シングルエンティティについて


※あくまで僕が考えている範囲なのでご理解の上読んでいただければと思います。

結論
・シングルエンティティ「だけ」を理由に新リーグをダメと結論づけるのは不勉強 or 独善的

できるだけ簡単にまとめたいと思います。

最初にシングルエンティティの仕組みを聞いた時、ぶっちゃけ反対でした。
理由は

・自分達の収入が取られる
・チームの個性がない(社会主義みたい)
・3,000万円は高い!

これで本当に自分達に輝かしい未来があるように思えない。
が最初の印象でした。

で、す、が、ハッキリ言って、認識違いでした。
勉強を進めるにつれて理解できたことがたくさんありました。
実際考えてみれば

 → 独自で頑張るよりより大きな収入が得られる
 → ノウハウをみんなで共有できる
 → 日本ハンドボール界に合っている

に行きつきました。

まず最初に感じた不安について解説&解消していきたいと思います。

・自分達の収入が取られる
全部リーグに入ってしまって、いくら戻ってくるかわからない。
わけではありません。
まず、現在集めているスポンサー料はそのままチームに入ります。
ですので活動自体に問題はありません。

新リーグ開幕以降で新たなスポンサー料などの一部(何%かの議論は後述)はリーグに入ります。
そもそもなぜリーグに一部のお金を入れていくのか。
理由は
「ハンドボール界全体を良くしていくため」
です。
例えば、コロナの影響で活動ができない場合、クラブは収入が激減します。存続の危機です。
リーグに「クラブ安定基金」のようなものが必要ではないか。
実際にBリーグは2020年に7億円以上を準備し、各クラブへ特別支援金として数千万円出していたと以前記事で読みました。
Jリーグにも公式試合開催安定基金というものがあったはず。
今のJHLは。。。ご想像にお任せします。
まずは自分達に何かあった場合の基金を集めておくのは仲間を守るためにも必要なのです。
だから安定的に試合運営していける基盤のあるクラブかどうか審査は重要になります。

それ以外にも例えば、
「BリーグでやったようなLEDコートを全試合でやって行こう!」
と新たな試みをしたい時、誰がLEDコートを準備するのか。
そんな時にリーグが負担するのかチームが負担するのか。
今のハンドボール界は財政面で問題のある場面はたくさんあるので、それをリーグみんなで稼いでより全体が強固なものにしていければハンドボール界の発展のための新リーグと置き換えることもできるはず。
個人的にはアンダーカテゴリーの強化や普及、負担の軽減もして行けたら良いなーって思っています。

こういったリスクや事業はチームが負担するのでリーグには入れないくて良い!
というのも一つの回答です。
どれくらいの割合で全体で使えるお金を貯めていくのか。これが何%が良いのか、多い方が良いのか少ない方がいいのか。
ここはこれからの重要なテーマですね。

・チームの個性がない(社会主義みたい)
リーグ主導で各チームのマーケティングをしていく。
これを聞いた時「画一的でバイオレットの良さがなくなるんじゃないか。」そんな不安に駆られました。
間違いでした。
リーグから派遣されるスペシャリスト(アドバイザー?)と一緒にその地域にあったマーケティングを行なっていく。
ここで重要なのは「誰が派遣されてくるのか」です。
これが明確にはなっていないため、チームは不安を抱える点ではあります。
ですが葦原さんのネットワークを駆使して他競技で経験のある方々を採用される予定とのこと。
チーム数も決まらない中で確定は難しかったので、ここは信じて進むしかないところ。
実際に葦原さんが連れてこられた?CMOの安田さんは非常に優秀な方だと思っています。以前クラブ運営アドバイスをいただき、非常に助かりました。
リーグが画一的にマーケをするのではなく、チームの個性を活かしながら進めてくれる。
他チームの事例を真似ながら自チームに合わせたやり方にすることでより効果的に盛り上げていけると思っています。
特に企業チームがファン向けのマーケティングを始めていく時、事例を真似ながらチームの色を出せたら強力な魅力を持ったチームが早く作り上げられると思っています。

