2024/5/17
旅に出ると自分自身でも知らなかった自分についての新発見がある。自分が何を求めて動いているのか、何を楽しむのか、どんな場所が好きなのか、どの時間に活発になるのか、など。自分が行きたいという場所に飛び込むのはとてつもなく楽しい。新しい光景や場所に行くのは新しい世界に飛び込むことである、と時々思う。
僕の地元はかなりの田舎である。そんな田舎でも都会の方であり、スーパーやコンビニエンスストアなど買い物ができる場所は徒歩で行ける距離にある。しかし、その範囲に飲食店は多くないため、外食する場合は親が運転してお店を向かう。そして、映画館やゲームセンターなどのエンタメ施設は車を出してもらわないと到底たどり着けない。そんな場所で生まれ育ったために、都会へ行くと活気に満ちていて、そんな光景だけでも胸が弾む。
現在住んでいる場所は、大きな施設は少ないが、歩けばそこそこの数のお店が立ち並んでおり、悪くない場所である。また公共交通機関も少しだけだが発達しており、県内の都市部へ移動する手段にも困っていない。
それでも、県内にはない大都市には夢を抱く。田舎は自然が豊かというメリットがあるのかもしれないが、生活する上での不便さ、退屈さは都会に住んでいる人が想像する倍以上のような気がする。田舎暮らしをしたい、地方でスローライフを送りたいと言う都市部の人達を見ると、全力で止めたくなる。でも、旅行という目的で数日間だけ自然に触れるのも楽しいことのような気もする。それでも、大都市に住む人がうらやましいくらいには大都市へ出向くのが好きなのだが。
過去に何度か訪れた場所に行くことも、そう遠くない場所へ出かけることも、一種の旅である。県内の都市部へ移動してイオンモールに行けば、店の様子、人の様子を見るだけでも楽しい。また、僕は大阪が大好きで何度も同じ場所へ数か月に一回くらいのペースで行くのだが、立ち並ぶお店の多さ、町の繁栄ぶりを見ると刺激をもらえる。
一人暮らしを始め、奨学金や仕送り等で路面電車、幾度か汽車を使って町に訪れている。何度も訪れたために町の景色も見慣れているが、毎日見ている自宅周辺の景色とはもちろん違う。音楽を聴きながら目的地に向かっていく。路面電車や汽車に乗っていると、その音楽と車窓から見える景色に身を委ねてしまう。普段とは違う、けれど家の中にいるかのように気を張らないそんな時間が最高だなと、ぼんやり思う。
明日は映画館へ向かう。何かその間で、新発見はあるだろうか。なんとなく、楽しみである。
『さすらおう この世界中を ころがり続けてうたうよ 旅路の歌を』
さすらい/奥田民生
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