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APS-C用大口径標準ズーム「タムロン17-70mm F2.8」レビュー:ロリータファッション撮影と相性○

中国ロリータ服のモデル撮影をメインに活動しているカメラマンの乃木章です。

1月14日に発売されたAPS-Cサイズミラーレス用大口径F2.8標準ズームレンズ「TAMRON 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」モニターキャンペーンに当選したので、ポートレート撮影をしてきました。モデルを務めてくれたのはKAPIさんです。

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同レンズはAPS-C対応の標準ズームレンズとして世界で初めてズーム比4.1倍の焦点距離17-70mm (35mm判換算25.5-105mm相当)、大口径F2.8を実現。大口径レンズならではの明るさと背景のボケ、各収差を抑えた解像度の高さを備え、軽量コンパクトで使い勝手の良い操作感が持ち味です。

今回は野外とスタジオでポートレート撮影をしてきましたが、ズームレンズで焦点距離を気軽に調整できる使い勝手の良さは、シャッターチャンスを逃さない上で大変重用しました。

※普段の撮影ではフルサイズのミラーレスカメラ「SONY α7 III 」と単焦点レンズを使っているので、フルサイズ機でAPS-Cサイズ用レンズを使う時の「クロップ撮影」モードで撮影しています。

背景を活かした野外でのポートレート撮影

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ブランド:不轨不轨/焦点距離:30mm 露出:F2.8 1/640秒 ISO:100

中国ロリータ服のモデル撮影では、服の割合を多めに写すのが定番です。なので、美しいロケーションを切り取ることも重要になってきます。単焦点レンズだとF1.8が標準値なので背景をよりボカすことができますが、この写真のように梅の花、池を階層にして奥行きを出すなら、ボケすぎると表現できなくなるのでF2.8が丁度良いです。
さらに、広角端(17mm)から望遠端(70mm)までカバーしているから、レンズ交換による中断なしに、スムーズに寄りと引きの撮影ができました。広角端まで開いても四隅の歪みがあまり強くないのも、ポートレート向きですね。

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ブランド:不轨不轨/焦点距離:30mm 露出:F2.8 1/800秒 ISO:100

また、同レンズのもう一つの持ち味が被写体にかなり近づけること。APS-Cサイズの標準ズームとして極めて高い近接撮影能力(広角端では0.19m、望遠端では0.39m)を持っているので、被写体の顔をアップで撮るのにも向いています(ただし、いきなり近づくと被写体がびっくりしちゃうので、事前に伝えましょう)。

スタジオ撮影で発見した解像度の高さ

スタジオで撮影する際は、野外と比べて被写体から距離を取れない環境であることが多いです。これまでも、50mmの単焦点レンズだと被写体の全身をギリギリ写せるかどうかの広さがままありました。その点ではズームレンズは非常に便利ですし、被写体にかなり寄れるので近づいてもピントが合うレンズの特性も心強かったです。ただ、それ以上に高い解像度の描写力に驚きました。

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ブランド:Doll House"ワンピース【Fantastic Wind】/焦点距離:36mm 露出:F2.8 1/200秒 ISO:100

上の写真は右側の窓から入る自然光の柔らかさを活かしたのですが、背景をあまりボカす必要がないケースでは、暗めに撮った際の解像度の高さは同日に持参した解像度の高さで知られるフルサイズ用単焦点レンズ「SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM」と同等に感じました。極端な明暗さにさえ気をつければ、白飛びや黒つぶれも発生しませんし。

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ブランド:Doll House"ワンピース【Fantastic Wind】/焦点距離:17mm 露出:F2.8 1/200秒 ISO:400

また、スタジオで標準端(35〜50mm)がメインになると思いますが、広角端(17mm)でも撮ることでスタジオの雰囲気を活かした写真になります。上の写真は、F2.8でもこれだけ光を多く拾ってくれるのと、解像度の高さがあいまって、自分の中で意識した絵画のような1枚に近づけたのではないかと思います。

同レンズは、APS-Cサイズミラーレス用としては、かなり満足度が高いです。APS-Cならではの軽量・コンパクトゆえの機動性の高さを活かしつつ、フルサイズ単焦点レンズと同等の描写力で撮れますから。カメラマンだけでなく、ロリータ愛好家の皆さんにも、お茶会などの記念撮影で使い勝手が良いレンズだと感じました。

現在、タムロンの公式サイトでは、筆者を含めたモニターキャンペーン体験者の作品が掲載されているので、ご覧いただけると幸いです。

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