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獅子座流星群

 2001年11月18日、日曜の夜。岡山、旭川の堤防へ車を走らせていた。獅子座流星群。走る間もフロントガラスに次々と星が落ちてくる。興奮のままに適当な堤防に停めた。
 地面にビニールシートを敷き、あおむけになる。夜空が白濁してみえるほどの無数の星、その下を絶え間なく流れゆく星。願い事をする間などない。中には天頂付近でドォン……と音をともないながら爆発するものもあった。
 北には巨大な北斗七星。凍った柄杓が天幕にへばりついているようだ。仕事に恋愛に悩んでいた。しかし、誰しもこの広大な宇宙にひとり。だから大丈夫だ、とそのとき思った。
 明け方、空が白み始めても星は落ち続けた。太陽が昇りきってからアパートに向かった。

こんなにも多くの星を知りながら世界を操ろうとする者がいる