創業100年以上の企業の新たな挑戦。SDGsでこれからの未来を創造する ~田島ルーフィング株式会社~
Gift&Share合同会社では、SDGsの理解浸透および組織への実装支援に取り組んでいます。
今回は、田島ルーフィング株式会社様(以下「田島ルーフィング」)に2030SDGsワークショップ(Step1:本質理解)およびレゴ®シリアスプレイ®ワークショップ(Step2:ビジョンメイキング)を開催しました。
ワークショップの様子とともに、SDGsを経営戦略に実装することを企画した専務取締役の松原さんに想いや狙いを聞いてみました。
専務取締役 管理本部 本部長 松原 幸雄さん
SDGsで感じる課題と取り組むと決意した背景
(松原さん)
私は管理本部がメインなので、SDGsに取り組む必要性は以前から経営レベルで感じていました。
ただし、SDGsのことが全く分からず、当時から社外の様々な研修に参加したり、書籍を読んだり勉強をはじめたのが約2年前でした。
-SDGsは様々なところで情報や学びを得ることはできますが、実際学んでみていかがでしたか?
(松原さん)
正直なかなか自分事化することが難しかったです。SDGsの全体像やESG投資の影響が増しているといったことは分かりましたが、今一歩自身として学びに実感を持つことができず、どこかの段階で、取締役会で切り出さないといけないと思うものの躊躇して日々が過ぎ、2年間何も動けずにいました。
-今回、SDGsに取り組むと決意するにいたった背景として、何かきっかけがあったのですか?
(松原さん)
コロナ禍以降、大手のお取引先様からカーボンニュートラルをはじめ、いろんな形でSDGsに関する取組み状況の確認などの要請がでるようになりました。当社は上場企業ではありませんので、ESG投資の影響を直接受けることはありませんが、業界としてSDGsに本腰を入れて取り組んでいかないとお客さまから当社を指名されないといった危機感を感じるようになり、本格的にSDGsに取り組むことが経営判断されました。
-SDGsに取り組んでいくにあたり、どうして外部の支援を受けようと思ったのですか?
(松原さん)
一番怖いのが、SDGsを都合のいいように自分達で解釈し、SDGsウォッシュになってむしろ逆効果な取組みになることでした。
表面的に学んだところで自分事化しづらいことは、私自身2年前からSDGsを学びはじめて痛感していたところなので、そうではなく本質的にSDGsを経営に実装させるために、SDGsのプロである佐藤さんに支援をお願いすることにしました。
-何度か打合せをして、最初の取組みとして「SDGsカードゲームを開催しましょう」と提案を受けた時、正直なところ最初はどのように感じましたか?
(松原さん)
カードゲームって一体何をやるんだろうと・・・
カードに題材を与えられて、きっと何かやるんだろうと勝手に想像しましたが、一体どういう形になるのか、本当に経営層でできるのか、カードゲームと言われて真剣に取り組んでくれるかといった不安がありました。
事前の打合せで多少は佐藤さんから説明を聞いていたので、役員会議では、最初からガチガチにいくと頭に入らないので、滑らかに入れるのがゲームなんだ、素直に取り組んでくれればSDGsの本来のところの取り組みが理解できるみたいですよ、と経営層に説明しました。
自然と没入しながらSDGsの本質に向き合うSDGsカードゲーム
-実際にワークショップをやってみていかがでしたか?
(松原さん)
実際にやってみると、役員全員がカードゲームに熱くなるというか前のめりに夢中になっていて、適当に流している参加者はいませんでした。
また、ゲーム後の振返りでも、全てのテーブルで意見が活発にでていて、これほどまでに盛り上がった対話が自然と起こることが印象的でした。
-ワークショップではどんな学びがありましたか?
(松原さん)
ゲームの途中の段階で、お金に走ってしまっている現実の価値観が表れ、それが全体として悪影響を及ぼす状況に私をはじめ、皆驚いていました。
SDGsでは貧困をなくそうというゴールがありますが、そのことを考えれば経済をまわしたほうがいいと考えることはよくあることだと思いますが、それに走ってしまうと結果として環境と裏返しになり、全体に悪いインパクトを与えてしまうことをゲーム中に起きたことから気づけました。
誰も悪い方向で進もうとは思っていなかったのに、結果として参加者全員でそういう状況を生み出してしまっていたこと、そしてそこに気づけたとき、全体の意識が変わって世界をよくしていこうという行動が自然と増えていって、現実の世界と紐付けたときに何が大切かを体験から感じる事ができる。SDGsの本質を理解するには非常にいいゲームでした。
また、ゲーム後の振返りの対話では、本当によくしようというよりも、自分の関わる分野でよくしようという発想、安易な気持ちでSDGsに向き合っていたことに気づくことができました。
個人・組織のWHYを引き出し、創りたい未来を明らかにするレゴ®シリアスプレイ®
-SDGsカードゲームの次はレゴ®シリアスプレイ®を開催しました。「カードゲームの次はレゴ®か!?」と正直感じられたと思いますが、提案を受けた時の印象はいかがでしたか?
