバックより離れたところに立っていました。前線に4人もアタッカーがいるのにセンターフォワードがいない、いわゆるゼロトップの状態でした。

おまけにビルドアップ時は両サイドバックがいつも通り高めにポジションを取るため、セレッソの4-4-2に対してマリノスは2-4-4で対抗するような格好に。そうです、完全に同数です。ほいじゃなんでこんな布陣にしたのよ?ということですが、ここで新加入のマテウスが出てきます。

もうね、マテウスは一言で言うとやべーんすよ。もはや異分子。何人に囲まれようが1人で展開作っちゃうし、そのタイミングも独特だし、ステップもパスもシュートも鋭いし。そんな訳分かんない存在が現れたらとりあえずマークを多めに付けたくなっちゃうじゃないですか。そこからが本番です。

片方サイドに寄るということは、その分どこかでスペースが生まれるということです。たとえば、

◎マテウスをサイドバックとサイドハーフで挟む
→ティーラトンがフリーになる
◎マテウスのドリブルコースをサイドバックとセンターバックで塞ぐ
◎同時にミッドフィールダーを1列下げて最終ラインの人数を保つ
→クリリンかエリキ、または仲川や広瀬がフリーになる

ということで、どこかしらで数的有利が発生するようになります。前回対戦時はセレッソの「相手に選択を迫るフィールディング」にたっぷりと苦しめられたので、チームびっくり人間ことマテウスを置くことで今度はマリノスがセレッソに選択を迫ったわけですね。やあやあ、セレッソぉー大阪(CV:安田顕)

で、数的有利が生まれてるということはその分スペースも広がってるわけで、そこまでボールを通せれば決定機につなげやすくなります。そしてマテウスはドリブルだけでなくボールを通す能力も備えているので、作り出したスペースにボールを渡すこともできると。こうやって考えてみれば、これまでボスが展開してきたアタッキングフットボールの基本線と大きな変わりはありません。見た目やアプローチが違うだけです。

序盤は“いつも通り”ができてた

ベースとなるアイディアがなんとなーく整理できたところで、ほいじゃその実はどうだったんやというお話に移っていきます。前項では便宜上マテウスを中心に述べましたが、試合中はそこ以外の部分でも優位性を作る動きをしていました。

たとえばボールを最後列まで下げた2分20秒ごろを見てみると、

◎渡辺が最終ラインに参加
→セレッソ2FW(奥埜博亮、ブルーノ・メンデス)に対して数的有利
◎喜田が中央(セレッソの2トップ〜中盤ラインの中間)に残り、中間ポジションを取る
→セレッソ中盤ラインの中央2人(藤田直之、木本恭生)の注意を惹く。ここは数的不利
◎ティーラトン、広瀬がワイドにポジションを取る(ピン留め)
→セレッソ中盤ラインの両サイド(清武弘嗣、水沼宏太)を惹きつける
◎クリリン、エリキが藤田、木本の背後にポジショニング
→藤田、木本は前述の通り喜田が注意を惹いているため、位置的有利

こういった状況で畠中がクリリンに縦パスを通し、クリリンはダイレクトで喜田にボールを渡します。その後喜田がティーラトンにボールを出すとこれに水沼が反応したため、そこに生まれたスペースにマテウスが入ってきます。

ティーラトンはボールを受けるとこれまたダイレクトでマテウスにボールを渡し、ティーラトンとのワンツーでセレッソの右サイドバックを務めていた松田陸の裏へと突破を試みますが、残念ながらこれは失敗。

この一連の流れは結果的に不発だったとはいえ、スペースの受け渡しもマークの剥がし方も、やっぱりいつも通りでした。

喜田皓太

ここらで渡辺皓太にも目を向けてみましょう。ミッドウィークの天皇杯でマリノスデビューを果たした彼ですが、動き方は喜田にそっくり。

とにかくスペースに走り込み、そしてスペースを埋めていく。それゆえポジションレスな動き方を見せていました。中盤の底を中心に、ティーラトンとマテウスの中間、アンカーっぽく広瀬のオーバーラップに応じて右サイドバック、最終ラインに下りてきて3バックの真ん中、はたまたトップ下と呼ばれるあたり…など。もうね、どこにでもいるんですよ

