デザイン思考に必要なスキルって? |1
ここまでの話
ここからは、デザイン思考に必要な、有用なスキルについて。
大きく5つに別れると思っています。ただ、重なる部分があったり、これで全てではない。そこはよろしく。
I. 観察力:ものを見て、気がつく力。「話を聴く」ことも含む。
II. 洞察力:ものを考え、分析したり体系化したりする力
III. 想像力:共感する力、妄想を膨らませてアイデアを出す力
III. 伝達力:出たアイデアを形にして伝える力
IV. 行動力:ものを作ったり、見せたり、プロセス全般で行動に移す力
まあ当たり前というか、どれも常識的なふわっとしたスキルかなとも思います。いわゆる「ソフトスキル。」大切だと言われながら、授業とか講座にはなりにくいやつ。ただ言い換えれば別に教わらなくても、実践していけば身につくスキルです。
インプットして(掘って)、膨らませて(広げて)、アウトプットに繋げる(やってみる)というデザイン思考のプロセスの流れにも呼応するかと思います。
一つづつ説明して行きますね。長くなるので多分3回くらいに分けていきます!
I. 観察力
「観察から始めよう」今週末から始まった、SocialCampusオンラインサロンでも一番初めに確認した5つのスタンスのうちの一つになってます。僕ら人間って頭でっかちなんで、自意識が芽生えてくるとすぐ「決めつける」ことすごく多くなって来ちゃうんですね。
でも物事には必ずいろんな面があって。決めつけてしまうと気づけないことも色々あります。ここを踏みとどまって、「まずみる」ことは日々気をつけて練習しないと行けないなあと常に思ってます。思ってるだけじゃダメで、実際に練習しないと行けません。結構難しい。さっさと決めちゃった方が話が早いし、「なんのために見るのか」がはっきりしないまま観察する、という行為は時に苦痛にも感じられます。幸いに僕は生来ぼーっとしていることが多いので、機会は結構ある方かなあと思っていますが。
デザインをする、ということは色々決定していくことでもあって、それはかなり責任を伴う行為だとも思っていて。何かアイデアを出す前にまずきっちり観察しているか。先入観に囚われた思い込みから作っていないか。「作れる」ようになってこそ陥りやすい罠です。
じゃあこの「観察力」、実際にどうやって鍛えるのか。
生物学の世界で、授業の第一日目にいきなり魚の標本を「自分の目と手だけで、観察してね」というだけの手ほどきで一日放置される、という割と著名な学者さんにまつわる話があります。これもフラットに、「推理」ではない観察を強いることがどれだけ辛いか、でも大切か、という教訓で、僕は結構よく思い出してます。
このようにただ見る、というのはシンプルに効果的なんですが、いきなりは難しい。僕は時間を決めて、短い間でやることを実践してます。コーヒーを飲んでる間、なるべくカップを細部まで見る、とか、朝起きたらまず窓の外を3分じっと見る、とか。
瞑想もある意味観察力を鍛える訓練です。自分の内面をじっと見る。呼吸に意識を向ける。辛抱強くじっと、見る。
他にも色々。こんな記事もあります。
そして僕の友人で、SocialCampusにも関わってもらっているカンさんはこの「観察力」を鍛えるにもってこいの「VTS」のファシリテーターでもあります。その彼がもうちょっと深いところで色々解説しているのがこのエッセイ。
VTSは対話型学習とも呼ばれていて、絵を見て、「そこに何があって」「何が起こっているのか」を言語化して伝えることで、注意深く見ること、それをアウトプットすることを「聞く」作業もセットで習慣づける優れもののメソッドです。オンラインでVTSの体験もできるので、ぜひ参加してみてください。
人の話を聞く
「観察から始めよう」は意見を言う前に相手の意見に耳を傾ける、と言う意味でもあります。あとで言及する「伝達力」と対になる「傾聴力」とも言えますが。僕の中では「観察力」の範疇に入ってくるもの(きく、と言う作業は観察も含めて五感総動員でやるものという認識)です。これについてはあとでまた別に書きたいのですが、こちらも参考になります。
次回は「洞察力と想像力」について。来週末までにかけると良いな。
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