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【#ざっくりレビュー】2019 J1リーグ第31節 北海道コンサドーレ札幌戦

akira (@akiras21_)です。
ディザスタームービーじゃないんだよね。もっと壮大な映画なんだよね、『インターステラー』は。映画館で観ればよかった。

【前節の振り返り】

【vs札幌 前回対戦の振り返り】

おすしとジンギスカンおいしかった!ということで今節のメンバーは以下。

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前々節の湘南ベルマーレ戦で負傷交代し、前節のサガン鳥栖戦は結局ベンチで過ごした仲川輝人が満を持して先発復帰。代わって遠藤渓太がサブメンバーに入ったため、変更はそこのみでした。

はい!それではいってみましょう、今季ラスト三ツ沢!(三ツ沢魂タオマフを掲げる音)

ざっくり総括:勢い任せでどんどん行くよ

ついに今季初の4連勝!

というより、

高山善廣vsドン・フライばりの殴り合い!!
(気になった人はググってみてね)

両者共一歩も譲らぬアタッキングフットボールで、90分間を通してまーテンポが速いこと速いことホームでもアウェーでも互いに「ガンガンいこうぜ」だった名古屋グランパス戦をちょっぴり彷彿とさせる雰囲気でした。

さて、札幌のやり方をごくごく簡単に見てみると、

▼ 守備の基本はマンツーマン+カバーシャドウ(コース消し)
▼ ミドルサード以降でボールロストしてもリトリートは消極的
▼ 攻撃時は最大火力艦砲射撃4〜5トップ

といった感じ。札幌は展開的に攻めるしかなかったというのもありますが、おかげで試合中は常にハイテンション。最初の15分で鳥栖戦まるまる1試合やり切ったみたいな感覚すらありました。精神と時の部屋かよ。

もちろん、とりわけゴール前では互いに互いのスキを突く動きが見られたりと、決して大味な試合だったわけではないのですが、まーもうとにかく目まぐるしい展開で。というわけで今回は #ざっくりレビュー の名に免じて、ひとつだけ取り上げてみたいと思います。そう、2点目のゴールシーンです。

2点目:トリコロールが一足早いお節料理を披露

こちらですね。このツイートにはゴールシーンの動画こそ付いてますが、むしろこの動画に収録されていない前段の状況からして気になるところがふんだんに盛り込まれていました。ということで、ひとつずつ振り返ってみましょう。まずはここから。

① エリキの先制ゴール
これがすべての始まり。ク・ソンユンのトラップがちょっぴり流れたとはいえ、全力ファーストディフェンスに走った結果見事にボールをかっさらい、そのままゴールへと流し込んだエリキは素晴らしかったですね。

この流れから得点を決められたことで、エリキにとっても自信につながったのではないでしょうか。こういう調子の乗り方は大いに歓迎です。

② リスタート直後、札幌がマリノス側左サイドで激しいオーバーロード
中継での1点目リプレイが明けると、タッチライン際でボールを持っていたマリノス4人に対して、札幌はなんと一挙6人で囲うというクリスマスイブの桜木町並みにどエラい密集具合を披露。そういやそんな時期もそろそろ近くなってきましたね。

ていうか、そもそもスペースが小さいってだけでもすっげー焦るのに、更に球際の激しさまで加えてくるのが札幌のやり方。それがお前らのやり方か。いやマリノスもよくやるわ。ていうかね、もうね、牛丼に生卵落とすようなもんなんですよ。メインの具材が持つポテンシャルを最大限引き出すオプションの追加。計算され尽くした調味料の配合よりも、卵白のトロみと卵黄のさっぱり具合がオーソドックスながら実に大きな展開を見せると。いやちょっと待てよ、これじゃ美味しくなっちゃうな。つーか攻撃を仕掛けられてる側の我々としてはあんまりいい例えじゃないっすね。知らんけど。

などとワイがブツクサ言うてるうちに、マリノスは素早いパスワークでヒョイヒョイっと札幌のプレスを回避。最後はマルコスが足を引っ掛けられたところで笛。フェニックス・スプラッシュの準備が整ったところで、お楽しみはこれからだ。

③マリノス側右サイドで速攻スイッチオン
札幌のスローインを扇原がカットし、後方の畠中までボールが渡ってプレッシャーから逃れた状態となった3分9秒ごろの状況を見てみましょう。

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数的不利なようで、右サイドにポッカリとスペースができていました。これを察知して走り込んだ松原に畠中がパス。

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ここでもエリキの動きが作用します。猛然とスプリントを仕掛けるエリキが視界に入った福森晃斗と菅大輝はそれぞれ注意を奪われ、菅は大外に張っていた仲川に背を向けてしまいます。また、同時に福森と菅の間、いわゆるチャンネルが空いていたため、松原はスピードボールでこの間を通し、仲川にスルーパスを届けることに成功します。

④ク・ソンユンのわずかなポジショニングがもたらした一瞬のスキ
背後を、というより自らの不注意を突かれた菅がそれを挽回すべく仲川へと食らいつき、その援護をしようと福森も後を追います。が、ここで福森がエリキのマークを外したことが第2のフラグとなりました。