ボールを持った時は球離れを意識し、首を振りながら安全地帯を探してそこに通す。出し先があってもコースが塞がれてたらボールをキープして相手の食らいつきを待ちつつ、コースが空いたところで通す。「空いてなければ空けさせる」という意思が感じられるプレーが散見されました。

全体のバランスを取る動きが重要なのはこれまでの喜田の働きを見てれば分かることなのですが、ここに来て喜田がもう1人増えた、という。扇原が累積による出場停止だったこの試合、喜田と渡辺のダブルボランチが試せるなら…というボスの意図が先発メンバーに見えたような見えなかったような。そんな空気です。知らんけど。

1失点目:清武のピンポイントクロスはアカンて

とかなんとか言ってたら失点ですよ奥さん!しかもどっちかというとマリノスがやりたかった得点パターンで!

マリノスの守備と自分たちのポジショニングが掛け合わさってオーバーロード状態になっていたマリノス側左サイドから逃げるようにして、セレッソはボールを奪ったら中盤経由で逆サイドへ。駆け上がった丸橋祐介はそのままタッチライン際までボールを運び、仲川が食いついてきたところでバックパス。

清武がボールを拾い、そのままドリブルしてったところでボールを奪えてれば良かったんですが、これがうまく行かず清武にクロスを許す展開に。チアゴが少しだけ後ろに残ってしまっていたこと、そして畠中が背後に付かれていたことが重なって、奥埜にシュートを許してしまいました。

セレッソの前線が何度も上下運動を繰り返してマリノス最終ラインをズラしてたこととか、直前に水沼が囮になってたこととかいろいろあるんですが、一番はピンポイントに放り込んだ清武が上手かったんでこれはノーチャンス。個人的に気付いたこともあったんですが、これは今後も見守っていこうと思います。

全部じゃなくたっていい

ちょっと早い時間帯での失点を経て、セレッソは案の定ローリスクなやり方に切り替えてきます。

◎縦へは急がず、押し込んだとしても1点目のときのような密集はしない
◎守備に戻ればまずは4-4-2を形成して、マリノスのサイドバックにボールが入ったところでサイドハーフが距離を詰める
→縦方向のコースは塞ぎつつ、斜め後ろのコースは空けておいて三方からプレスを掛けられるように準備
◎最終ラインはボールサイドに寄せてスライドしつつ、4人という人数構成は崩さない
◎いわゆる「ペナ角」付近までボールを運ばれるのは許容
→中盤ラインをがっつり下げてとにかくコース・スペースを消しに行く

これ以降は試合を通してもうほぼ全体的にこのやり方。そんなもんだから倉敷保雄アナウンサーがトリビアを披露して得点の香りが(なぜか)全くしないウイイレ感を演出し始めます。これでこそ倉敷さん。俺は好きです。

てことで、マリノスはハーフスペースでの縦パスこそ入れられるものの、その先になかなか進めないというジレンマをたっぷり味わうこととなります。ほんでセレッソは奪ったら奪ったで前に蹴っ飛ばすだけ。その間に最終ラインを上げてもっぺん同じことの繰り返しをマリノスにひっそりと、しかし確実に強要します。せや、「真綿で首を絞められる」っちゅーのはこういうことや。

ですが、マリノスはマテウスのいる左サイドで縦に運びつつ、クリリンにつなげたらそのまま広瀬に通してミドルシュートを打たせる、というパターンを披露。

オーバーロードで守ってくる相手にはサイドチェンジが有効ですが、サイドを変える方法がクロスだけでなければ、変える位置も反対側のタッチライン際でなければいけないというわけでもありません。広瀬のシュートはキム・ジンヒョンに防がれたものの、「グラウンダーの速いパスでハーフスペースまで運べればシュートまでいける」というのを実践してみせた格好となりました。惜しかったよね、広瀬のシュート。

