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現地スタッフとの関わり方に悩んでいる方必見! 「海外で現地スタッフと馴染む極意」

はじめに・・・

海外でマネジメントをしたことがある方と話をすると、現地スタッフとの関わりかたで悩みを持っている人が多いということに気づきます。

特に赴任したばかりの方は現地のスタッフとどのように関わったらいいか悩んでいるケースが多いです。

当然ですが海外で働くときは日本人の方が数が少なく、現地のスタッフの方が圧倒的に多くなります。500名の工場を3人の日本人で運営するということもあります。

自分はタイで整体サロンを3店舗経営していますが、16名のスタッフに対して、日本人は自分を含めて2人。昨年までは自分1人という状況でした。

タイに来たばかりの時(2015年8月)はタイ語も全く話せず、英語もほぼ話せませんでした。海外で仕事をした経験はもちろん、海外旅行もそんなに頻繁には行っていません。

そんな状況で整体サロン経営を始めて行くことになったわけですが、まずやるべきことは現地のスタッフに馴染むということでした。


※このnoteはタイに赴任したばかりの自分にあてたメッセージのようなものです。海外に赴任するときに知っておけばよかった、ということをまとめものです。言葉が話せなくても大丈夫。誰にも当てはまるというわけではありませんが、参考にしていただけると幸いです。

このnoteに関する質問や感想は Twitter にいただけると嬉しいです。確認後翌日までにリプさせていただきます。


「馴染む」とは・・・

ここで使う「馴染む」というのは、別に一緒にご飯に行ったり遊びに行ったりするということではありません。

仕事をする上で、相手と良い関係性を築くということ。現地スタッフが意見を言ってくれたり、相談をしてくれたりする関係のことを指しています。

つまり、「信頼関係を築く」ということです。


1、マインド

「好意の返報性」という言葉をご存知でしょうか。人は相手に何かをあげると何かを返したくなる・・・そういう心理状態のことです。

例えば、何とも思ってもいなかった友達から突然「前から気になっていたんです」と言われたとします。そうするとこれまではなんとも思っていなかった人のことが突然気になってきたりします。相手に好意を伝えれば自分も好意で返したくなるのが好意の返報性の心理です。

SHOWROOMの前田さんのエピソードで次のようなものがあります。

「僕はタクシーの運転手さん相手でも、「この人が好きだ」と思い込んで話をしています。」

これらは関係性を築く上でとても重要なことです。「誰かに好かれる前にまず自分が相手のことを好きになる」もしくは「好きだと思い込む」・・・ここがスタートラインです。もし自分のスタッフを好きだと思うのが難しいという方がいたら、そもそも難ありです。。。

「人間関係は投げたものが返ってくる」といわれています。自分が苦手だと思っていたら相手も自分に苦手意識を持ちはじめます。伝わってしまうということですね。


2、メッセージ

ここは3、のパートにも繋がるのですが、関わるスタッフには自分もしくは会社の信条を先に伝えておくようにしましょう。この信条はできればシンプルな方がいいです。

ちなみに自分はメッセージとして「For Customer ,  For Staff」ということをタイ人スタッフに伝えました。(我ながらなんてシンプルw)メッセージとして「お客様はもちろん一緒に働くスタッフのことも大事にしよう」と。文化の違いもあるし、言葉の壁もある。そうすると、自分が思った通りにサービス提供がされないこともあります。また一緒に働くスタッフを気遣えないと、職場環境が悪くなり辞めるスタッフも出てきます。

※タイでは転職は当たり前。むしろ転職することで給料が上がることも多い。一方で給料だけでなく居心地のいい職場環境(サバーイな環境)を求めているタイ人も多く、職場環境を整えることがスタッフの定着化に繋がる。

3年経った今でもこの言葉をスタッフに言い続けています。何か問題があったり、意思決定をしないといけないときには「それってお客様にとってどうなの?それって一緒に働くスタッフにとってどうなの??」と考えます。

この言葉は今振り返ってもとてもよかったと思います。国を超えても理解される考え方ですし、覚えてもらいやすかったです。かっこいい言葉である必要は全くありません。

このように最初にはっきりと自分が大事にしている考え方を伝えることでそのあとの行動もしやすくなります。ここを明確にせずにマネジメントに入ってしまうと、何か意思決定をするときに合意形成がしづらくなったりします。最終的には「あの人は何を考えているのかよくわからない」なんてことになるともはや「馴染む」どころではありません。

ちなみに自分はスタンスとして通訳は入れずに、現場でタイ人と話しながらタイ語を覚えました。それにより関係性ができる部分もあるのですが、こういう大事な場面では通訳を入れてもいいと思います。ここがしっかり伝わらないとその後苦労しますから。