菅、福森に加えて深井一希の3人に収縮プレスを掛けられた仲川は一時ボールを失ってしまいますが、深井に当たって跳ね返ったボールを再度奪うことに成功します。このとき、ニアサイドのコースを消していたク・ソンユンがほんの少しだけ前進したことで、わずかな時間だけゴール正面のスペースが空きました。このこの好機を逃すわけがないんです。そう、エリキならね。

エリキはスルスルとキム・ミンテの背後にポジションを取り、仲川がボールを奪ったと見るや、このク・ソンユンが空けたスペースに走り込み、仲川のクロスボールに頭で合わせます。こうして2点目が決まりました。

ということで、エリキの1点目を除いて大きく3つのステップ(②〜④)を踏んでゴールを奪った2点目の流れでしたが、それぞれを分解してみると、

②:位置的優位+質的優位(トラップ精度、パススピード、コースの策定)
③:位置的優位(マリノス側右サイドのスペース活用)
④:質的優位+位置的優位(1対3、ゴール前のスペース活用)

といった具合に、それぞれの優位性を活かした動きによってゴールを手繰り寄せた格好となったわけです。ここで注目したいのは、このプロセスの中に数的優位が含まれていないこと。たとえ人数が足りていなくても、工夫次第で個の能力は最大化できるし得点も演出できる、すなわち「カワイイはつくれる」ということを立証した形となりました。

このCMからもう12年も経つのかよ…

ところでストーミングってなんぞや

つまり何が言いたいかというと、この試合は「ストーミングvsストーミング」、つまり『ゴジラ対メカゴジラ』みたいなもんだったというわけです。

いや、どっちかっつーと『メカゴジラの逆襲』のほうか?

どっちでもエエわな。

さて、さっきからずっと言ってる“ストーミング”ってなんぞや?と思われている方がいらっしゃるのではないでしょうか。前説なしに唐突だもんね、そりゃいるよね。ということで簡単にご説明しましょう。

ストーミングは今からおよそ1年前にアメリカの『ESPN』というスポーツメディアで触れられたのが初出で、かなりざっくり言うと「ペップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティがポジショナルプレーなら、ユルゲン・クロップのリヴァプールはストーミングやろ」というふうに紹介され、世界中の変t…戦術好きたちが「あれじゃね?これじゃね?」と騒ぎ始めたことによって瞬く間に広まっていきました。

定義やコンセプトについてはいろんな見方があるんですが、キーワードをざっくり挙げると「即時奪回」「ゲーゲンプレス」「相手の時間を奪う」といった感じ。そう、今節のマリノスと札幌は正しくストーミング的な試合運びをしていたわけです。

ちなみに、もっと詳しく説明してる参考書として、ある月刊誌のこんな最新号がつい最近出たみたいですよ!俺まだ先月号読み終わってないんだけどさ!

ついでに、この札幌戦でも大活躍だったチアゴ・畠中コンビについての記事もよろしくどうぞ!

ちょっと内容に関わったからってちゃっかり宣伝しちゃってごめんね!そろそろ締めます!

おわりに:絶対に負けられないラスト3

ということで、久しぶりに文字数多めで小ネタてんこ盛りに、それでいてポイントは絞ってお送りした札幌戦レビューでした。これぞストーミング。知らんけど。

さて今節は鹿島アントラーズがここに来て敗戦を喫し、代わってFC東京が首位に躍り出る、そしてマリノスも2位浮上という順位変動がありました。が、首位との差は依然として1ポイント。やはりまだまだ気は抜けません。

4連勝したことよりも勝ち点3を積み重ねられた、このことにふと胸を撫で下ろした方も少なくないのではないでしょうか。そうです、我々は「絶対に負けられない」というプレッシャーとの闘いにも突入しているのです。だからこそ「自分たちのサッカー」を貫いて勝利を収めることができた今節・札幌戦の意義はとても大きいんです。春のリベンジのみならず、悲願のリーグ優勝に向けたアベンジでもあったわけですね。

代表ウィークが明ければ、今期を締めくくるラスト3試合はノンストップで進みます。それも松本山雅FC、川崎フロンターレという、これまた浅からぬ感情が向けられる相手の敵地に乗り込むアウェー2連戦と、およそ2ヶ月ぶりとなる我らが要塞・日産スタジアムでFC東京を迎え撃つ今季ラストのホームゲームTHE BIG FINAL 最高の最終戦…というラインナップ。これ以上ない極上のフィナーレを味わい、そして世界に向かって錨を上げ、帆を広げるその瞬間に立ち会いたいと心から願っています。そう、#すべてはマリノスのために !

そのためにもまずは目先の勝利を目指して、4年ぶりとなるアルウィンでの一戦もいつも通り勝ちにいきましょう!俺は黒い上着じゃなくてばっちりユニ着てくよ!それじゃこのへんでアスタ・ラ・プロキシマ!

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