0トップシステムの脆弱性

清武の経歴に人生観を見出す倉敷アナと福田正博解説員の小話も挟みつつ、試合は前半も半ばに差し掛かります。仲川が倒されてゲットしたフリーキックでマテウスが果敢にゴールを狙ったことには実況席の2人も興奮。狙ったコースからわずかに逸れたとはいえ、チームびっくり人間っぷりを見せつけるマテウス。そしたらいつの間にか話題は天野純にスライド。からの「まぁいろんなことが起きるわけですよ、サッカーは」という何でも包み込める魔法の言葉を福田解説員が唱え、試合の話に無理やr…それとなーく軌道修正を図ります。

そしてエリキがひっそりと何の脈略もないところでふんわりクロス。トランキーロ。

その後も何の脈略もないところでどっかんミドルをぶっ放すマテウスに「それはそれで良さなんだけどこのチームで活きるのか?」という今後のフラグにつながりそうな福田解説員のコメントも交えつつ、試合はゆったりと、しかし着実に時計の針を進めていきます。そしてマテウスが再びどっかんミドル。トランキーロ。

といったところでマテウスが守備に戻って来ず、むしろ逆サイドの仲川がプレスバックしてくるという状況に。なんでかって言われりゃ理由は簡単で、クリリンもエリキも攻め残りという名の守備放棄をやらかしてしまってたからですね。ふとしたところで感じるエジガルの偉大さよ…

これに関してはもともとあんまり守備をしないタイプのクリリンと、その隣にマリノスデビュー戦を迎えたザ・未知数ことエリキが並んだ結果であり、今回の0トップシステムにおける脆弱性だったともいえます。これが今後改善されてくかどうか、現段階ではなんとも言えません。ていうかこの並びになることが今後再びあるのかすら分かりません。

ここで結論付けることはできないので、またいつかこの形になったときに改めて考えてみたいと思います。とか言ってたらさっそく次節なってたりしてね。知らんけど。

イバン・パランコ・サンチアゴ

たびたび狙われる裏抜けはほぼ杉本が防ぎ、縦→縦とつないだ先のマテウスがブロックをこじ開けようとする…という展開。いつも以上に負担が掛かってるせいか、畠中があっさり裏抜けを許すなど危ないシーンもありましたが、なんとか事なきを得てもっぺん攻撃へ。

前で前で惹きつけて、バックパスを出したら走ってきた広瀬がドーン、みたいな攻撃を繰り出すもキム・ジンヒョンがセーブ。前半に関しては広瀬がキーマンみたいなとこありましたね。

で、なんでマリノスの攻撃が食傷気味になったのかと言われれば、試合序盤にできてたことがだんだん疎かになって、結果的に自分たちに跳ね返ってきてたからじゃないかと思います。ピン留めとかギャップとか、35分過ぎの時点でもうなくなってきちゃってて、だんだん質でぶん殴ろうとしてましたし。これに関しても、この試合だけではどうにも判断しきれません。

といったところで、セットプレーの跳ね返りを拾ったナベ・コウタこと渡辺がドリブルで持ち上がり、プレーエリアの押し上げを図りますが…悲しきかな、ほとんどついてこないんです。まー暑かったもんなぁ。

並走してたクリリンと前に残ってた仲川の2人がいた中、寄せられてたこともあって渡辺は仲川へとパス。いったんは取りこぼすもなんとか足下に収めてターン、一気に前進を試みますが藤田にクリアされ、これまた未遂に終わりました。とはいえここから再びマリノスがハーフコートでボールを握る展開になります。ただまーもうセレッソのブロックがガッチガチで、ところどころ消しただけのインベーダーみたいな形に。

数えてみてビビったけど、なんなら6バックの中盤ダイヤモンドで6-4-0。「押してダメなら引いてみな」も、ついてくるのが中盤だけだからほぼ無意味。てことで勇気を出して渡辺が中に入って楔のパスを受けてそのままボールを回すも、最後に持った畠中のミドルシュートは上振れして不発。アカン、ロティーナの思うツボや…イバンのばか

その後「チームびっくり人間・マテウスの使い方が悩ましい」というマリサポの心境を代弁するかのような福田解説員のコメントを挟みつつ、時計の針は進んで前半タイムアップ。

異分子が異分子すぎる件

さあさ切り替えて後半や!メンバーもスタートポジションも変更なし!エリキも眼光鋭いぞ!

