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【#ざっくりレビュー】2019 J1リーグ第29節 湘南ベルマーレ戦

akira(@akiras21_)です。
当時、「横浜FM」はラジオ局のことだと思っていました。

【前節の振り返り】

【vs湘南 前回対戦の振り返り】

真夏のピークが去るどころか夏にすらなってない、最初の花火が見れた平塚の夜!緊急事態で天野純が出てきたとかすでに懐かしいぞ!何年経っても思い出してしまうな!そういえば金Jだったね!

ということで、今節のメンバーは以下。

あれだけヤバそうなぶつかり方してたのに軽傷で済んだエンドゥ・ケイタがベンチ入りした一方で、ブラジル遠征から帰ってきたナベ・コウタはベンチ外(後日リリースがありましたが、そこそこに重傷でした…)。なので、空いた1枠には李忠成が入りました。

そして、ポステコグルー監督の信頼を勝ち取ったのか、今節も右サイドバックの先発は松原健。そう、試合が始まるまで松原は右サイドバックだと思ってたんだけどね…ということで、さっそく参りましょう。

ざっくり総括:力こそパワー、勢いこそストリーム

勝ったよ!2連勝!

湘南にはいろいろあったもんで、果たしてどう出てくるかは試合が始まってみないと分かんないよね〜なんてのんびりと構えていたら、やってくれましたよ不意打ちの4-4-2

最初こそびっくりしましたが、改めて観てみればやってることはあんまり変わんなかったような。湘南が想定していたゲームプランはだいたいこんな感じのことでした。

◆ プレスの第一波はとにかく球際、そしてサイドに追い込みギュッと収縮
◆ ボール保持時は最大火力のファイヤーフォーメーション
◆ 即時奪回を狙って最終ラインを高めに設定

言ってしまえばマリノスと似たようなもんです。違いはプレスに関する意識の強さとエリアの絞り方でしょうか。質的優位性でマリノスに劣る湘南が、そのギャップをアグレッシブさで埋めようと。ルックスではなくトークで攻めに来る合コンの男子みたいな感じです。知らんけど。

そんなこんなで初っ端からテンション高めでグイグイとプレーのテンポを上げてきた湘南。そしてマリノスがこれに付き合ったため、最初10分ぐらいはとにかくスピードが速かったですね。最終ラインでハーフスペースとかチャンネル(センターバックとサイドバックの間)とかを空けちゃおうが何しようが、湘南はとにかく前にも後ろにも全力で走っていくわけです。ちなみにチャンネルは仲川が1点目を決めたときも空いてたスペースだったり。

でも、勢いだけで埋めるには限界があります。張り合おうとすればするほど、実は自分が追い込まれていってしまうものです。例えるならばそう、古畑任三郎の「しゃべりすぎた男」みたいな。知らない人は観てみてね。はてさてそれはさておいて、まずは湘南の守り方から見てみようと思います。

ボール > パスコース > 人

前述したプレスの第一波がかわされたり、マリノスの攻撃が縦に急がなくなったとき、湘南はまずマリノスのボールホルダーをサイドへと追いやりながらオーバーロード(密集地帯)を形成して、その上でパスコースを埋めに行きます。

間を狭めれば当然パスは出しづらくなります。とはいえ、パスコースを完璧に消すのってほぼ無理なんですよね。わずかに空いたパスコースにボールを通せるだけの技術を持ったプレイヤーがマリノスにはたくさんいます。ということで一例がこちら。

効果の最大化とリスクヘッジはワンセットで考えたいものですね。

サイドがアレなら中央から

さて「サイドに追いやられがちだとするなら、真ん中で持ってみたらどうなのよ?」という疑問についてはこちら。

大外サイドを空けておきながら、中央は突破させない人員配置。それでいてマリノスのウィンガーにいざボールが通ったら4バックのサイドが対応して、その間に再びサイド圧縮へ。そうなったら後は同じですね。

ただ、湘南がジリジリと間合いを詰める前にマリノスはスパスパッとボールを回してた上に、湘南もそうした場面転換に対する反応は決して速くなかったので、結構あっさりと包囲網を抜けられちゃいました。「ボールは汗をかかない」ってわけですね。あとリスクヘッジ。

