社説 day11 その2 消費税10%に 丁寧な説明の継続を

消費税率が10%に引き上げられた。これに伴い軽減税率が導入されたが、税率の線引きなどが複雑で混乱は必至だ。納税者の理解を深めるため、官民の不断の努力が必要だ。

消費税には逆進性という欠陥がある。これを是正する目的で、飲食料品などを対象に8%に据え置く軽減税率が導入された。この据え置き対象の線引きについて、納得いかない事例が多くあり、この税率のあり方をめぐる議論は、今後も避けられないだろう。また新制度導入による経営悪化を避けるためにも、行政による決め細かいチェックは必要不可欠だ。

軽減税率の導入が混乱を招き、納税者の不満や疑問を放置すれば税の根幹である「公平の原則」を揺さぶりかねない。消費税の逆進性を軽減税率が和らげるのなら、政府は根気強く制度の説明を続け、国会も議論を尽くすべきだ。

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東京新聞 2019年10月1日 消費税10%に 丁寧な説明の継続を
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019100102000162.html


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