セレッソの自作自演っぽいカウンターにヒヤッとしつつ、グイグイ行ったろうや!というマリノスの姿勢は相変わらず。セレッソのブロックを目の前にして、マテウスがサイドに張っててもハーフスペースに侵入したティーラトンを使ったり、とにかく跳ね返りのセカンドボール奪取に燃えるなど、ちょっぴり変化を見せ始めます。

といったところで、セレッソもこれまたチームびっくり人間なソウザを投入。むむむ。ならばとびっくりマテウスは強烈なグラウンダーをエリキにぶち当てるという強行策を発動。惜しくもボール半個分届きませんでしたが、しれっと合わせにいけるエリキは何者なんや…

そうこうしてるうちに「そういや今日は0トップなんだよね」ということを思い出したかの如く、クリリンもエリキも前線に張るのを止めて藤田とソウザの脇斜め後ろぐらいにポジショニングするようになります。で、ときどきナベ・コウタがその役に就けばエリキがトップ下らへんに入るという流動性を見せてみたり。

うん、だんだんいつも通りのサッカーが戻ってきたな。サイドまでシンプルに通ったかと思ったらとんでもないグラウンダーのシュートを打ってくるマテウスを除いて。その後の攻防も含めてあのシーンは惜しかったですね。

1点目:縦パス2本とハーフテンポディレイ

ほいじゃスタコラサッサと試合を進めていきましょう。マテウスの予備動作を見て走るコースを変えたエリキが見れたところで残り時間は30分弱。セレッソもだんだんとミスパスが目立ち始めます。

マテウスがマークを引き連れ、その裏で大外に張ったティーラトンにパスが通り、そのまま放たれたシンプルかつピンポイントなクロスにエリキがボレーで合わせるなど、部活の帰り道に漂ってきた味噌汁の匂いみたいにちょっとずつ得点の香りがし始めます。

その後は「片方サイドでの崩しにこだわるあまり攻撃のリズムに停滞感が生まれる」というよろしくない現象が見られた時間帯もありましたが、ともかくハーフコートで殴り続ける態勢がいよいよスイッチオン。パスを出したらスペースへ、そして別のスペースに誰かが顔を出せばそこにボールが渡り…というリズムの中、スペースさえあればエリキもグイグイとドリブルで運んでビルドアップに参加。ちょっとずつ掴みかけてきましたかね。

といったところでいよいよ同点に!

最終ラインで競り合いの末ボールを奪ったチアゴがそのまま前を向き、コースがあると見るや、右サイドハーフレーンに立っていたエリキへ縦パス。これを見たクリリンが裏抜けを敢行し、エリキもそれに合わせて縦パス。これが成功して、クリリンはハーフテンポ遅らせた上で左足でワンタッチ、ボールはそのままゴールマウスへと流れてました。

縦パス2本であっさりゴール!やったね!

2失点目:ズドンにちょこん

このまま逆転や!ということでカウンターの勢いもグイグイ上がっていきます。特にボールを受けてから一旦頭を振りかぶったと思ったらグングンとドリブルスピードが上がってくエリキ、そして最後にチームびっくり人間・マテウスが豪快なシュートで締める、という流れ。僕は大好きです。ゴール決まってないんだけどね。

まーその後も手を変え品を変えセレッソのブロックを崩してやろうとマリノスはバシバシ殴り続けていくわけですが、まーひたすら走る仲川がなかなか報われない展開に。鈴木孝司が交代で入ってきてすぐ、ソウザのフリーキックに奥埜が合わせにいったプレーとかあってヒヤヒヤしましたが、それも奪ったら即カウンターにつなげてプレーエリアの爆上げに成功。うん、これだけやれてれば相手のセットプレーでも安心だな!そうだよな!