(松原さん)
最初にSDGsカードゲームを体験し、これほどまでに参加者の没入感や気づきの深さ、何よりも自分事化という点で効果が違うのかというのがあったので、レゴ®にもきっと何かが隠れているのではないかと思えるようになりました。(笑)
-実際にレゴ®シリアスプレイ®を体験してみていかがでしたか?
(松原さん)
自分たちが大切にしていることやそれに対してできていること、できていないことをレゴ®を使って表すことで、一人ひとりの本来はわからない心のなかにある想いや考えが形になって表現され、共有することで普段の会議よりも深く互いを知ることができました。
ビジョンなどの抽象的な難しい問いについても、形にしやすいレゴ®だからこそ、どう組み立て、それに対してどう意義付けするかですごく考えるので、そのテーマに対してどう考えているのか、自分自身でも気づけなかった想いを知ることができました。
また、ビジョン作成では、数年後をどんな未来にしたいのかを形で表すことができ、そしてその目標に対して、レゴ®作品の距離関係で現在地がどのくらい離れているのかを可視化することができるので、これがバックキャスティングということなんだなと感じました。
-レゴ®シリアスプレイ®で印象に残ったことはありますか?
(松原さん)
自分が話していること、レゴ®で形にしたことも、人から見るとまた違った感じ方があり、様々な角度から質問を受けることで自分自身の認識の広がりに気づくことができました。
きっと、絵を描くといったワークだと、ビジョンを描こうとしてもフォアキャスティングで現在の延長線上に流されて考えてしまう。
でも、レゴ®シリアスプレイ®では、作品を作ったあとに、後付け、こじつけで意味づけしていくので、新たな気づきが出てきます。似たような言葉でも作品に表されると一人ひとりが違う世界観であることが目の前で可視化され、それが誰一人取り残さない社会の実現を掲げたSDGsにも繋がるかもしれないなと感じました。
-田島ルーフィングのSDGsへの取組みはキックオフしたばかりで、これからいよいよ本格的にプロジェクトがスタートしますが、改めて佐藤に期待したい支援がありましたら教えてください。
(松原さん)
2回のワークショップを通じて優先課題はある程度明確になってきました。
これからも期待するところとしては2点あります。
1点目は、これからコアグループを中心に、具体的に戦略を検討し、そしてそれらを全社員に認識して動いてもらわないといけないなか、社内外にどのように伝えて組織を動かしていけばいいか。
2点目は、ある程度会社の経験を積んでいればフォアキャスティングは理解できますが、入社が浅い人間はそこも理解しづらいし、あとは全体的にバックキャスティングで進めることができるかどうかが心配なところです。
自動車業界などは世界的に分かりやすい動きがあるのでバックキャスティングしやすいと思いますが、当社はバックキャスティングで考えると、例えば建物の防水でアスファルトや塩ビをやめて、今はまだない新たな防水の仕組みを開発するかといったレベルになると思いますが、はたして本当にそれが可能なのか。結果として現在の延長線上に囚われて考えてしまうことを懸念しています。
-ありがとうございます。これから本質的にSDGsを経営に実装し、そしてそのことをしっかりとコミュニケーションし、社内外に共感によるパートナーシップ形成に繋がってこれからの未来を創出するため、私自身も本気で伴走させていただきます。
最後に、SDGsの取組みに向けて、現時点での決意をお聞かせください。
(松原さん)
ワークショップのなかで佐藤さんからお話しがありましたが、持続可能な取組みをしていくためには企業として生きていかないといけないので、まずは企業自身が健全にコンスタントにできることが重要だと思います。
未来の責任を担う新しいことに取組みながらも会社としても利益をしっかり出していく。新しいSDGsの目標に対して、しっかりと投資できる企業体になっていかないといけないと思っています。
それがよりよい未来を創るための挑戦を増やすことに繋がり、田島ルーフィングとして社会の発展に貢献できることだと思っていますので、引き続き尽力していきたいと思います。
お問い合わせは公式プロフィールの問合せフォームからご連絡ください。
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