ただし、リーグに任せすぎるとチームが頑張らなくなる。
これは絶対に避けるべきであり、チームのモチベーションをどう保つのか。
そこでチームが獲得した入場者数や地域イベントの数など、チームの努力が評価される配分金の割合が設定されればモチベーションを保ったまま地域活動などしていけるのではないかと思っています。

・3,000万円は高い!
これは高いです。事実。
ですが、中身を見てみると
(※チーム、試合数も決まっていないのであくまで予定です。この通りではありません)
そもそものリーグ加盟金600万円
試合演出予算100万円/試合
ここにリーグから派遣されるスペシャリスト&営業人員の費用や審判育成費用も入れるとなると。。。
つまり今までかかっていた開催費用分+演出費用、そして分かっていながらも中々増やすことができない営業スタッフ費用や試合のクオリティを上げる審判への投資。
増えた年会費分は全てチームとハンドボール発展のために使われるものです。
要は新リーグとしてここに基準を置きたいからそこにちゃんと投資してリーグに加盟してください。との意思表示。
もちろん議論の余地は残されていると思っています。
ですがみんなが腹を括って集めたお金であれば有効活用してそれ以上に稼ぐしかない。
そのリスクをシングルエンティティという名の下にリーグが受け持ってくれる。
正直に言って、自分達でいきなりこのリスク負ってやりなさいと言われても、やれるとは思えない。。。
三重バイオレットアイリス(MVI)はクラブチームなので、活動資金はスポンサー料を中心にやりくりしています。
活動理念に賛同いただき、資金を得るのは簡単ではありません。それも毎年。
MVIはJHLの中でも上位に入るスポンサー料を集めているクラブだと思います。
スポンサー料をいただくのはハンドボールをしているからではありません。
ハンドボールを通して、地域の方々に存在の価値を感じていただき、理解を得られているからこそ支援いただけています。
「リーグの力を借りずに自分達だけで稼げる」というチームがもしあれば、なぜ今できていないのか、そして何年にもわたって続けて支援いただく難しさを理解していないからだと断言できます。
次のステップに進むためにも各チームが独自に頑張るのではなく、リーグを通してノウハウを共有し、地域に応援されながらしっかりと稼げる仕組みを各地でみんなが作っていけば、全体で大きなものになると思います。
実際に企業チームが多い中で、プロ化、そしてクラブライセンス制度を導入して、今のハンドボール界がクリアしていけるのか?
基準をどこの高さにおくのか?そして今の環境で実現可能なのか?
難しくても高い基準で高みを目指すのか。みんなが達成できる低い基準で目指す山の高さも低くするのか。一番難しいところですね。

高みを目指すのであればそれなりの基準や投資は必要です。
事業を始めたい人は投資しなければ始められません。
投資家にとって事業信頼性は非常に重要で、信頼性がなければ投資には踏み切れません。
その事業への信頼性という部分で、賛同できるできないの話になっているのだと思っています。
卵が先かニワトリが先か。
先行投資かリスク回避か。
どっちが良い悪いではないですね。

ダラダラと長くなりましたが、
ハンドボール界にはみんなで協力する文化があります。
みんなで協力して、みんなで稼いで、みんなで発展していく。
ノウハウを共有して、最初から大きく成長する。

企業もクラブもみんなで協力できる。
そんな仕組みがシングルエンティティだと思っています。

ジークスターさんの会見を見て、シングルエンティティだけが理由でないということがちゃんと確認できたのでハッキリ言えます。 笑
シングルエンティティ「だけ」を理由に新リーグをダメと結論づけるのは不勉強 or 独善的
自分達も業界も大きくできる仕組み。自分達だけが成長したいならこんな仕組みはいらない。

これからのハンドボール界を明るくしていく責任が私達にはあります。
100年後のハンドボール界の人達が笑顔でいられるように。
先日の夜会で語ってくれた方の言葉です。
そういうことでしょ。今頑張らなきゃ。

参入のために手を挙げたチームにももっと意見を聞いて欲しいですね。

これから仕組み作り、しっかり頑張ります!!


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