なんてフラグめいたことを言ってたらバッチリ回収してしまうわけです。あ、その前に仲川が遠藤と交代。仲川は本当にお疲れさまでした。あれだけ走って脚攣らないってすげーよ。

で、75分30秒ごろ。ズドーンと来たソウザのフリーキックに奥埜がワンタッチで合わせて決められちゃうわけですよ。奥埜のシュートフォームが日韓ワールドカップの鈴木隆行のアレみたいだったやつね。

そういやあの時の試合会場は日産スタジアムで、実況も倉敷さんだったっけ。あれからもう17年ですよ。知らんけど。

各駅停車でへばりついてちゃ動くもんも動かんて

リスタートからさっそく失点のピンチを迎えるも水沼がかっ飛ばしてくれたおかげで事なきを得つつ、その後はあくまでこれまで通りのビルドアップ。ただセレッソの中盤ラインが早めに収縮するようになったせいで、パパッとボールを狩られます。で、あっさりシュートを許す展開までと。

みんな点が欲しいのは一緒。ただその度が過ぎて、右サイドでビルドしてても反対サイドでピン留め・アイソレーションを作る味方がいないもんで、縮こまったまま崩すしかなくなってしまいます。それでも密集を避けようと反対サイドに逃げつつ攻撃の立て直しを図りますが、受け手を経由するごとにひとつずつ半秒は停まってく各駅停車左サイド行きだったため、セレッソのブロックも当然ついてきます。

セレッソのブロックもだんだんと膠着状態に向かってたので、この場面で欲しかったのは相手の注意・マークを惹きつけてギャップを作り出せるような存在。そんな中、渡辺との交代で入ってきたのは大津でした。もうちょっとだけ見たかったけどミッドウィークにフル出場してたしなぁ…

大津はパス回しのテンポ改善を狙ってボールを受けては小気味よく叩いたりしてたんですが、その連続プレーをこなしたあとに戻る先は最終ライン。セレッソの最終ライン4枚に対して、両サイドのピン留め含め6人のアタッカーで挑むファイヤーフォーメーションな一方、中盤ライン4枚に対してはほぼ喜田1人、ときどき広瀬という展開に。いや前線から誰か1人でエエからいっぺん下りてきてサポート行かんと、さすがにしんどいやろ!

このほかひとつチャンスはあったものの、あえなくタイムアップ。

おわりに:勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

そんなこんなでリーグ戦3連敗となりました。いつもとシステムが違うとか、攻めてるのに点取れてないとか、コネずにシュート打てよとか、いやいや守備に戻ってこいよとか、そういう類の意見がいつの間にかチーム・監督批判に形を変えちゃったもんで云々あったみたいですが、本当に全部そうなのかよ?という気持ちで試合を見直してみると、シュートがなかなか打てなかった理由も含めていつもと共通点が無かったわけではないという結論に落ち着きました。

もう散々出尽くしてるので今更みなまで述べませんが、新戦力がドバドバ入ってきてる反面、シーズンはグイグイ進んでいく以上、ニューフェイスは実戦経験を積ませて早いとこフィットさせたいというボスの考えは確かにあったと思います。裏を返せばこのサッカーに慣れてない選手がたくさん出てて、同じように課題もたくさん出てきたんだから、百歩譲って逆に伸びしろだと捉えることにしましょうよ。

一方で、前からずっと出てるメンバーは彼ら新戦力を引っ張ってかなきゃいけないわけです。多くの人の疑心はどうやらアタッカー陣に向いてるようですが、そりゃそうだ、新入りブラジリアンを本来引っ張ってくべきクリリンが一緒になってフリーダムにやっちゃってたわけですから。でも、彼のフリーダムさってマルコス・システムの特徴のひとつでもありますしね。なんともです。

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなしといわれるように、負けたときこそ伸びしろを見出し、噛みしめるチャンスです。これはピッチの上でプレーしていた彼らこそ身にしみて感じているはずなので、僕個人としてはこれまで通り変わらず、勝利と成長を願いながら引き続き彼らを見守っていくことにしたいと思います。そして、いちマリノスサポーターとして、次節・名古屋グランパス戦を心待ちにしています。

最後にひとつ。エリキって『SUITS』のハーヴィーにもちょっと似てるよね。また来週!

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