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中国は今最もロリータ服の熱量が高い?流行の背景にモデルと多様性あり

中国ロリータ服の魅力を語るために、お隣の中国では若い女性の間でロリータ服が流行しており、都心部はもちろん、上海ディズニーランドではロリータ服を着ていく人を多く見かける背景をお伝えしたいと思います。

日本では一部の愛好家たちしか着なくなった・・・

ロリータ服は1980年代、原宿に現れた日本独自のストリートファッション。大きなリボンやレースにフリル、ふんわり膨らんだスカートが「お姫様」を連想させます。
当初は多くの女性に支持されましたが、見た目の派手さや値段の高さもあって勢いは落ち、現在ではロリータ愛好家と言われる一部の人たちがメインの購買層です。

中国ではロリータ・ファッションが広がりを見せている

しかし、中国では2015年頃から『カードキャプターさくら』や『ローゼンメイデン』などの日本アニメをきっかけにロリータ服がじわりじわりと広がり、独自の文化に発展した中国ロリータ服のブランドが数多く登場。日本ブランドと比較して半分以下という価格の安さだけでなく、解釈の自由度の高さから生まれた多様性が若い女性層に受け入れられました。もちろん、近年は品質の安定度も増しており、日本ブランドの高価格帯アイテムを除けば、遜色はありません。

とくに新型コロナウイルス感染症が流行する前の2019年は、毎週のように新しい中国ロリータ服ブランドが誕生していましたし、中国市場の
に目をつけた日本ブランド「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT」やロリータ・ファッションマガジン「KERA」が進出するようになりました。

“中国版コミックマーケット”「Comicup」に200以上のロリータ服ブランドが出展

中国では日本以上にロリータ服とアニメ・ゲームの親和性が高くなったため、年2回上海で開催される中国最大級の動漫イベント「Comicup」には、毎回多くのロリータ・ファッションブランドが出展します。もちろん、中国ブランドだけでなく、日本から出展するブランドも。

「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT」/モデル:猫梓子
「KERA」
MIHO MATSUDA

私と中国ロリータ服の出会いも、2019年6月7日・8日の2日間、中国上海のコンベンションセンター・上海国家会展中心で開催された「Comicup24」でした。中国の友人から中国ロリータ服の盛り上がりは聞いていたのですが、実際に目の当たりにして驚愕、圧倒されて、以来、中国ロリータ服の取材にのめり込むようになりました。

そもそも、会場である上海国家会展中心は巨大コンベンションセンターで、総建築面積147万平方メートル、展覧会場の総面積50万平方メートル(40万平方メートルの室内展示ホールと10万平方メートルの屋外展示場)の大きさ。東京ビッグサイトの屋内展示場ホール総面積が9万5,420平方メートル、屋上展示場が6千平方メートルなので、およそ5倍の広さです。とても使いきれずにほとんどが空きスペースとなっていましたが、それでも中国ロリータ服は全出展ブース(同人と企業合わせる)の1/3くらいのエリアを占める盛況ぶりだったのです。

中国ロリータ・ファッションの流行を牽引する中国ロリータモデル

現在の中国はアメリカと並ぶ世界トップクラスのアパレル・ファッション市場規模を持ちます。アパレル市場の中では中国ロリータ服はまだ発展途中ですが、インフルエンサーとしての役割を担うモデルの存在が非常に重要視されています。中国ではネットショッピングが主流なので、weiboやQQなどのSNS、動画配信アプリ「抖音」などでインフルエンサーを起用した宣伝手法が一般的だからです。

結果、ロリータ・ファッションモデルの仕事案件は多く、中国ロリータ服黎明期から活躍したトップモデルの谢安然さんや猫梓子の存在がロールモデルとなり、ロリータモデルを目指す若い女性が増えました。

「不轨不轨」/モデル:罪音子
「甜心贩售机(HONEY MACHINE)」/モデル:荣小兔头
「Lullaby摇篮曲」/モデル:长寇

まさに百花繚乱の中国ロリータ・ファッションモデル。モデルとしての表現力の高さも衝撃を受けた所です。以上、中国ロリータ服流行の背景を簡単に説明しました。

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