お前のポジションはどこなんだ

いまさら言うまでもないですが、調子がいいときのマリノスは選手のポジショニングがめちゃくちゃ流動的になります。これによって相手のマークを撹乱できますが、自分たちの間でちゃんと整理しておかないとただの無秩序になってしまうというリスクも当然伴います。昨季1年間で散々目にしてきた崩れ方ですね。

そんな諸刃のエクスカリバーが、今節は火を吹くどころか海をも焼き尽くす勢いでヨガファイヤーを連発しました。『ストリートファイター2ターボ』ぐらいのイメージ。めっちゃ速いよねアレ。いろいろあったけどやっぱり気になるのはこのお方。

いやいやいや…

お前のポジションはどこなんだ!!

いや、なぜ松原がこんなところに走り込んでるのかって言われたら「スペースがあるから」なんですよ。

ほんならなんでスペースがあるかっていうと湘南のゲームプランがそもそもそういうやり方で、マリノスとしてはその裏を突いてスペースを作り出してる、というか意図的に作り出させてるわけです。サイドに寄ってりゃ、サイドに寄ってくるもんですから。

自分たちが動くことによって、こちらの思うように相手を動かす。これがいわゆるひとつのポジショナルプレーですよ。知らんけど。

とはいえ、自分たちもここまで陣形崩しちゃって大丈夫なの…?というのはありました。事実、マリノスがボールを失ったら湘南はひたすら最終ラインの裏を狙ってましたしね。ざっくり言うと、マリノスの右サイドを攻めて足の速いチアゴを惹きつけつつ、古林将太がやたら裏抜けしてた印象です。ちなみに失点は仲川がブチ切れるレベルで全然別の形だったんだけども。

おわりに:体も頭も疲れるが、ボールは汗をかかない

ということで、今節も気になったところをササッと見てまいりました。最初の総括でも触れたように、湘南のやりたいことはマリノスと似ていました。プレスに行くスピード、狭いスペースでの素早いパス回しなどはそれなりのクオリティがありますが、“トランジション”と呼ばれる攻守転換の場面においてはプレー判断が結構ラグって、気付くとマリノスのカウンターに対して置いてけぼりになってたりしました。

この光景、どこか昨季のマリノスっぽさがあるんです。ただ無造作に動いてるだけじゃ意味がない。走行距離はやたら長いのに、だからといってスコアには直結しない試合が多かったですよね。それでも選手の気持ちはプレーぶりから伝わってくる。だから試合後にベルマーレサポーターが拍手してたのはなんとなく分かる気がするんです。なんとなく。

とにかく、横断幕を掲げていたように、クラブとして「縦の美学」第3章のページを開くと決意したのなら、今のスタイルからブレることなく進んでいってほしいなと思います。果敢さとカオスの差は紙一重ですが、その重みは経験をもって理解してこそのもの。その先にはきっと、球際での激しいプレーに頼る必要もなくなるぐらい、魅力的なサッカーが待ってますから。

次回対戦もまた真っ向勝負しようじゃないですか。ついでに我々は世界を獲りに行って、ベルマーレおじさんこと某大臣をアッと言わせたろうじゃないですか。こんなこと書いて、ここまでエゴサでたどり着かれたら怖いな。

ええい、とにかく今節マリノスが得た勝ち点3はタイトル奪還へのアクセラレーションじゃ!ということで、次のリーグ戦は今季参加したのかすら覚えてないカップ戦のファイナルを挟みつつ、本当に駅前にある駅前不動産スタジアムでのサガン鳥栖戦。リーグ戦だと実は4年も勝ててないスタジアムなんだけど、次節はなぜか金崎夢生がいないよ!

とにもかくにも首位・鹿島との勝ち点差は1まで縮まり、今シーズンも残すところ5試合となりましたが、変わらず残り全試合も勝ちにいきましょう!それじゃ皆さまアスタ・ラ・プロキシマ!アディオス!

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