3、アクション

それでは、いよいよ行動していきましょう。まず覚えておいて欲しいのは現地スタッフはよーーーーくあなたのことを見ているということです。

よく考えると当たり前のことなのですが、来たばかりで海のものとも山のものともわからない人、さらにお互いの言葉もよくわからない・・・そんな時ってバリバリ警戒しますよね。この人は自分たちに利をもたらすのか、害をもたらすのか・・・関係性ができていない場面では本当によく見られています。

現地のスタッフが特に見ているのは「表情、態度」です。

現地スタッフがミスをしたときについため息をついてしまう。

現地スタッフと話をしているときに足を組んだり、椅子にもたれかかったりしてしまう。

笑っていても口角が上がっていない。

こういうのは即バレです。ついついやってしまいがちですが、一気に相手の気持ちが離れていくので要注意です。

前置きが長くなりましたが、「行動」について1番大事なのは「言行一致」であることです。

言行一致をググると

口で言うことと行動とに矛盾がないこと。 主張しているとおりに行動すること。

と出てきます。「矛盾がないこと」これが肝です。ただでさえ言葉がわからない、文化も違う。そんな人が来て言っていることとやっていることが違ったら、もうわけわからないですよね。特に最初の「馴染む」段階で現地スタッフを混乱させてはいけません。シンプルに。わかりやすく。

それでは、あなたの言行一致の「言」がなんなのか、これが2、で書いたメッセージです。だから2、のメッセージは軽はずみに言わない方がいいです。

しっかりと自分の信条と照らし合わせて、自分の行動と一致できるものをメッセージとして伝えることが大事です。綺麗なかっこいいメッセージだけ伝えて行動が伴わないならはっきり言って逆効果です。


4、メモリー

1〜3であなたは現地スタッフのことを好きだと思い、メッセージを出して、それと一致した行動をとるようになりました。これにより現地スタッフは少しずつあなたのことを知るようになります。これでかなり馴染みやすくなりますが、まだ十分とは言えません。今度はあなたが現地スタッフのことを知る番です。

マネジメントしていく中でスタッフと面談する機会は多いと思います。スタッフと面談するときあなたは何を持っていますか?

手ぶらで面談するという人は要注意です。雑談ならともかく面談は相手の考えていることを知る絶好の機会。よっぽど記憶力に自信があるなら別ですが、人はすぐ忘れてしまいます。必ずノートを持ってメモを取りましょう。

メモの取り方ですが、スタッフとの面談の場合はノートがおすすめです。スマホやパソコンでメモを取ると早いんですが、どうしても真剣さが伝わりにくくなります。文化が違えばなおさらです。思い出してください。相手は言葉がわからない分あなたの表情や態度をよくみています。

面談のやり方はまた別の機会にまとめますが、面談で聞いた内容はノートから最終的にはPCなどでまとめ直すことをお勧めします。

自分の場合はExcelで「面談ファイル」を作りました。1人1シートで作り、面談は1回1行。A列に日付、B列に面談内容を書いていました。これを積み上げていくと振り返ったときに相手の考え方がわかってきます。またDropboxなどに入れてスマホでもみれるようにしておくと、スタッフから急な相談があったときにも対応できるようになります。

スタッフからすると前に話したことを覚えていてくれたと感じ、とても嬉しくなります。この積み上げが信頼関係に繋がりますし、信頼関係ができてくると自然と相談してくれるようになります。

自分はタイに来たばかりの時は現地スタッフとの面談の時間をできるだけ多くとるようにしていました。その中で1人1人の考え方の違いや好きなこと、不満、家族構成など色々と聞きました。そしてそれらについて全部記録に残していくと記憶の定着に繋がり、気づけばそれぞれのスタッフがどのようなことを考えているかわかるようになってきました。

自分のことを好きでいてくれて、自分が相談したことをちゃんと覚えてくれる人がいたら誰だって好きになりますよね。これは日本人でも外国人でも一緒です。


Twitter創業者ジャック・ドーシーはStartup School 2013でのスピーチで次のように話をしています。

私は、会社で出会うすべての方について書いたノートを持っています。やることをすべてリストにしたノートも持っています。更に、話をするすべての人それぞれの為のスペースをノートパットに用意し、例えばSquareのCOOのサラと話すときなんかは、そこに彼女と話す必要があること等すべて書き込みます。そして、彼女に会うたびに私はリストをすべてチェックします。
とてもシンプルな記憶デバイスです。

これはTODOリストのようなイメージですが、先ほど書いたやり方はスタッフのことを知るためにやります。


おわりに

いかがでしたでしょうか。「海外で現地スタッフと馴染む極意」として

1、マインド

2、メッセージ

3、アクション

4、メモリー

の4つをあげました。これは自分がタイにきたときにやっていたこともありますができていないことの方が多いです。この1〜4を最初にやっておけばもっと早くタイスタッフと馴染めたなと思います。

これから海外で働く予定の方、海外にきたばかりの方、現地スタッフとの関わり方で悩んでいる方のヒントになれば幸いです。









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